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第50話 因縁の相手3

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 翌日。たけると鈴鹿は、赤頭圭子がいるマンションのエントランスの近くに気配を消して潜んでいる。
 たけるには無線機が渡されている、彼は音が漏れないようにイヤホンで無線を聞いている。
 エントランスの近くにはたけると鈴鹿のほか捜査員が4人配置されている。
 昨日、たけるは忠告したが徹底されていないようである。
 圭子と戦いが始まれば捜査員をかばって戦う余裕はない。
 彼は捜査員が今いる位置から動かないことを願う。
 無線が入る
 「目標が部屋を出た。」
いよいよ戦いが始まる。
 たけるは、心の中で刀の名を呼ぶ
 「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」
虚空に護符に包まれた鞘に収まる刀が浮かび上がる。
 彼は刀を手に取ると電気が走るようにしびれる。
 鞘から刀を抜くと彼の心が鬼への憎しみに満たされる。
 鈴鹿も虚空から大通連を抜き出す。
 再び無線が入る
 「目標は1階に着いた、間もなくエントランスを出る。」
圭子が外に出るとたけるが神速で圭子の前に立ち、後ろには鈴鹿が立つ。
 そして4人の捜査官が出てくる。
 圭子は妖艶に笑いながら言う
 「今度は助っ人を呼んだのね。」
圭子は笑ったが頭の中ではいかに逃げるか考えている。
 たけるの持つ鬼切の刀は厄介なのだ。
 圭子は手を上げて言う
 「降参だわ。」
4人の捜査員が圭子に近づく、たけるは警告する
 「やめろ、近づくな。」
 「何を言っている、投降したんだぞ。」
捜査員は近づきながら言う。
 捜査員が圭子に手錠をかけようとしたとき、圭子の周りが血しぶきで彩られる。
 たけるは圭子に切りかかるが捜査員の死体が邪魔になる。
 鈴鹿も同じ状況である。
 圭子は飛び上がり、逃げ出す。
 たけると鈴鹿は後を追う。
 たけるは焦る、人ごみの中に逃げ込まれたら何が起こるかわからないのだ。
 圭子が逃げる先で捜査員が拳銃を構えている。
 彼女は止まらない、捜査員は拳銃を撃つ。
 弾は圭子の腹に当たる。
 しかし、彼女は止まらない、そのまま捜査員の首を手刀で撥ねる。
 たけるは、この隙に圭子に追いつき、背中を刀で切る。
 刀の傷は浅かったが、圭子の傷口から体液を吸われ、激痛が走る。
 彼女の足が止まる。
 たけるは彼女の前に立ち、後ろには鈴鹿がいる。
 圭子は神速で迫り手刀でたけるの首を狙う。
 たけるはぎりぎりでかわし、彼女の心臓を狙って突きを入れるがかわされる。
 そこへ鈴鹿が後ろから圭子の背中を切りつける。
 傷口からは多量の出血があるがゆっくりと傷口がふさがってゆく。
 大通連で切られると傷口はふさがらないのだが、圭子は普通の鬼ではない。
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