戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第97話 ヴェルフとの会見

　俺とヴェルフの会見が始まる。俺たちはまず捕虜を引き渡すことにする。
　「まずは捕虜をお引渡ししましょう。」
３人の捕虜が入ってくる。３人の席も用意されている、俺は3人に話しかける。
　「あなた方にも会見に参加してもらいたい、発言も許可しますよ。」
ヴェルフは３人に語る。
　「無事で何よりです、助かったのは３人だけですか。」「閣下、お伝えします、捕虜になったのは５人です、後は戦死しました、残りの２人はフレイムランドへ行きました。」
　「そうですか、5人しか助かりませんでしたか。」
ヴェルフは、目をつむる冥福を祈っているのだろうか。
　「仙田陛下は私をフレイムランドへ勧誘するために会見を望んだのですか。」「それもありますが、あなた自身に興味があるのです。あなたはホーネットとの戦いで勝ち続けてきた。」
　「今はそのような状況でではありませんが、当時は勝っていいました。」「Ｓ２０での戦いではひどい目にあいましたよ。」
　「ホーネットに参加していたのですか。」「事情があって、第２１８歩兵部隊と行動を共にしていました。」
　「あの部隊ですか、私の完全勝利に汚点を付けられました。一度目は事前に情報を掴んでいたにもかかわらず逃げられました。」
　「二度目はＳ２０基地に攻めてきたホーネットの部隊を殲滅するため挟撃作戦を立てたのですが第２１８歩兵部隊のいる戦艦にだけ逃げられました。」
　「我々はあなたの手の上で逃げ回るだけでした。」「そういうことにしておきましょう。１つ質問があります許可願えますか。」
　「もちろんです。」「陛下は、各国の戦闘艦の宇宙進出を認めていない。それは、各国の争いを宇宙に持ち出さないためですか。」
　「それもあります。我々の軍は、地上では神族と魔族と戦うため、宇宙では地球外生命体からの脅威に対抗するためにあります。つまり、人間の相手は想定していません。もちろん敵対行動には容赦しません。」
　「そうですか、唯一の脅威がシャドウズなのですね。」「そうですね我々の軍に被害を出すことができる人間世界の唯一の存在でしょう。」
　「陛下は今後、シャドウズをどうするおつもりですか。」「どうもしません、トールハンマーの破壊は世界への警告の意味で行いました。シャドウズにはできればフレイムランドへ参加していただきたい。」
　「私だけでなくシャドウズも勧誘するのですね。」「そうです、あなたには、艦隊の提督か軍の総司令の参謀ととしてお迎えしたいと思っています。」
　「陛下のお誘いはありがたい。しかし、唯一フレイムランドに対抗できる存在としてシャドウズは必要だと思います。もちろん、宇宙戦闘艦は建造しません。」「私の申し出は受け入れてまらえないようですね。」
　「申し訳ありません。将来、もしフレイムランドが人類社会に干渉してきた時の抑止力になりたいと思います。」「随分、先の未来のことを考えているのですね。」
　「備えは必要です。」「分かりました、ただ我々はいつでもシャドウズを受け入れる準備があることを覚えていてください。」
　「配慮感謝します。」
こうして、会見は終わりヴェルフは捕虜と共に去っていく。
　ヴェルフ・オーマンは温厚な性格だ。無理に血を流すような行動はしないだろう。そして思慮深く将来の様々な可能性について考えているのだろう、
　もちろん今回の会見が国連の不興を買うことも承知しているに違いない。