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一章
第三話
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見えてきた。
どうも壁に囲まれているようだ。
「当たり前か、凶暴な動物があんなにもいるんだからな」
恐らく動物達から己の身を守る為に造られたのだろう。
随分と高い壁のようだ。
「60メートルくらいはありそうだな」
門と思しき場所に近づいた。
誰かが立っている。
槍を持ち周囲を見渡している。
「門番か?」
それ以外には考えられない。
「街自体もかなり大きそうだな」
つまり人の数も多いと言う事だろう。
「止まれ!何者だ!?」
門番は槍を構え、鋭い声で問いただす。
「俺はケイという。旅をしている」
ーーー警戒するのは当然だろうな。さて、どう受け答えすべきか……?
「どこから来た!?」
「日本だ」
「ニホン?聞いたことがないな……嘘をついているのではないか!?」
ーーーやはり地球では無いのか。
気落ちするが、今はそれどころでは無いと自分に言い聞かせながら門番と相対する。
「貴方が知らないだけで、ちゃんと存在しているよ」
高圧的な態度が癇に障ったのか、圭は少し挑発気味に答えた。
「何だと!?…………まあ、良い。身分証を提示しろ!」
ーーー不味いな。そんな物持ってないぞ。……仕方ない素直に言うか。
「生憎と紛失してしまった。凶暴な熊に襲われてね。命からがら、という奴だ」
「パワーベアか……災難だったな。身分証の再発行をするが金はあるか?」
熊の事を都合良く、嘘で塗り固めて話すと門番が同情の目線を送ってきた。
「申し訳ない、それも身分証と一緒に無くした」
「そうか……分かった。借金という形になるが立て替えて置こう。構わないな?」
「ああ、ありがとう。助かるよ」
「では、着いてこい」
ーーーなんとかなったか。
安堵の溜息を吐く。
ここで躓いて街の中に入れない。と言う事態になれば、その時は今度こそ死んでしまっていただろう。
心の中で名も知らない門番に礼を言う。
門をくぐるとそこにあったのは、予想を遥かに上回る人の営みや豊かさだった。
「……どうした?」
怪訝そうに門番が圭を見る。
「ああ、いや。賑わっているな、と思ってね」
「成る程な、スノウリーフは結構デカイ街だからな」
少し誇らしげに応える。
この街に愛着と誇りがあるのだろう。
「スノウリーフ?」
「そ、この街の名前だ。……知らずに来たのか?」
はあ、門番の口から思わず溜息が出る。
「まあ、な」
「お前なぁ、旅をするなら街の事を調べてからの方が良いだろう?」
呆れたように圭を見やる。
「そっちの方が面白いだろ?」
ニヤリと笑いながら返す。
門番が更に呆れの表情を深める。
はあ、と溜息を吐いた。
「もしかして、お前って大物か?それか、馬鹿だな」
「酷いな。否定はしないが」
何度目の溜息だろうか。
溜息をすると幸せが逃げる。と言うのが本当なら、今日だけでこの門番はかなりの数の幸せが彼から逃げ出していることとなる。
一応、あの門番の幸運を祈っておくことにした。
5分くらい歩いただろうか。
門番の足が止まった。
漸く目的の場所に着いたらしい。
「ここだ」
二階建てでかなりの大きさがある建物を指差した。
「ここは?」
「スノウリーフの役所だ。ここで身分証の再発行をしてもらう。
どこかのギルドに所属してたか?
していたんなら、スムーズに事が進むんだが」
ギルド……恐らく組合の類いだろう。
そう言った異世界ものの小説を読んだ事があったので、すんなりと理解できた。
「残念ながら、何処にも所属していないな」
肩をすくめながら答える。
「そうか……なら少し時間がかかるがステータスカードから作らないとな」
ーーーステータスカード!テンプレ、と言うやつか。
内心興奮していたものの、それを表に出すことはなかった。
「分かった。何処で作れるんだ?」
「あそこだ、5番の窓口で出来る。諸々の手続きはやっておくから、カードを作りに行ってこい。
ああ、借金の事は作り終えてからだがな」
「分かった。助かる」
門番の男は仕事ができる人間らしい。
本人以外が出来る事はやってくれると言っているのだ。
ーーーその言葉に甘えるか。それに自分のステータスに興味もあるしな。
「ご利用ありがとうございます!本日はどの様なご用件でしょうか?」
どうも壁に囲まれているようだ。
「当たり前か、凶暴な動物があんなにもいるんだからな」
恐らく動物達から己の身を守る為に造られたのだろう。
随分と高い壁のようだ。
「60メートルくらいはありそうだな」
門と思しき場所に近づいた。
誰かが立っている。
槍を持ち周囲を見渡している。
「門番か?」
それ以外には考えられない。
「街自体もかなり大きそうだな」
つまり人の数も多いと言う事だろう。
「止まれ!何者だ!?」
門番は槍を構え、鋭い声で問いただす。
「俺はケイという。旅をしている」
ーーー警戒するのは当然だろうな。さて、どう受け答えすべきか……?
「どこから来た!?」
「日本だ」
「ニホン?聞いたことがないな……嘘をついているのではないか!?」
ーーーやはり地球では無いのか。
気落ちするが、今はそれどころでは無いと自分に言い聞かせながら門番と相対する。
「貴方が知らないだけで、ちゃんと存在しているよ」
高圧的な態度が癇に障ったのか、圭は少し挑発気味に答えた。
「何だと!?…………まあ、良い。身分証を提示しろ!」
ーーー不味いな。そんな物持ってないぞ。……仕方ない素直に言うか。
「生憎と紛失してしまった。凶暴な熊に襲われてね。命からがら、という奴だ」
「パワーベアか……災難だったな。身分証の再発行をするが金はあるか?」
熊の事を都合良く、嘘で塗り固めて話すと門番が同情の目線を送ってきた。
「申し訳ない、それも身分証と一緒に無くした」
「そうか……分かった。借金という形になるが立て替えて置こう。構わないな?」
「ああ、ありがとう。助かるよ」
「では、着いてこい」
ーーーなんとかなったか。
安堵の溜息を吐く。
ここで躓いて街の中に入れない。と言う事態になれば、その時は今度こそ死んでしまっていただろう。
心の中で名も知らない門番に礼を言う。
門をくぐるとそこにあったのは、予想を遥かに上回る人の営みや豊かさだった。
「……どうした?」
怪訝そうに門番が圭を見る。
「ああ、いや。賑わっているな、と思ってね」
「成る程な、スノウリーフは結構デカイ街だからな」
少し誇らしげに応える。
この街に愛着と誇りがあるのだろう。
「スノウリーフ?」
「そ、この街の名前だ。……知らずに来たのか?」
はあ、門番の口から思わず溜息が出る。
「まあ、な」
「お前なぁ、旅をするなら街の事を調べてからの方が良いだろう?」
呆れたように圭を見やる。
「そっちの方が面白いだろ?」
ニヤリと笑いながら返す。
門番が更に呆れの表情を深める。
はあ、と溜息を吐いた。
「もしかして、お前って大物か?それか、馬鹿だな」
「酷いな。否定はしないが」
何度目の溜息だろうか。
溜息をすると幸せが逃げる。と言うのが本当なら、今日だけでこの門番はかなりの数の幸せが彼から逃げ出していることとなる。
一応、あの門番の幸運を祈っておくことにした。
5分くらい歩いただろうか。
門番の足が止まった。
漸く目的の場所に着いたらしい。
「ここだ」
二階建てでかなりの大きさがある建物を指差した。
「ここは?」
「スノウリーフの役所だ。ここで身分証の再発行をしてもらう。
どこかのギルドに所属してたか?
していたんなら、スムーズに事が進むんだが」
ギルド……恐らく組合の類いだろう。
そう言った異世界ものの小説を読んだ事があったので、すんなりと理解できた。
「残念ながら、何処にも所属していないな」
肩をすくめながら答える。
「そうか……なら少し時間がかかるがステータスカードから作らないとな」
ーーーステータスカード!テンプレ、と言うやつか。
内心興奮していたものの、それを表に出すことはなかった。
「分かった。何処で作れるんだ?」
「あそこだ、5番の窓口で出来る。諸々の手続きはやっておくから、カードを作りに行ってこい。
ああ、借金の事は作り終えてからだがな」
「分かった。助かる」
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