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第4章 7国の王集合
第4話 教皇コンチヌス、コール神に意見する
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コール神教国に帰った聖騎士アルフォンスは、教皇コンチヌスに報告する。
「聖騎士アルフォンスよ。よく無事に戻ってきてくれた。バシュラール魔王国はどうだった。」「国民は皆幸せそうでした。魔王ロックは善政を行っているようです。」
「そうか、だが従わぬ者には容赦はすまい。」「いいえ、魔王ロックは温厚な人物でした。」
「魔王ロックにあったのか。」「はい、直接、城に赴き話をしてきました。」
「えっ・・・」
コンチヌスの額から汗が流れる。まさか、直接、会って来るとは・・・、確かに魔王を討ち取るとか言っていたような・・・
「ア、アルフォンス、魔王ロックを怒らせたりしていないだろうな。」「はい、友好的に話をしました。ロック様からはコール神教国と戦う気はないとのことです。」
「そうか、私は聖剣を抜いたりしたと思ったぞ。」「聖剣は抜きました。」
「今、何といった。」「聖剣を抜いたと申しました。」
「魔王ロックに聖剣を向けたのか。」「いいえ、配下のオーガという者と剣を交えました。」
「勝ったのだろうな。」「いえ、相打ちでした。」
「そのような猛者がいるのか。」「魔王ロックの配下には、私と同等以上の者が何人もいます。」
「そなたはコール神教国最強なんだぞ。」「私はバシュラール魔王国でさらに上の者がいることを学びました。」
「そうか、ご苦労だった。」
教皇コンチヌスは、コール神にバシュラール魔王国を討伐するように命じられている。聖騎士アルフォンスの話ではバシュラール魔王国は友好的である。
さらに戦えば、コール神教国の切り札、聖騎士は魔王ロックの配下に及ばない。戦えば負ける可能性が高い。これはコール神を諫めなくてはならない。
しかし、コール神の威圧に対抗できるだろうか。だが、国のためには戦いをやめなくてはならない。コンチヌスは覚悟を決めてコール神に会うことにする。
教皇コンチヌスはコール神である魔王キーシリングに会う。コンチヌスは両ひざをついてコール神に報告する。
「バシュラール魔王国へ送り出した聖騎士アルフォンスが帰ってまいりました。」「ほう、アルフォンスを送ったのか。魔王ロックの首をはねて来たか。」
「いいえ、魔王ロック配下のオーガという者と相打ちだったそうです。」「情けないな。」
「報告では魔王ロックは国民に善政を行っており、アルフォンスに友好的だったそうです。」「それがどうした。」
「バシュラール魔王国と戦うことはないと思います。」「我は戦いの準備をせよと命じたぞ。」
「分かっております。しかし、バシュラール魔王国と戦えば負けます。国民のためにも命令の撤回をお願いします。」「我におびえていた者が意見をするか。」
「はい、一命を持ってお願いします。」「面白い。お前がそこまで言うとは、命令は撤回してやろう。だが、次は無いぞ。」
「ありがとうございます。」
コール神が去るとコンチヌスは大きく息を吐く、そして喘ぐように息をする。コンチヌスの法衣は汗でぐっしょり濡れていた。
サマエル魔王国の3人の諜報員が王都に潜入する。3人はこれまでバシュラール魔王国の町や村を調べて、町の通行料の廃止や税が4割から3割に下げられていることを知っていた。
王都での調査を始める。しかし、夕方になる頃、彼らに何者かの監視がついていることに気づく。3人の諜報員はこれ以上の調査を諦めて撤退することにする。
3人はすぐに王都を離れる。
ディルクがロックとカールに報告する。
「王都に少なくとも3名の諜報員が侵入しましたが、気づかれたようで逃げられました。」「向こうの方が一枚上手だったね。」
「申し訳ありません。」「謝ることはないよ。逃げたんだろ、城の情報は守られたさ。」
カールがディルクに言う。
「ディルク、君の所の諜報員の実力を買っているよ。もうしばらく警戒を続けてくれ。」「はい。」
3人の諜報員はサマエル魔王国に戻ると宰相リリスの補佐官リリムに報告する。
「バシュラール魔王国の国内は安定しています。王都に潜入しましたが何者かに気づかれ撤退しました。」「そうですか、あちらも警戒をしているようですね。」
「申し訳ありません。」「あなたたちに気づくとは手強い相手だったのでしょう。報告書をお願いします。」「はっ。」
リリムはバシュラール魔王国の軍備を知りたかったが現時点では無理だと判断する。そして諜報員から報告書が上がって来る。
報告書によると国民の負担を減らして人気を得ていることが判る。民衆の不満を煽って揺さぶる手は使えないだろう。
バシュラール魔王国はヴァルハラ王国に圧勝している。バシュラール魔王国の軍事力を知らないで戦うのは自殺行為である。リリムは、姉のリリスに報告する。
「魔王ロックは民衆を味方につけています。軍備については調査できませんでした。」「バシュラール魔王国に隙は無いようですね。」
「はい、敵対するのは愚行かと考えます。」「分かりました。面倒ですけど、サマエル様には私から報告します。」
宰相リリスは、引きこもっている執務室から出て、魔王サマエルに会いに行く。
「リリス、あなたが出てきたということは、バシュラール魔王国への対応が決まったのですね。」「バシュラール魔王国との敵対は絶対にだめです。」
「ならば、どうしますか。」「魔王の方々に招待状を出して会見を開くことが良いかと愚考します。」
「魔王の会見ですか。何かメリットはありますか。」「魔王ロックの誕生と魔王セベクの死亡でパワーバランスが変わっています。ここは魔王を集めて見定めるべきだと考えます。」
「私が魔王たちの仲と力を推し量るのね。」「はい。」
魔王サマエルは宰相リリスについてこれだけ有能なのだから手放すことはできない。後は、あの引きこもりをやめてくれれば完璧なのにと残念に思う。
「聖騎士アルフォンスよ。よく無事に戻ってきてくれた。バシュラール魔王国はどうだった。」「国民は皆幸せそうでした。魔王ロックは善政を行っているようです。」
「そうか、だが従わぬ者には容赦はすまい。」「いいえ、魔王ロックは温厚な人物でした。」
「魔王ロックにあったのか。」「はい、直接、城に赴き話をしてきました。」
「えっ・・・」
コンチヌスの額から汗が流れる。まさか、直接、会って来るとは・・・、確かに魔王を討ち取るとか言っていたような・・・
「ア、アルフォンス、魔王ロックを怒らせたりしていないだろうな。」「はい、友好的に話をしました。ロック様からはコール神教国と戦う気はないとのことです。」
「そうか、私は聖剣を抜いたりしたと思ったぞ。」「聖剣は抜きました。」
「今、何といった。」「聖剣を抜いたと申しました。」
「魔王ロックに聖剣を向けたのか。」「いいえ、配下のオーガという者と剣を交えました。」
「勝ったのだろうな。」「いえ、相打ちでした。」
「そのような猛者がいるのか。」「魔王ロックの配下には、私と同等以上の者が何人もいます。」
「そなたはコール神教国最強なんだぞ。」「私はバシュラール魔王国でさらに上の者がいることを学びました。」
「そうか、ご苦労だった。」
教皇コンチヌスは、コール神にバシュラール魔王国を討伐するように命じられている。聖騎士アルフォンスの話ではバシュラール魔王国は友好的である。
さらに戦えば、コール神教国の切り札、聖騎士は魔王ロックの配下に及ばない。戦えば負ける可能性が高い。これはコール神を諫めなくてはならない。
しかし、コール神の威圧に対抗できるだろうか。だが、国のためには戦いをやめなくてはならない。コンチヌスは覚悟を決めてコール神に会うことにする。
教皇コンチヌスはコール神である魔王キーシリングに会う。コンチヌスは両ひざをついてコール神に報告する。
「バシュラール魔王国へ送り出した聖騎士アルフォンスが帰ってまいりました。」「ほう、アルフォンスを送ったのか。魔王ロックの首をはねて来たか。」
「いいえ、魔王ロック配下のオーガという者と相打ちだったそうです。」「情けないな。」
「報告では魔王ロックは国民に善政を行っており、アルフォンスに友好的だったそうです。」「それがどうした。」
「バシュラール魔王国と戦うことはないと思います。」「我は戦いの準備をせよと命じたぞ。」
「分かっております。しかし、バシュラール魔王国と戦えば負けます。国民のためにも命令の撤回をお願いします。」「我におびえていた者が意見をするか。」
「はい、一命を持ってお願いします。」「面白い。お前がそこまで言うとは、命令は撤回してやろう。だが、次は無いぞ。」
「ありがとうございます。」
コール神が去るとコンチヌスは大きく息を吐く、そして喘ぐように息をする。コンチヌスの法衣は汗でぐっしょり濡れていた。
サマエル魔王国の3人の諜報員が王都に潜入する。3人はこれまでバシュラール魔王国の町や村を調べて、町の通行料の廃止や税が4割から3割に下げられていることを知っていた。
王都での調査を始める。しかし、夕方になる頃、彼らに何者かの監視がついていることに気づく。3人の諜報員はこれ以上の調査を諦めて撤退することにする。
3人はすぐに王都を離れる。
ディルクがロックとカールに報告する。
「王都に少なくとも3名の諜報員が侵入しましたが、気づかれたようで逃げられました。」「向こうの方が一枚上手だったね。」
「申し訳ありません。」「謝ることはないよ。逃げたんだろ、城の情報は守られたさ。」
カールがディルクに言う。
「ディルク、君の所の諜報員の実力を買っているよ。もうしばらく警戒を続けてくれ。」「はい。」
3人の諜報員はサマエル魔王国に戻ると宰相リリスの補佐官リリムに報告する。
「バシュラール魔王国の国内は安定しています。王都に潜入しましたが何者かに気づかれ撤退しました。」「そうですか、あちらも警戒をしているようですね。」
「申し訳ありません。」「あなたたちに気づくとは手強い相手だったのでしょう。報告書をお願いします。」「はっ。」
リリムはバシュラール魔王国の軍備を知りたかったが現時点では無理だと判断する。そして諜報員から報告書が上がって来る。
報告書によると国民の負担を減らして人気を得ていることが判る。民衆の不満を煽って揺さぶる手は使えないだろう。
バシュラール魔王国はヴァルハラ王国に圧勝している。バシュラール魔王国の軍事力を知らないで戦うのは自殺行為である。リリムは、姉のリリスに報告する。
「魔王ロックは民衆を味方につけています。軍備については調査できませんでした。」「バシュラール魔王国に隙は無いようですね。」
「はい、敵対するのは愚行かと考えます。」「分かりました。面倒ですけど、サマエル様には私から報告します。」
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「リリス、あなたが出てきたということは、バシュラール魔王国への対応が決まったのですね。」「バシュラール魔王国との敵対は絶対にだめです。」
「ならば、どうしますか。」「魔王の方々に招待状を出して会見を開くことが良いかと愚考します。」
「魔王の会見ですか。何かメリットはありますか。」「魔王ロックの誕生と魔王セベクの死亡でパワーバランスが変わっています。ここは魔王を集めて見定めるべきだと考えます。」
「私が魔王たちの仲と力を推し量るのね。」「はい。」
魔王サマエルは宰相リリスについてこれだけ有能なのだから手放すことはできない。後は、あの引きこもりをやめてくれれば完璧なのにと残念に思う。
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そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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