66 / 175
66話 玉枝、怨霊と戦う
しおりを挟む
九郎が、朝目覚めると玉枝が九郎を抱き枕にしている。玉枝の顔が近い、形の良い桜色の唇が目の前にある。少し頭を動かせばキスできるだろう。
彼は、これは怨霊、これは怨霊・・・と色欲を抑える呪文を頭の中で唱える。彼は抱き着かれて玉枝の柔らかい体が気持ちいい。
九郎は、精神統一して起き上がる。毎晩一緒に寝ているがいまだに玉枝の色香にはなれない。彼女の色香は猛毒である。
九郎が起きると玉枝が目を覚ます。
「九郎ちゃんおはよう。エッチなことしなくていいの。」「しません。」
玉枝は起き上がると朝食を作り始める。そして、朝食をテーブルに並べる。
シラスの冷やし茶漬けに梅干を和えたものに小鯵の南蛮漬けである。
九郎は「いただきます」をして食べる。玉枝がお味を聞く。
「どお?」「食べやすくておいしいよ。」
九郎は、朝食を食べ終えると着替える。玉枝は、ネグリジェ姿から巫女の姿になる。
今日は一久のお祓いを手伝う日である。九郎は玉枝に言う。
「その姿で神社に行くの。」「そうよ。九郎ちゃんがいやらしい目で見てくれるから、これがいいわ。」
「頼みますから、行く途中は姿を消してください。」「九郎ちゃん、私が他の人に見られるのが嫌なのね。」
「そうです。恥ずかしいです。」「独占欲強いのね。」
玉枝は九郎の気持ちを無視する。2人は久沓神明社に歩いていく。鳥居の所まで来ると玉枝は気配を強くして人に見えるようになる。
九郎があやめの家のインターフォンを鳴らすと一久が出てくる。
「おはよう、今日はよろしく頼むよ。」「はい、お願いします。」
九郎と玉枝は居間に通される。居間には、あやめがいて九郎に言う。
「今日は、お父さんをお願いね。」「あやめ、心配なの。」
「ええ、前のお祓いで神主が亡くなっているから。」「あやめちゃん、任せて、私がいるでしょ。」
「玉枝さん、お願いします。」「はい、お願いされました。」
玉枝は軽い感じで引き受ける。九郎も玉枝がいれば大丈夫だと思っている。
一久が神主の姿で居間に入って来る。一久は九郎と玉枝に言う。
「後、30分ほどで依頼人が来るよ。2人とも危険だったらお祓いは中断するから迷わずに言ってください。」「分かりました。」
九郎たち3人は、拝殿に行く。しばらく待つと依頼人が来る。依頼人は、夏なのにパーカーを着てフードで顔を隠している。
一久は依頼人に言う。
「暑くありませんか。」「暑いです。パーカーを脱ぎますが驚かないでください。」
依頼人がパーカーを脱ぐと両腕と顔の半分がただれている。
「病院に行きましたか。」「これは呪われているんです。」
「そんなに強く恨まれているのですか。」「はい、私は今の夫を付き合っていた彼女から奪って結婚しました。」
「その彼女はどうしたのですか。」「自殺しました。遺書には私を呪うと書いてあったそうです。」
九郎には、恐ろしい顔をした女が依頼人に憑いているのが見える。九郎は玉枝に聞く。
「随分、恐ろしそうだけど大丈夫?」「強力な怨霊よ。でも私の敵ではないわ。」
「お祓いはどうかな。」「だめよ。私が戦うわ。」
依頼人に憑いている怨霊が、九郎と玉枝の方を見る。玉枝が九郎に言う。
「目を合わせてはだめよ。」「はい。」
彼女は怨霊に向かって燐火を放つ。しかし、怨霊は燐火をはじく。一久が玉枝に言う。
「玉枝さん、話しの途中ですよ。」「怨霊が九郎に害を加えようとしたわ。」
玉枝は9個の燐火を作りだす。怨霊は気配を大きくして、一久にも見えるようになる。
彼女は怨霊に9個の燐火を打ち出す。怨霊は再び燐火を9個はじく。怨霊は玉枝に右手を突き出し力を込めて手を握る。
玉枝の首が絞められる。彼女は怨霊を睨みつける。するとバチッと大きな音がして怨霊の右手がはじける。
玉枝の体が青く光り出す。怨霊ははじけ飛んだ右手を再生する。玉枝は怨霊を睨みつけながら右腕を前にかざす。
すると、怨霊が青い炎に包まれる。依頼者が叫び声を上げる。
「きやあぁぁー、熱い、熱い、熱い・・・」
依頼者は気絶する。怨霊は青い炎に包まれて燃えて消えていく。玉枝が独り言を言う。
「九郎に手を出そうなんて許さないわよ。」
一久が玉枝に聞く。
「依頼者は大丈夫なんですか。」「大丈夫よ。皮膚のただれも治っているでしょ。」
一久が依頼者を見ると皮膚のただれがなくなっている。彼は依頼者を起こす。
「終わりましたよ。」「私、助かったんですか。」
依頼者は、命が助かったことと皮膚のただれがなくなったことを喜ぶ。
九郎は玉枝と怨霊の戦いを見て感心する。
「玉枝さん、本当に強いですね。」「まだ、力の10分の1も出していないわよ。」
「そうですか。」「私は強いのよ。」
九郎は、力の10分の1と言われてもどんなにすごいか想像できない。
彼は、これは怨霊、これは怨霊・・・と色欲を抑える呪文を頭の中で唱える。彼は抱き着かれて玉枝の柔らかい体が気持ちいい。
九郎は、精神統一して起き上がる。毎晩一緒に寝ているがいまだに玉枝の色香にはなれない。彼女の色香は猛毒である。
九郎が起きると玉枝が目を覚ます。
「九郎ちゃんおはよう。エッチなことしなくていいの。」「しません。」
玉枝は起き上がると朝食を作り始める。そして、朝食をテーブルに並べる。
シラスの冷やし茶漬けに梅干を和えたものに小鯵の南蛮漬けである。
九郎は「いただきます」をして食べる。玉枝がお味を聞く。
「どお?」「食べやすくておいしいよ。」
九郎は、朝食を食べ終えると着替える。玉枝は、ネグリジェ姿から巫女の姿になる。
今日は一久のお祓いを手伝う日である。九郎は玉枝に言う。
「その姿で神社に行くの。」「そうよ。九郎ちゃんがいやらしい目で見てくれるから、これがいいわ。」
「頼みますから、行く途中は姿を消してください。」「九郎ちゃん、私が他の人に見られるのが嫌なのね。」
「そうです。恥ずかしいです。」「独占欲強いのね。」
玉枝は九郎の気持ちを無視する。2人は久沓神明社に歩いていく。鳥居の所まで来ると玉枝は気配を強くして人に見えるようになる。
九郎があやめの家のインターフォンを鳴らすと一久が出てくる。
「おはよう、今日はよろしく頼むよ。」「はい、お願いします。」
九郎と玉枝は居間に通される。居間には、あやめがいて九郎に言う。
「今日は、お父さんをお願いね。」「あやめ、心配なの。」
「ええ、前のお祓いで神主が亡くなっているから。」「あやめちゃん、任せて、私がいるでしょ。」
「玉枝さん、お願いします。」「はい、お願いされました。」
玉枝は軽い感じで引き受ける。九郎も玉枝がいれば大丈夫だと思っている。
一久が神主の姿で居間に入って来る。一久は九郎と玉枝に言う。
「後、30分ほどで依頼人が来るよ。2人とも危険だったらお祓いは中断するから迷わずに言ってください。」「分かりました。」
九郎たち3人は、拝殿に行く。しばらく待つと依頼人が来る。依頼人は、夏なのにパーカーを着てフードで顔を隠している。
一久は依頼人に言う。
「暑くありませんか。」「暑いです。パーカーを脱ぎますが驚かないでください。」
依頼人がパーカーを脱ぐと両腕と顔の半分がただれている。
「病院に行きましたか。」「これは呪われているんです。」
「そんなに強く恨まれているのですか。」「はい、私は今の夫を付き合っていた彼女から奪って結婚しました。」
「その彼女はどうしたのですか。」「自殺しました。遺書には私を呪うと書いてあったそうです。」
九郎には、恐ろしい顔をした女が依頼人に憑いているのが見える。九郎は玉枝に聞く。
「随分、恐ろしそうだけど大丈夫?」「強力な怨霊よ。でも私の敵ではないわ。」
「お祓いはどうかな。」「だめよ。私が戦うわ。」
依頼人に憑いている怨霊が、九郎と玉枝の方を見る。玉枝が九郎に言う。
「目を合わせてはだめよ。」「はい。」
彼女は怨霊に向かって燐火を放つ。しかし、怨霊は燐火をはじく。一久が玉枝に言う。
「玉枝さん、話しの途中ですよ。」「怨霊が九郎に害を加えようとしたわ。」
玉枝は9個の燐火を作りだす。怨霊は気配を大きくして、一久にも見えるようになる。
彼女は怨霊に9個の燐火を打ち出す。怨霊は再び燐火を9個はじく。怨霊は玉枝に右手を突き出し力を込めて手を握る。
玉枝の首が絞められる。彼女は怨霊を睨みつける。するとバチッと大きな音がして怨霊の右手がはじける。
玉枝の体が青く光り出す。怨霊ははじけ飛んだ右手を再生する。玉枝は怨霊を睨みつけながら右腕を前にかざす。
すると、怨霊が青い炎に包まれる。依頼者が叫び声を上げる。
「きやあぁぁー、熱い、熱い、熱い・・・」
依頼者は気絶する。怨霊は青い炎に包まれて燃えて消えていく。玉枝が独り言を言う。
「九郎に手を出そうなんて許さないわよ。」
一久が玉枝に聞く。
「依頼者は大丈夫なんですか。」「大丈夫よ。皮膚のただれも治っているでしょ。」
一久が依頼者を見ると皮膚のただれがなくなっている。彼は依頼者を起こす。
「終わりましたよ。」「私、助かったんですか。」
依頼者は、命が助かったことと皮膚のただれがなくなったことを喜ぶ。
九郎は玉枝と怨霊の戦いを見て感心する。
「玉枝さん、本当に強いですね。」「まだ、力の10分の1も出していないわよ。」
「そうですか。」「私は強いのよ。」
九郎は、力の10分の1と言われてもどんなにすごいか想像できない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
花里 美佐
恋愛
冷淡財閥御曹司VS失業中の華道家
結婚に興味のない財閥御曹司は見合いを断り続けてきた。ある日、祖母の師匠である華道家の孫娘を紹介された。面と向かって彼の失礼な態度を指摘した彼女に興味を抱いた彼は、自分の財閥で花を活ける仕事を紹介する。
愛を知った財閥御曹司は彼女のために冷淡さをかなぐり捨て、甘く変貌していく。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】
藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。
そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。
記憶を抱えたまま、幼い頃に――。
どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、
結末は変わらない。
何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。
それでも私は今日も微笑む。
過去を知るのは、私だけ。
もう一度、大切な人たちと過ごすために。
もう一度、恋をするために。
「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」
十一度目の人生。
これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる