氷結セシ我ガ世界

晴れのち曇り

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一章

第三十話

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「らっしゃい」

 二人が店の中に入ると、全く歓迎していなさそうな声を出しながら、店主らしき壮年の男性がこちらをちらりと見た。

「…………どこかからの紹介か、それとも冷やかしか?冷やかしならさっさと帰れ、ここは観光場所じゃねえ」

 低く不機嫌そうな声色で語りかけてくる店主の態度に少しムッとしながらも、努めて冷静に言葉を返す。

「冷やかしじゃあ無い。宿屋の人に聞いたんだ」

 そう、実は圭は武具屋に行く事を決めた後、宿屋の主人からオススメの武具屋を聞いていたのだ。
 「本来ならこの工房の名前は出さないが、お前達には特別」らしい。
 理由を聞いても答えてくれなかったが、ギルドが勧める宿の店主だ。騙しているわけでは無いだろうと考え、その店に行く事を決めた。

「…………アイツか。良いだろう、何を探している」

 やはりぶっきらぼうに答えたが、どうやら武具を売ってくれるようだ。
 圭は少しほっと胸を撫で下ろした。

「剣と杖、武具一式が欲しい。店主、良いものを頼むぞ」

 イルヴァは物珍しそうに店の中を歩き回っていたが、圭と店主の会話が聞こえていたようで店主の質問に答えた。

「…………お前達冒険者としての等級はは?」

 ちなみに系だけではなくイルヴァも三級冒険者となっていたことを付け加えておく。

「二人とも三級だ。…………問題は?」

「無い。等級は絶対の物差しじゃあない」

 「参考までだ」と言いながら店主は店の奥に消えて行った。

「何というか……無愛想な店主だったな」

 圭がそう言うと、イルヴァが面白そうにくつくつと笑いながら言った。

「確かにな。だが、あれが職人というものだろう。腕のいいやつほどあやつのように無愛想になるものよ」

 そんなものかと答えながら圭は店を見渡した。

 壁に立てかけられたな剣や槍などの武器。樽の中に無造作に入れられたどうぞ勝手に持って行けと言わんばかりのものまである。
 そして、どうやら武具だけではなくアクセサリーまで売っているようだ。
 これらには総てのものに魔力を感じる。

 与えられた知識の中には魔力を持った道具や武具、アクセサリーなどの知識もあり、それらは総じて魔道具マジックアイテムと呼ばれる。
 そしてその魔道具マジックアイテムはその殆どが高級品で、なかなか市場に出回らないそうだ。

 しかし、この店にはそれらが数多く揃えられている。
 そのような店はこの世界にもそうそう無い。
 つまり、ここの店主はなのだろうという予想が圭の中にも容易に浮かび上がってきた。

「待たせたな、幾らか見繕ってきた。見てみろ」

 圭が密かに感心していると店主が武器を抱えながら戻って来た。















 お手並み拝見である。
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