水の巫女の助手になる

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
85 / 144

第85話 赤いコートの女2

しおりを挟む
 舟戸沙姫は中山刑事から女の件を聞く
 「超能力者かもしれないですけど面白味がありませんね、沙也加にやってもらいましょ。」
彼女は断言すると紹介状を書き、中山に渡す。
 中山から見ても幽霊騒ぎだし、沙也加向きだと思う。
 沙也加の事務所に中山刑事が訪れる
 「古馬先生、紹介状を持ってきました、お願いします。」
 「例のですか。」
 「はい、例のです。」
沙也加はいやそうな顔で紹介状を開ける
 「引き受けなさい」
いつもと同じである。
 「今日はどんな用件でしょうか。」
 「朝倉霊園のことなんですが、深夜そこで女を乗せると消えてしまうということが十数件ありまして。」
 「被害は出ているのですか。」
 「最初の1件だけ交通事故を起こしていますがけが人はいません。」
 「その女を調べればばいいのですね。」
 「はい、お願いします。」
 「どんな女の人ですか。」
 「20代半ばで黒髪が肩まであり暗い感じの女性で夏なのに赤いコートを着ているそうです。」
 「分かりました。」
沙也加は霊園の幽霊について依頼を受けることになる。
 朝倉霊園は入り口を入ったところに数台分の駐車場があるが、午後6時から午前7時までゲートを閉められ立入禁止となる。
 沙也加とたすくは手をつないで霊園の中を歩き回るが女の霊は見つからない。
 次に2人は深夜、沙也加の車アルファロメオスパイダーを霊園の入り口に止めて様子を見る。
 すると黒いワゴン車が近づいて来て止まり、若い男が2人出てくる。
 2人は沙也加に
 「お姉さんきれいだね、デート中。」
 「違うのが釣れたわ。」
沙也加は鬱陶しそうに言う
 「何言っているの、そんな男ほっておいて俺らと遊ぼう。」
そこへパトカーがやってくる。
 2人は
 「ポリだ。」
と言うと車に乗り込み立ち去る。
 男たちの車には3人乗っている。
 沙也加は気配を感じ取り、ワゴン車を追う。
 そしてパトカーも追って来る。
 男たちは加速する、しかし、ルームミラーに女が映る。
 運転手する男が
 「女がいるぞ。」
と叫ぶ、助手席の男は
 「何言っているんだ。」
後ろを振り返り、青くなる
 「なんで、お前がいるんだ。」
男はつぶやく。
 運転手は男に聞く
 「どうした。」
 「いるんだ、前に拉致った女が・・・」
運転者は思わず振り向く、そしてパニックになる。
 そして、ハンドルを切り損ねワゴン車は横転する。
 沙也加たちとパトカーが追い付く。
 男たちは車の中で怯えている、そして女が男たちを睨みつけている。
 沙也加がお経を唱える。
 女は段々薄くなり消えていく。
 男たちは警察官に事情を聴かれる
 「赤いコートの女を拉致りました、そして朝倉霊園の前に捨てたんです。」
 「殺したの。」
 「いいえ殺していません。」
男たちは逮捕され、警察署で詳しく聴取される。
 男たちは女を拉致しては強姦し、捨てることを繰り返していた。
 赤いコートの女は被害者の1人で、その後霊園で首を吊って自殺していたのだ。
 たすくは沙也加に言う
 「さやか、危なかったね。」
 「大丈夫よ、たすくが助けてくれるでしょ。」
 「頑張るよ。」
 「それにあんなお猿さんには負けないわ。」
たすくは、危なかったのは男たちの方だったと考えを改める。
しおりを挟む

処理中です...