ある女の異世界での活躍

オウガ

文字の大きさ
上 下
27 / 62

エカトル

しおりを挟む
 「……あの、私も同行していいでしょうか?」

エカトルがおずおずと手をあげながら言ってきた。

 「え?どうしたの?エカトル」
私が聞くとエカトルは頬を染めモジモジと身体をくねらせて喋りはじめた。
  「えっと……そのぉ…………」
モジモジ、チラチラと私をみるエカトルに?マークを浮かべながらエカトルをじっと見つめ、続きを待った。
そんなエカトルと私の様子を見て海がふ~と溜息をついた。
海の溜息に催促されたかの様にエカトルが話を続けた。

  「私、ミ……お二人の強さに魅かれまして…私も強くなりたくて…」










それからエカトルは色々話してくれた。
エカトル自身のこと。何故、旅をしていたのか。何故、強くなりたいのか。

…要約すると、エカトルはあるエルフの集落の族長の娘で、婿探しで強くなり、強い婿探しをしているという事だった。
んで、弓が得意で………いや、弓だけ。
弓を取られると何にもできないとエカトルは言った。
その為、だまされたときに弓を取られ、ゴブリンに捕まった……と。
だから、弓がなくてもいい様になりたい。
そう、締めくくりその瞳には決意と渇望が宿っていた。







 「…わかった。私でよければ」
私のこの言葉にエカトルは喜びの顔をし、次の私の言葉に少し青ざめた。
 「ただし、ある試練を受けてもらう」


 
しおりを挟む

処理中です...