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19話 あやめ、迎いに来る

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 朝、九郎が起きると玉枝が料理をしている。彼は、今日あやめが迎えに来ることを思い出す。玉枝が朝食をテーブルの上に出す。
 フレンチトーストとオムレツである。九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝が料理の出来を聞く。
 「おいしい?」「玉枝のオムレツは最高だよ。」
 「九郎ちゃんオムレツ好きだものね。」「うん、気に入っている。」
食事を終えると九郎は着替える。玉枝も着ている服を変える。
 白の長袖インナーに白のベスト、白と黒の柄のふわりとしたスカートである。
 九郎はあやめが来るのを待つ。彼は鏡で髪を直したりしてそわそわしている。玉枝は九郎を面白そうに見ている。
 するとインターフォンが鳴る。九郎は玄関のドアを開ける。そこにはあやめが立っている。
 「社本さん、おはよう。」「翼君、おはよう。待った。」
 「待っていないよ。ちょうど用意が出来たところ。」「よかった。」
九郎はちょっぴりうそを言う。あやめは笑顔で言う
 「行きましょうか。」「そうだね。」
2人は、一緒に歩いていく。雑談しながら歩いていると10分はすぐである。
 大学に入るとつよしが声をかけてくる。
 「おはよう、九郎、社本さん。」「おはよう、つよし。」「木村君、おはよう。」
 「今日も2人一緒なの。」「私が翼君を迎えに行ったの。」
 「付き合うことに決めたの。」「通学路の途中だからよ。」
あやめは少し赤くなる。九郎がつよしに言う
 「つよしたちは一緒に通学しないの。」「一緒には帰っているんだけど、俺は朝早いから。」
 「つよしが迎えに行けばいいよ。」「それは・・・まだ、みこの両親に会ってないから。」
 「今のうちにあっておけば。」「考えてみるよ。」
つよしは美琴の両親に会いづらいようだ。3人は揃って教室に入ると席に着く。しばらくすると美琴が来る。
 九郎が美琴に聞く
 「みこさんの両親で厳しいの。」「そんなことないよ。」
 「今度、つよしを紹介したら。」「それはやめた方がいいかな。」
 「厳しくないんでしょ。」「私、一人娘だからお父さんが溺愛しているの。」
九郎はつよしが美琴の両親に会わないことを理解する。
 午前中の講義が終わって、学食で昼食を食べる。食べ終わるころ九郎のスマホに着信がある。
 あやめの父一久からの電話である。
 「翼です。」「今日、講義が終わったら家に寄ってくれないかな。」
 「何か仕事ですか。」「用件は家で話すよ。」
一久は電話を切る。
 「社本さんのお父さんから電話があったよ。」「何かしら。」
 「社本さんも知らないの。」「何も聞いていないわ。」
九郎は不安になる。つよしが言う。
 「社本さんのお父さん、九郎の電話知っているの。」「うん、社本さんと一緒に電話番号交換したんだ。」
 「俺まだ九郎の電話番号知らないぞ。」「そうだね。4人の談話番号交換しようか。」
4人は今頃になって電話番号を交換する。
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