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第6章 反撃
第10話 聖騎士団の戦い
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ロックたちは、住民に被害を与えることを避けるため、町や村を避けて行軍する。その行為は、町にいた兵たちの追撃を許すことになる。カールは追撃を警戒していた。
カールは町を落としながら軍を勧める計画をしていたがロックが住民への被害を嫌って却下したのだ。
しかし、追撃は無かった。キーシリングは国内の聖騎士と兵を聖都に集めていたため、町には戦うだけの兵が残っていなかった。
聖騎士団と兵たちは聖都近くの平原に布陣して、バシュラール魔王国軍を待ち受けていた。聖騎士団長が聖騎士アルフォンスに質問する。
「アルフォンス、そなたはバシュラール魔王国へ行って剣を交えてきているな。」「はい、相打ちでした。」
「そなたが相打ちとは、かなりの腕前の猛者がいたのだな。」「1人だけではありません。私より強い者も何人かいるでしょう。」
「何だと、我々は何と戦うのだ。」「勇猛な戦士たちです。それも1人1人がかなり強いです。」
聖騎士団長はアルフォンスの言葉を聞いて驚愕する。アルフォンス本人はまたオーガと剣を交えることはできないかと期待する。
聖騎士団長は考える。相手はかなり強いはずだ。聖騎士と比べると兵たちの練度は低い。このままでは兵たちは蹂躙されるかもしれない。聖騎士はどうだろう数は少ないが腕は立つ。
聖騎士が前に出て戦った方が良いのではなかろうか。そうすれば兵たちの犠牲は減らすことが出来る。敵兵が聖騎士団を抜いたとしても無傷ではいられないだろう。
弱った敵兵なら兵たちでも戦えるかもしれない。我々聖騎士団が壁になろう。団長は覚悟をきめる。
その頃、教会では信仰厚い信者たちが集められている。コール神であるキーシリングは信者たちに呼びかける。
「いま、あなたたちの信仰心が試されようとしています。間もなく魔王の軍団が襲ってきます。あなたたちは信仰の力で教会を守るのです。」
信者たちは戸惑いざわつく。
「コール神よ。救いはあるのですか。」「もちろんです。あなた方の死後は約束の地が保証されています。」
「私はまだ死にたくありません。」「受け入れなさい。これは定められた運命です。」
信者は重ね合わせた手が大きく震える。教皇コンチヌスはこのような光景は見たくなかった。だがこれはコール神の命である。
ロックたちが聖都に近づくと聖騎士団と兵たちが待ち構えている。カールは、聖騎士団と兵の布陣に違和感を覚える。これでは、聖騎士が戦って兵たちは見ているだけになるのだ。
カールがロックに言う。
「この布陣だと聖騎士たちだけが戦って、兵は戦わないことになる。おかしくないか。」「聖騎士たちは強者と戦いたいのじゃないのかな。」
「大半の兵力を殺して戦うというのか。」「だったら、使者を出して、意図を聞いてくるかい。」
「そんなことできるか。正面からぶつかるぞ。オーガとゴブリン部隊に前に出てもらう。ディートハルトの部隊は伏兵に備えてもらう。」「分かった。」
「それから魔族が出てきたら四天王に対処してもらう。」「お任せください。」
フールが代表して答える。カールは敵の指揮官の意図が図り切れていないが、とにかく戦うことにする。オーガとゴブリン部隊が前に進み出ていく。
オーガは聖騎士団の中にアルフォンスを見つける。オーガは大声で言う。
「アルフォンス、遊撃隊長オーガがお相手いたす!」「おう、受けて立つ。」
アルフォンスは進み出てオーガと剣を交える。ヤコブ部隊長は聖騎士団長を見つけ向かって行く。ヤコブの鋭い上段からの一撃は聖騎士団長に受け止められる。
ヤコブは笑う。戦場の中で好敵手を見つけたのだ。
アルフォンスとオーガがぶつかると衝撃波が起こって周囲のゴブリンや聖騎士がはじかれる。2人は離れると再び姿が消える。2人は切り結んでいるがそれは残像で高速で動き続けている。
アルフォンスとオーガは以前より腕を上げている。戦いはより高度になっているが2人の腕前は拮抗している。
ヤコブは全力を出して戦いに挑む。聖騎士団長はホブゴブリンの剣技に驚く。それでいて人間より身体能力が高いホブゴブリンである。聖騎士団長は高い剣技の持ち主であるがホブゴブリンの強烈な一撃一撃に体力が削られていく。
ゴブリン部隊と聖騎士団の戦いは、始め拮抗していたが徐々にゴブリン部隊が推し始める。それでも聖騎士団は諦めない。
ここを抜かれれば兵たちがいるがゴブリンたちを抑えることはできないだろう。聖騎士団が抜かれることはバシュラール魔王国軍を聖都に行かせることと同じなのだ。
カールは町を落としながら軍を勧める計画をしていたがロックが住民への被害を嫌って却下したのだ。
しかし、追撃は無かった。キーシリングは国内の聖騎士と兵を聖都に集めていたため、町には戦うだけの兵が残っていなかった。
聖騎士団と兵たちは聖都近くの平原に布陣して、バシュラール魔王国軍を待ち受けていた。聖騎士団長が聖騎士アルフォンスに質問する。
「アルフォンス、そなたはバシュラール魔王国へ行って剣を交えてきているな。」「はい、相打ちでした。」
「そなたが相打ちとは、かなりの腕前の猛者がいたのだな。」「1人だけではありません。私より強い者も何人かいるでしょう。」
「何だと、我々は何と戦うのだ。」「勇猛な戦士たちです。それも1人1人がかなり強いです。」
聖騎士団長はアルフォンスの言葉を聞いて驚愕する。アルフォンス本人はまたオーガと剣を交えることはできないかと期待する。
聖騎士団長は考える。相手はかなり強いはずだ。聖騎士と比べると兵たちの練度は低い。このままでは兵たちは蹂躙されるかもしれない。聖騎士はどうだろう数は少ないが腕は立つ。
聖騎士が前に出て戦った方が良いのではなかろうか。そうすれば兵たちの犠牲は減らすことが出来る。敵兵が聖騎士団を抜いたとしても無傷ではいられないだろう。
弱った敵兵なら兵たちでも戦えるかもしれない。我々聖騎士団が壁になろう。団長は覚悟をきめる。
その頃、教会では信仰厚い信者たちが集められている。コール神であるキーシリングは信者たちに呼びかける。
「いま、あなたたちの信仰心が試されようとしています。間もなく魔王の軍団が襲ってきます。あなたたちは信仰の力で教会を守るのです。」
信者たちは戸惑いざわつく。
「コール神よ。救いはあるのですか。」「もちろんです。あなた方の死後は約束の地が保証されています。」
「私はまだ死にたくありません。」「受け入れなさい。これは定められた運命です。」
信者は重ね合わせた手が大きく震える。教皇コンチヌスはこのような光景は見たくなかった。だがこれはコール神の命である。
ロックたちが聖都に近づくと聖騎士団と兵たちが待ち構えている。カールは、聖騎士団と兵の布陣に違和感を覚える。これでは、聖騎士が戦って兵たちは見ているだけになるのだ。
カールがロックに言う。
「この布陣だと聖騎士たちだけが戦って、兵は戦わないことになる。おかしくないか。」「聖騎士たちは強者と戦いたいのじゃないのかな。」
「大半の兵力を殺して戦うというのか。」「だったら、使者を出して、意図を聞いてくるかい。」
「そんなことできるか。正面からぶつかるぞ。オーガとゴブリン部隊に前に出てもらう。ディートハルトの部隊は伏兵に備えてもらう。」「分かった。」
「それから魔族が出てきたら四天王に対処してもらう。」「お任せください。」
フールが代表して答える。カールは敵の指揮官の意図が図り切れていないが、とにかく戦うことにする。オーガとゴブリン部隊が前に進み出ていく。
オーガは聖騎士団の中にアルフォンスを見つける。オーガは大声で言う。
「アルフォンス、遊撃隊長オーガがお相手いたす!」「おう、受けて立つ。」
アルフォンスは進み出てオーガと剣を交える。ヤコブ部隊長は聖騎士団長を見つけ向かって行く。ヤコブの鋭い上段からの一撃は聖騎士団長に受け止められる。
ヤコブは笑う。戦場の中で好敵手を見つけたのだ。
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