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第5章 メルヘム暗躍
第7話 メルヘム行き詰る
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タダツグは、トウヤたち勇者隊を再結成する。トウヤたちを別々に配置するより連携が取れるチームで運用することを選んだ。タダツグ自身はセリアと兵2000を率いることにした。
アンドレアスは騎士団長として近衛騎士を率いる。タダツグは反乱軍は正面から数を頼んで攻めてくると読んでいる。
タダツグは全軍を王都から出して、近くの丘に陣を張る。王都の民衆には、背教者の貴族が攻めてくるが、勇者のいる国軍が勝利すると伝えてある。
民衆は、元勇者のタダツグを信用して落ち着いている。
ディルクの元に情報局員から連絡が来る。アダルベルト領の領主クリストハルトが近郊の貴族を集めて反乱軍を組織して王都に向かったと言うものである。
反乱軍の数は3000だが、さらに大きくなると予想している。
ケンゴからもディルクに情報が届いていた。アダルベルト領の領主クリストハルトが神の啓示を受けて国を倒すために蜂起した。教皇アウグストは国王タダツグの要請を断り中立の立場にいる。
ディルクはカールに報告する。カールはすぐ、教皇アウグストにクリストハルトを背教者として公表するように協力依頼という命令を出す。
さらにロックの了承を得てディートハルトの軍を内密にヴァルハラ王国へ派兵する。
カールからの書状が届いたアウグストは、困り果てる。カールの要請に従わなければ、自分が魔王セベクの言いなりになっていたことが公表され身の破滅になる。
しかし、神の啓示が本当ならどうする。今、国を動かしているタダツグたちはセベク神の信者ではない。ある意味、魔王の傀儡と言えなくはない。
アウグストは、考え続けて身の安全を選ぶ。教皇アウグストは、今回の反乱軍の蜂起について見解を発表する。
「クリストハルトは神の啓示を言っているが、これは魔王の言葉を聞いて盲信したものである。クリストハルトと追従する貴族を背教者とする。」
アウグストの言葉は各地の教会に伝えられる。
反乱軍を率いるクリストハルトは、貴族たちが動揺するところを見て反論する。
「私は悲しい。教皇とあろうものが魔王の手に落ちてしまうとは。神の軍で全てを駆逐して秩序を取り戻すぞ。」
貴族たちの動揺は抑えられ、反乱軍は進軍するとともに数が膨れ上がって行く。各地の貴族が参加しているためだ。
反乱軍は通行料の廃止という国策に対する反発でもあった。
行商人メルヘムはサタナキア魔王国の王都に着く。メルヘムの機嫌は悪い。行くつかの町と村に寄ってきたが住民を怒らせることが出来なかった。
この国、民衆は何を考えている。自分の国の王がバカにされたのだぞ。なぜ喜んで感謝するんだ。いくら自由でも自分の王に誇りを持っているのではないか。
王都なら国王の威光も行き届いているから、他の町や村とは違う反応をするに違いない。サタナキアを怒らせてバシュラール魔王国と争わせるのだ。
サタナキアは好戦的だからすぐに戦闘になるに違いない。そうすればバシュラール魔王国、ヴァルハラ王国、サタナキア魔王国は乱れる。
キーシリング様の指示より面白くなるに違いない。
メルヘムは宿に泊まり宿の主人と話す。
「サタナキア様のおかげで私たち行商人は商売が安心してできます。」「そりゃ、盗賊はこの国では生きていけないからね。いるとわかったら、すぐにサタナキア様が軍を動かすからね。」
「バシュラール魔王国ではサタナキア様を軽んじていますよ。」「そうかい、バシュラール魔王国の人たちはサタナキア様を噂にしているのか。うれしいねー」
「魔王ロックと引き分けて、大したことがないと言っているのですよ。」「それは嫉妬だよ。メルヘムさんはサタナキア様が好きなんだね。」
「ええ、大好きですよ。」
何だ、この反応は、他の町や村と変わらないじゃないか。話にならないかな。どうするかな。
メルヘムは、直接、サタナキア魔王国の王城に乗り込んでサタナキア本人を煽ろうかと考える。だがサタナキアは一国の王である正体を見抜かれかねない。リスクを負う行動は信条に反する。
思いとどまり、思考をめぐらす。
アンドレアスは騎士団長として近衛騎士を率いる。タダツグは反乱軍は正面から数を頼んで攻めてくると読んでいる。
タダツグは全軍を王都から出して、近くの丘に陣を張る。王都の民衆には、背教者の貴族が攻めてくるが、勇者のいる国軍が勝利すると伝えてある。
民衆は、元勇者のタダツグを信用して落ち着いている。
ディルクの元に情報局員から連絡が来る。アダルベルト領の領主クリストハルトが近郊の貴族を集めて反乱軍を組織して王都に向かったと言うものである。
反乱軍の数は3000だが、さらに大きくなると予想している。
ケンゴからもディルクに情報が届いていた。アダルベルト領の領主クリストハルトが神の啓示を受けて国を倒すために蜂起した。教皇アウグストは国王タダツグの要請を断り中立の立場にいる。
ディルクはカールに報告する。カールはすぐ、教皇アウグストにクリストハルトを背教者として公表するように協力依頼という命令を出す。
さらにロックの了承を得てディートハルトの軍を内密にヴァルハラ王国へ派兵する。
カールからの書状が届いたアウグストは、困り果てる。カールの要請に従わなければ、自分が魔王セベクの言いなりになっていたことが公表され身の破滅になる。
しかし、神の啓示が本当ならどうする。今、国を動かしているタダツグたちはセベク神の信者ではない。ある意味、魔王の傀儡と言えなくはない。
アウグストは、考え続けて身の安全を選ぶ。教皇アウグストは、今回の反乱軍の蜂起について見解を発表する。
「クリストハルトは神の啓示を言っているが、これは魔王の言葉を聞いて盲信したものである。クリストハルトと追従する貴族を背教者とする。」
アウグストの言葉は各地の教会に伝えられる。
反乱軍を率いるクリストハルトは、貴族たちが動揺するところを見て反論する。
「私は悲しい。教皇とあろうものが魔王の手に落ちてしまうとは。神の軍で全てを駆逐して秩序を取り戻すぞ。」
貴族たちの動揺は抑えられ、反乱軍は進軍するとともに数が膨れ上がって行く。各地の貴族が参加しているためだ。
反乱軍は通行料の廃止という国策に対する反発でもあった。
行商人メルヘムはサタナキア魔王国の王都に着く。メルヘムの機嫌は悪い。行くつかの町と村に寄ってきたが住民を怒らせることが出来なかった。
この国、民衆は何を考えている。自分の国の王がバカにされたのだぞ。なぜ喜んで感謝するんだ。いくら自由でも自分の王に誇りを持っているのではないか。
王都なら国王の威光も行き届いているから、他の町や村とは違う反応をするに違いない。サタナキアを怒らせてバシュラール魔王国と争わせるのだ。
サタナキアは好戦的だからすぐに戦闘になるに違いない。そうすればバシュラール魔王国、ヴァルハラ王国、サタナキア魔王国は乱れる。
キーシリング様の指示より面白くなるに違いない。
メルヘムは宿に泊まり宿の主人と話す。
「サタナキア様のおかげで私たち行商人は商売が安心してできます。」「そりゃ、盗賊はこの国では生きていけないからね。いるとわかったら、すぐにサタナキア様が軍を動かすからね。」
「バシュラール魔王国ではサタナキア様を軽んじていますよ。」「そうかい、バシュラール魔王国の人たちはサタナキア様を噂にしているのか。うれしいねー」
「魔王ロックと引き分けて、大したことがないと言っているのですよ。」「それは嫉妬だよ。メルヘムさんはサタナキア様が好きなんだね。」
「ええ、大好きですよ。」
何だ、この反応は、他の町や村と変わらないじゃないか。話にならないかな。どうするかな。
メルヘムは、直接、サタナキア魔王国の王城に乗り込んでサタナキア本人を煽ろうかと考える。だがサタナキアは一国の王である正体を見抜かれかねない。リスクを負う行動は信条に反する。
思いとどまり、思考をめぐらす。
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