元英雄 これからは命大事にでいきます

銀塊 メウ

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過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン 

過去編 戦場のもう一つの闘い

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大爆発の衝撃が襲う。

『ホーリーシールド』
いち早く察知した結城は皆の前に立ち、
魔法で防御する。

「いきなりなんの爆発だよ!」※大地
「びっくりした。あんなのに巻き込まれたら
 ただじゃすまないわよ!」※未希
 
「お、恐らくですかお連れの勇者様と魔人が
 闘われている影響かもしれません」※兵士

「え!? あの中に八雲お兄ちゃんが……」※華凪

 音の発生源と思われる場所には
 大きなキノコ雲が浮かんでいた。

「八雲くんが心配だから私行くね!」
※あゆみ
 あゆみは走りだし追いかけるように結城が
走っていった。
 
  しかし、しばらく走った先で足を止めた。
 周辺から悲鳴や助けを呼ぶ声が聞こえた
からだ!

 先程の爆発で砦は半壊、多数の死傷者が
出ていた。
 
 あゆみの性格からほおって
おくことができない。
 
 そばにいる兵士に近づき治療にはいる。
『キュアライト』

 眩い光と共に傷口が塞がっていく。

「すまないお嬢ちゃん助かったよ!
 …………悪いんだが他の皆も助けてやってくれ
 お願いだ!」※兵士

「もちろんです!任せて下さい!」※あゆみ
 しかし、現実は厳しいものだった。
 怪我の具合もそうだか人数が多すぎる。
 とてもではないが全員を助けることは
 不可能だと思えた。

「あゆみは今は助けることだけを考えよう
できる限りのことをしよう」※結城
 結城もあゆみに励ますように声を
かけるが、内心厳しいことに気が
ついているが、あゆみは諦めないなら
最後までやるしかない。

『ホーリーライト』※結城
 広範囲型の光の回復魔法を展開し
「さすがお兄ちゃん、私も負けてられない」
 ※あゆみ

 二人は周りにいる人達を助けた。
しかし現実は甘くはない。同時に治療する
にも限界がある。治療を行っている最中に
次々と容態が悪化していく。

「つぎ…………」※あゆみ
 ふらふらになりながら次の患者のもとに
 歩くあゆみ。しかしあゆみの前に結城が
 立ち塞がる。

「そこまでだ!これ以上はお前が
倒れてしまう」※結城

「お兄ちゃん……でもまだあんなに
苦しんでる人がいるのお願い助けさせて」
※あゆみ

「無理だ!あゆみはオーラを使いすぎだ。
 今は魔法を使っても怪我は治せない。
 それにあゆみに何かあったらと思うと
 僕は怖いんだ、我慢してくれ!」※結城

「でも…………………」※あゆみ

「まったく、世話の焼ける妹だよ!」
※結城
 あゆみはオーラの使いすぎによる疲労で
 気を失ってしまった。

「あゆみ、分かってる。僕ができる
限りのことはするからね。だから
ゆっくりとお休み」※結城

 そう言って少し離れた位置を見て

「華凪ちゃん、あゆみのこと
お願いできるかな?」

 建物の影から現れたのは華凪、
遅れてきことに後ろめたさを感じ
つい隠れてしまってい



「あの~わたし…………」※華凪

「うん、気にしないであゆみの
ことを頼む!」

 結城は他の怪我人の治療を行う。
勇者のギフトを持つ結城は基本属性の
魔法が全て使える。その為様々な
回復魔法が扱える。
 
 他の異世界人のメンバーの中でも
最もオーラ保有量をもっている
結城であったが限界が来てしまった。

「クッ」結城は片膝を突き何とか
倒れるのを耐える。
 
 ダメだこれ以上はオーラが足りない。

  結城が周りは周りを見るがまだ
200人以上の怪我人がいる。
それどころかまだ集まり 
続けている。他にも治療師がいるが、
自分の魔法に比べれば遥かに遅い
やはりとてもじゃないが捌ききれる
ものじゃない。

 周りをから痛みによるうめき声が聴こえ、
助けようともがく者、憔悴しきって
呆然とする者
誰もが絶望していた。
 
 そんな時、空にまばゆい光と共に巨大な
魔方陣と幾重の鎖に繋がれた巨大な
スフィアが現れた。

…………▽

少し時を遡る。

「それにしてもすごい爆発だった。
 皆が心配だし早く戻ろ。
 リームさん行きましょう!」※八雲

「うむ、砦に戻るのじゃ!」※リーム

 八雲、リーム、ポチは砦へと走って戻る。

 砦に着いた時、八雲達は先程爆発による
衝撃に驚愕する。

「え!?砦が半壊している。嘘だろ!
 あんな頑丈そうな建物を簡単に壊れるか」
※八雲

  さっきの爆発どんな威力だったんだ?
僕達はあの爆発の中心に居たのに
ほぼ無傷だしポチはどうやって
助けてくれたんだ?

 そんなことを考えながらポチを見ていると、
「八雲~なにぼ~っとしてるんだよ!
 さっさと行こうぜ~」※ポチ

「うん………わかった」※八雲

 砦に入ると悲惨な状況がすぐにわかった。
 周りにはたくさんの人が倒れている。
 一目で分かるほど損傷が激しい、
 すでに亡くなっている。

 これが戦場、そう改めて思わされた。
 
 城壁付近に居た兵士で生きている人が
いないか走って周った…全員亡くなっていた。
僕は皆を助けることが出来なかったこと
による喪失感を感じていた。

「いや、まだだ、助けることができる人が
 居るかもしれない」※八雲

 八雲は砦の中心部へと向かった。
 
 周りからうめき声、助けを求める声が
多数の聴こえる。一体どれだけの人が
いるんだ!とにかく助けないと!

「リームさんポチ、手伝って下さい」※八雲
 八雲は怪我人を助けに行く。
 リームさんもポチも手伝ってくれた。

 しかし、手が足りない!
怪我人に対して治癒師が圧倒的に
足りないのだ、リームさんは風魔法で
ポチは埋もれている人を匂いで
捜しだし次々救出している。しかし
怪我の程度が酷すぎて治すことが出来ない。
このままでは助けることが出来ない。

 「どうすればいい……………」※八雲


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