水の巫女の助手になる

ぽとりひょん

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第79話 牛頭沼6

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 沼からは沙也加にコントロールされた無数の水の刃が鬼女に向かって飛んでくる。
 鬼女はかわそうとするが、数が多く、白い着物は赤く染まっていく。
 そして、鬼女の体は肥大化し、茶色の牛の胴体と鬼の頭を持つ牛鬼の正体を現す。
 たすくが手のひらに力を集中し、弱い光を牛鬼の目に当てる。
 牛鬼がひるむ、沙也加はその隙を逃さず、盾で牛鬼に体当たりをする。
 盾からは当たった瞬間とげが1本飛び出し牛鬼を貫く。
 牛鬼はたまらず
 「うおおおぉぉー」
と叫び声をあげる。
 沙也加は刀を首に切りつける、やはり、途中で止まり刀は折れる。
 牛鬼は沼の中に逃げようとする。
 しかし、沼からは水の槍が飛び出し、牛鬼を貫く。
 沙也加は牛鬼を逃さないように牽制し、2本目の刀を作る。
 牛鬼は彼女に突進し、角で彼女をすくい上げるように跳ね飛ばす。
 彼女は地面に落ちる瞬間受け身をとり、ダメージをやわらげる。
 たすくが沙也加に駆け寄る。
 牛鬼は再び沼に戻ろうとするが、水の槍で牽制される。
 牛鬼は沙也加に目を向ける。
 沙也加は口から血が流れ出ている。
 たすくは稲荷の使いからもらった勾玉に願いを込め、彼女の傷を癒す。
 牛鬼は2人に突進してくる、沙也加はたすくにキスをする。
 たすくの体が光始め、牛鬼の目を焼く。
 彼女は牛鬼に迫り、もう一度首に切りつけた所へ水の刀を撃ち込む。
 刀は首を切り裂いていき、4分の3くらいを切ったところで刀が折れる。
 牛鬼は口から血を吹き出し倒れる。
 沙也加は念のため3本目の水の刀を作り出し、牛鬼の首をはね落とす
 「沙也加、何とかなったね。」
 「ええ、たすくに助けられたわ。」
2人は牛鬼を倒しホッとする。
 離れて見ていた斉藤刑事が駆け寄ってくる
 「終わったのですか。」
 「はい、倒しました。」
 「ケガは大丈夫ですか。」
 「大丈夫です。」
斉藤刑事は沙也加たちが倒した牛鬼を見て
 「こんなものがいるなんて。」
と言いどうしたものか考える。

 牛頭沼の捜索は再開されたが、行方不明のレスキュー隊員と高校生は見つからない。
 たすくは沙也加に話しかける
 「また、鬼のニュースはありませんね。」
 「そんなこと誰も信じないでしょ。」
 「今回は遺体がありますよ。」
 「記事になったらたまらないわ。」
沙也加にとっては自分のことは記事になって欲しくない。
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