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第28話 刺客

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 オカルト相談コーナーは鬼を切って終わる。
 フロアディレクターの清水えりなは
 「逢神君、今のは何見えなかったんだけども。」
 「俺にも分かりません。」
たけるは正直に答えると鈴鹿が駆け寄って来て
 「神速、使えるよになったのね。」
 「神速て何。」
 「上級の鬼が使える技よ。」
 「鬼が使うのに神速?」
 「技の名前は私がつけたわ、人の目で追えない動きができるのよ。」
 「これまで俺は上級の鬼を相手にしていなかったのか。」
 「そうね、赤頭圭子は上級の鬼と言えるわ。」
 「確かに全くかなわなかったからな。」
たけるは納得する。

 赤頭圭子が根城にしているマンションに男が入って来る。
 男はマンションの部屋の持ち主ではない、圭子が街で拾ってきたのだ。
 圭子は男に
 「直人なおと、帰って来たの。」
 「ああ、お前を抱きたくてしょうがない。」
 「いいわよ。」
神谷直人はソファーに圭子を押し倒すとむさぼるように彼女を抱く。
 彼が満足すると、圭子は自分の手のひらを切る
 「直人飲んで」
彼女は自分の血を彼の飲ませる。
 彼は苦しみだし床の上でのたうち回る。
 圭子はそのさまを楽しそうに見る。
 彼女には直人がこのまま死んでしまおうがどちらでも良いのだ。
 代わりは街にいくらでも転がっているのである。
 直人は苦しみに耐え抜く
 「直人、えらいわ。」
 「今のは何。」
 「あなたは、今、人を超越した力を持ったのよ。」
 「分からないな。」
 「あなたにお願いがあるのオカルト相談コーナーに出演して、逢神たけるを切って欲しいの。」
圭子はそういいながら直人に日本刀を渡す。

 週に1回のオカルト相談コーナーの日がやって来る。
 たけるは今日の相談者は鬼関連だと聞いている。
 たけるが座り、横に美鈴が座る。
 「今日の相談者の方どうぞ。」
たけるが言う。
 すりカラスの向こうに座った相談者はボイスチェンジャーを通した声で言う
 「赤頭圭子に頼まれてきた。」
 「彼女はどこにいるのです。」
赤頭圭子は指名手配されている
 「そんなことはどうでもいい、俺はお前をここで切ってくれと言われている。」
直人が立ち上がり、姿を見せる。
 手にはどうやって持ち込んだのか刀を持っている。
 圭子が同行し幻惑を使って刀を持ち込ませたのだ。
 圭子は鬼の気配を殺してスタジオに潜み様子をうかがっている。
 たけるはの呪われた刀を呼ぶ
 「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」
虚空に護符に包まれた鞘に収まる刀が浮かび上がる。
 彼は刀を手に取る。
 直人は、刀を抜く、たけるも刀を抜く、すると心が鬼への憎しみの気持ちに満たされる。
 直人は一瞬でたけるの間合いに入り切りつける。
 しかし、たけるは彼より早い後ろに下がってかわすと直人の刀を打ち落とす。
 そして、直人に当て身をして気絶させる。
 警察官が駆け付け直人を逮捕する
 「使えないわね。」
様子をうかがっている圭子は愚痴る。
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