35 / 118
第2章 建国
第7話 バルテル伯爵領の試合
しおりを挟む
翌日、闘技場で試合がおこなわれる。闘技場には観客でいっぱいになっている。近隣の貴族も来ており、ロックに挨拶に来る。アーダルベルトはディートハルトたちに会わせて45人の兵を試合に参加させる。
第1試合が始まる。アーダルベルトの兵は剣を上段から打ちこむ。ディートハルトの兵は片手で剣を持ち、軽々とアーダルベルトの兵の打ち込みを受ける。
ディートハルトの兵は剣げきを受けたまま、力技で押していく、アーダルベルトの兵は両手で剣を持ち剣を押し返そうとするが相手の剣が重すぎて体がのけぞる。
彼はさらに押しこまれて片膝を地面につく。そしてついには地面に仰向けに倒れる。ディートハルトの兵は剣先を首に突き付けて勝負を決める。
アーダルベルトは「化け物じみた怪力だ。信じられん。」と思う。そして次に兵にスピードで勝負するように指示する。
第2試合が始まる。アーダルベルトの兵は間合いをはかってその周りを走り出す。ディートハルトの兵は一瞬姿が消えたように見える。彼は走っているアーダルベルトの兵の足を引っかける。
アーダルベルトの兵は盛大に転ぶ。観客から笑い声がする。アーダルベルトは顔を赤くして怒る。アーダルベルトの兵はそのまま動けなくなり運ばれて退場する。
第3試合が始まる。アーダルベルトの兵の剣の腕はディートハルトをうならせる程の腕前だった。ディートハルトの兵はそれを片手で互角に渡り合う。
そして、アーダルベルトの兵の剣をはじくと素早く間合いの中に入り、左のこぶしをアーダルベルトの兵の腹に叩き込む。鎧を着ていたが衝撃は鎧を貫通する。
アーダルベルトの兵は一撃で失神して倒れ込む。ロックは兵たちの筋肉が見かけだけでないと確信する。兵は鎧どおしを使って見せたのだ。アーダルベルトがロックに言う。
「ディートハルト様の兵は強いですな。これで3連敗ですよ。」「彼らは地獄の訓練を受けていますから異常なほど強いはずです。」
「一体どんな訓練をしたのですか。」「100キロの甲冑を着て坂を駆け上がる訓練です。」
「100キロ!動けるのですか。」「僕は300キロの甲冑を着て訓練しました。」
「300キロ!ありえない。」「そうですよね。僕自身、何度か死にかけました。あはは!」
笑い事ではないぞ。本当の化け物たちではないか、私の兵の実力を見せようとしたのに・・・
アーダルベルトは、ロックや近郊の貴族たちに力を示して自分の地位を守ろうと考えていたが、これでは面目がつぶれてしまう。
試合ごとにアーダルベルトの兵はより実力のある者が出ていく。それに比べてディートハルトの兵は適当に試合に参加して作戦も何もない。
それでもアーダルベルトの兵は、1勝もできずに試合が進んで行く。全敗のまま45試合目を迎える。
出場するのは、バルテル伯爵の剣と言われるレオナルト・ヘルダーである。対してディートハルトの兵は試合中ずっと二日酔いで倒れていた兵がたたき起こされて出てくる。
兵は顔色が悪く、フラフラしている。レオナルトは言う。
「調子悪そうに見せて負けた時の理由が欲しいのだな。だが心配はいらない。バルテル伯爵の剣と戦うのだ。負けて当然、心配するな。」「それより、水をくれ。」
「無礼だぞ。演技を辞めよ。」「もう少し小さな声で話してくれ、頭にガンガン響く。」
「しれ者が行くぞ。」
レオナルトは裂ぱくの気合を込めて突きを放つ。兵はふら~とかわす。
「これをかわすか。たいしたのものだ。」「おじさんうるさいよ。」
兵は今すぐにでも休みたかった。そして、静かにしていて欲しかった。レオナルトは侮辱と取る。腹の底から殺意が沸いて来る。
レオナルトは必殺の三連撃を放つ。上段から切りつけ、次に胴を払うように切り、最後に首を狙って突きを繰り出す。しかし、兵は構えもせずに全てをかわしてしまう。
レオナルトの剣を持つ手が震えだす。こんな屈辱は初めてである。こちらが本気を出したのに相手は構えることもなく戦意のかけらもない。レオナルトは叫ぶ。
「きさまが強いことは分かった。情けだ、せめて戦って俺を叩きのめしてくれ!」
兵は、レオナルトの大声に目を回して倒れる。試合はレオナルトの勝ちになるが、納得できるはずがない。
この後、レオナルトは修行の旅に出ると言い出すが、アーダルベルトが必死に止めることになる。
ロックがアーダルベルトに言う。
「バルテル伯爵の剣には負けてしまいましたね。」「まあ、そうなりますが、あの兵は何だったんでしょう。」
「どうせ、二日酔いか何かでしょう。」「はあ・・・」
試合が終わって、ロックが試合の総評を述べる。
「今回の試合で、アーダルベルト様の兵たちの剣技の高さが見て取れました。今後は基礎体力を上げて剣技を生かせるようにしてください。」
観衆は戸惑う、ロックは勝った方ではなく、負けた方を評価したのだ。ディートハルトが拍手を始めると観衆も拍手を始める。
アーダルベルトはロックが何を考えているのかわからない。アーダルベルトはロックに質問する。
「どうして私の兵たちを評価したのですか。」「僕の軍は化け物ぞろいです。勝って当然なのです。負けましたがアーダルベルト様の兵の剣の腕は見事でした。」
「ありがとうごさいます。」
アーダルベルトは涙を流す。彼の面目は何とか保たれた。
第1試合が始まる。アーダルベルトの兵は剣を上段から打ちこむ。ディートハルトの兵は片手で剣を持ち、軽々とアーダルベルトの兵の打ち込みを受ける。
ディートハルトの兵は剣げきを受けたまま、力技で押していく、アーダルベルトの兵は両手で剣を持ち剣を押し返そうとするが相手の剣が重すぎて体がのけぞる。
彼はさらに押しこまれて片膝を地面につく。そしてついには地面に仰向けに倒れる。ディートハルトの兵は剣先を首に突き付けて勝負を決める。
アーダルベルトは「化け物じみた怪力だ。信じられん。」と思う。そして次に兵にスピードで勝負するように指示する。
第2試合が始まる。アーダルベルトの兵は間合いをはかってその周りを走り出す。ディートハルトの兵は一瞬姿が消えたように見える。彼は走っているアーダルベルトの兵の足を引っかける。
アーダルベルトの兵は盛大に転ぶ。観客から笑い声がする。アーダルベルトは顔を赤くして怒る。アーダルベルトの兵はそのまま動けなくなり運ばれて退場する。
第3試合が始まる。アーダルベルトの兵の剣の腕はディートハルトをうならせる程の腕前だった。ディートハルトの兵はそれを片手で互角に渡り合う。
そして、アーダルベルトの兵の剣をはじくと素早く間合いの中に入り、左のこぶしをアーダルベルトの兵の腹に叩き込む。鎧を着ていたが衝撃は鎧を貫通する。
アーダルベルトの兵は一撃で失神して倒れ込む。ロックは兵たちの筋肉が見かけだけでないと確信する。兵は鎧どおしを使って見せたのだ。アーダルベルトがロックに言う。
「ディートハルト様の兵は強いですな。これで3連敗ですよ。」「彼らは地獄の訓練を受けていますから異常なほど強いはずです。」
「一体どんな訓練をしたのですか。」「100キロの甲冑を着て坂を駆け上がる訓練です。」
「100キロ!動けるのですか。」「僕は300キロの甲冑を着て訓練しました。」
「300キロ!ありえない。」「そうですよね。僕自身、何度か死にかけました。あはは!」
笑い事ではないぞ。本当の化け物たちではないか、私の兵の実力を見せようとしたのに・・・
アーダルベルトは、ロックや近郊の貴族たちに力を示して自分の地位を守ろうと考えていたが、これでは面目がつぶれてしまう。
試合ごとにアーダルベルトの兵はより実力のある者が出ていく。それに比べてディートハルトの兵は適当に試合に参加して作戦も何もない。
それでもアーダルベルトの兵は、1勝もできずに試合が進んで行く。全敗のまま45試合目を迎える。
出場するのは、バルテル伯爵の剣と言われるレオナルト・ヘルダーである。対してディートハルトの兵は試合中ずっと二日酔いで倒れていた兵がたたき起こされて出てくる。
兵は顔色が悪く、フラフラしている。レオナルトは言う。
「調子悪そうに見せて負けた時の理由が欲しいのだな。だが心配はいらない。バルテル伯爵の剣と戦うのだ。負けて当然、心配するな。」「それより、水をくれ。」
「無礼だぞ。演技を辞めよ。」「もう少し小さな声で話してくれ、頭にガンガン響く。」
「しれ者が行くぞ。」
レオナルトは裂ぱくの気合を込めて突きを放つ。兵はふら~とかわす。
「これをかわすか。たいしたのものだ。」「おじさんうるさいよ。」
兵は今すぐにでも休みたかった。そして、静かにしていて欲しかった。レオナルトは侮辱と取る。腹の底から殺意が沸いて来る。
レオナルトは必殺の三連撃を放つ。上段から切りつけ、次に胴を払うように切り、最後に首を狙って突きを繰り出す。しかし、兵は構えもせずに全てをかわしてしまう。
レオナルトの剣を持つ手が震えだす。こんな屈辱は初めてである。こちらが本気を出したのに相手は構えることもなく戦意のかけらもない。レオナルトは叫ぶ。
「きさまが強いことは分かった。情けだ、せめて戦って俺を叩きのめしてくれ!」
兵は、レオナルトの大声に目を回して倒れる。試合はレオナルトの勝ちになるが、納得できるはずがない。
この後、レオナルトは修行の旅に出ると言い出すが、アーダルベルトが必死に止めることになる。
ロックがアーダルベルトに言う。
「バルテル伯爵の剣には負けてしまいましたね。」「まあ、そうなりますが、あの兵は何だったんでしょう。」
「どうせ、二日酔いか何かでしょう。」「はあ・・・」
試合が終わって、ロックが試合の総評を述べる。
「今回の試合で、アーダルベルト様の兵たちの剣技の高さが見て取れました。今後は基礎体力を上げて剣技を生かせるようにしてください。」
観衆は戸惑う、ロックは勝った方ではなく、負けた方を評価したのだ。ディートハルトが拍手を始めると観衆も拍手を始める。
アーダルベルトはロックが何を考えているのかわからない。アーダルベルトはロックに質問する。
「どうして私の兵たちを評価したのですか。」「僕の軍は化け物ぞろいです。勝って当然なのです。負けましたがアーダルベルト様の兵の剣の腕は見事でした。」
「ありがとうごさいます。」
アーダルベルトは涙を流す。彼の面目は何とか保たれた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる