氷結セシ我ガ世界

晴れのち曇り

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一章

第三十七話

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「よし、今度こそ行くか!」

 『パワーベア』の生息地の確認をしていなかったという圭のうっかりによりいきなり足踏みを余儀なくされた。
 しかし、すぐにギルドに向かいスノウリーフから出て少しの森に出現しているという情報をヴァイオレットからもらった。
 イルヴァ達は今度こそ、といった風に気合を入れ直した。

 ヴァイオレットにも呆れられていたが圭は気にしない事にした。
 なぜなら異世界人だから。

「そうだな今度こそ、行こうか」

 イルヴァは今度こそというところを念を押すように強調して言った。
 その言葉に若干ばつが悪そうにしながらも頷いて了承の意を示した。

「…………ああ」

    *    *    *

 二人がスノウリーフを出てから十分ほど経っただろうかという頃に『パワーベア』が現れたという件の森が見えてきた。
 圭には外から見た限りでは静かで広い何の問題も無さそうな森にしか見えず、またイルヴァも同様の感想を抱いていた。
 しかし、それも当然のことだろう。何せ強大な力を持った異世界人と伝説の古龍だ。
 『パワーベア』程度ではそこいらの狼と何ら変わらない、という認識が無意識についていたのだ。
 つまり、敵だとすら認識していなかったということである。




「さて、何処にいるのやら……」

 圭は生命感知を発動させながら、イルヴァと共に森の中を歩いていた。
 
「いっそのことこの森ごと凍りづけにするか、燃やし尽くしてしまえば良いのではないか?圭よ」

「うん、そんなことしたらダメだからな。この辺り一帯の生物が全部死ぬから、冒険者の仕事が無くなるから」

「…………そこなのか?我が言うのも違う気がするが、もうちょっとこう気にすることがあるだろう」

「…………生態系、的な?」

 少し、いやかなり場違いだと感じる阿呆な掛け合いをしながら『パワーベア』を捜していると、奥の方からガサガサと何かが動いた音がした。
 大きな熊が木の間から現れた。
 体調は3メートル弱ほどはあるだろうか、黒い体毛で一般人から見ると威圧感で立つことさえままならないだろう。
 そんなモンスターを目撃しても二人の反応は薄く、まだ蚊を見た時の方が感情が動いているのではないかとさえ思えるほどだった。

「あれか?」

「あれだな」

「……やるか」

「よし、やろう」

 おそらく『パワーベア』は『パワーベア(肉片)』と化すことになるだろう。










 ………………『パワーベア』さん超逃げてー
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