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32話 お姉さんは美人でスタイル抜群

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 九郎とあやめは、2時限目に間に合うように大学へ向かう。あやめが九郎に言う。
 「私、熱くなっていたみたい。玉枝さん幽霊だものね。そんなこと起きるはずないわよね。」「そうさ、怨霊と何かあるわけないよ。」
2人はまだ、動揺を引きずっている。玉枝が、残り火に油を注ぐ。
 「牡丹灯籠と言う話あるわよね。」
 「玉枝さん、やめてください。」「そろそろ、勘弁してください。」
2人は笑っているが、目は泳いでいる。
 九郎とあやめは教室に入る。つよしと美琴が挨拶する。2人が座るとつよしが聞く。
 「休むなんて珍しいな、何かあったのか。」「な、何もないよ。」「そ、そうよ、あるわけないでしょ。」
 「おまえら、ぎこちないぞ。」「つよし、くんであげなよ。間違いは誰にでも起こるのよ。」
 「みこ、何考えてるの。」「抱き合ったとか、それはもうやっていたか。」
 「まだ、何もしていません。」「まだかー」
 「みこさん、その辺で・・・僕たちはキャンプの服を買いに行っただけだよ。」「そういうことにしとこうか。」
つよしは九郎の肩をたたく、つよしは全然信じてくれないが、これ以上追求されないため、九郎は黙っておく。
 昼時間、4人は学食へ行く、九郎とあやめは弁当で、つよしと美琴は学食のランチを食べる。九郎の弁当は、玉枝が九郎たちがバグっている間に作っている。
 つよしが九郎に聞く。
 「キャンプの服って何買ったんだ。」「アウターだよ。あとリュックサック、シュラフ、マットを買ったよ。」
 「つよし、私たちも買いに行かない。」「そうだな行くか、みこ。」
午後の講義が終わるとつよしと美琴は買い物に行く。
 九郎とあやめは、ハイキング部に寄って行くことにする。
 部室には部長と2人の先輩に男子が数人いる。あやめにはすぐにコーヒーとお菓子が用意される。
 部長が九郎に言う
 「翼君のお姉さんには感謝しているぞ。」「何かあったのですか。」
 「お姉さんは美人だそうじゃないか。」「美人でスタイル抜群です。」
 「抜群なのか!吉岡里帆似か!小倉ゆうか似か!」
突然男子部員が乗り出してくる。彼らのテンションは高い。
 「こういうわけで、キャンプはうまくいきそうなんだ。」「そうですか。」
九郎は昨日のショッピングモールでの出来事を思い出す。
 「翼、お姉さんは必ず連れてくるんだぞ。」「分かりました。」
九郎とあやめは一緒に大学から帰る。九郎はあやめに言う。
 「キャンプ大丈夫かな。」「玉枝さんのこと心配、」
 「どちらかと言うと男子部員だな。」「暴走しそうだものね。」
 「私って罪な女よね。」
玉枝が言うと九郎が玉枝に言う。
 「玉枝さんは地味な服にしてくださいよ。」「無理だと思うわ。」
あやめが口を出す。
 「玉枝さんは地味な服でもシックな感じで着こなすもの。」
 「そうかどうしよう。」「なるようになるわよ。」
あやめは気軽に言う。2人はいつものようにスーパーまで来ると分かれて帰って行く。
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