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第43話 御神2

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 男は逢神たけるといい、払い屋を生業にしている。
 週に1回情報番組のオカルト相談コーナーに出演している。
 彼が特筆すべき点は鬼退治にある。
 番組の中でも鬼を何体か退治している。
 それ以上に
   小学校鬼襲撃事件
   悪路王事件
   鬼無町鬼神様事件
など鬼がらみの事件を解決している。
 大輔は御神をたけるに退治してもらうことにする。
 大輔はたけるに面会の約束を取り付け、たけるのワンルームマンションを訪れる。
 たけるの家の中にはたけると鈴鹿、カメラマンがいる。
 たけるは大輔に言う
 「この鬼退治をテレビ局が取材すれば依頼料はテレビ局が払う、どうする。」
 「私は構いません、鬼を退治すれば九鬼家は終わりでしょうから。」
 「分かりました。」
カメラマンは撮影を開始する。
 大輔はたけるに御神のことを話す
 「私の家には昔から御神と言う鬼がいて、毎年子供を捧げることで栄えてきました。」
 「どんな鬼ですか。」
 「青年のような容姿に額に角が生えています。」
鈴鹿が話に割り込む
 「今、御神と言いましたか。」
 「はい、御神と言いました。」
 「私の知っている鬼なら上級の鬼よ。」
 「強いのか。」
 「赤頭圭子並みには強いわよ。」
 「そうか。」
たけるの目の色が変わる。
 たけるは大輔に言う
 「鬼の退治を引き受けます。」
 「ありがとうございます、それでいつ退治してくれますか。」
 「今から行きましょう。」
大輔の車にたけるたち3人が乗り込み九鬼家へ向かう。

 その頃、九鬼家では異変が起きている。
 御神の間から御神が出てきたのだ。
 家長の父親は御神に言う
 「御神様、どうされたのです。」
 「約定を破ったな。」
 「何もしていません。」
 「お前の息子が破ったのだ、今、我を滅ぼさんと助っ人を連れてこちらに向かっておる。」
 「大輔は何とかします、お怒りを鎮めください。」
 「ならん。」
御神は父親の頭を掴むと引きちぎる。
 御神は家の中にいる者を女子供の区別なく殺していく。
 九鬼家は血で赤く染まる。

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