書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」

銀塊 メウ

文字の大きさ
3 / 346
第一章 異世界暮らし

第3話 牢屋の少女と脱出作戦

しおりを挟む

「私の名前はリル、リル・シャポット」
 リルは恐る恐る教えてくれた。
 
「リルか可愛い名前だ! リルしばらく宜しくな!」
 俺は努めて明るく接することにした。

「リル悪いんだけど!色々聞きたいことがあってさ、ここがどこでなんで捕まっているか教えてくれないか」

「私も詳しい位置はわかりませんがエーリュシオン共和国のタピオの大森林にいると思います。それで私がここに閉じ込められているのは…………」

 リルは商人の娘で年齢は12歳、各街を転々と移動し品を仕入れては別の町で商売をする移民スタイルで生活していたらしい。先日突如獣人の盗賊に襲撃を受け捕まり牢屋に閉じ込められた。

「そっか大変だったね!」
 こんな小さい子が盗賊に襲われたうえに、こんな薄暗いところに閉じ込められて普通の精神でいられるわけがない。この子は怖くて寂しいのを必死に我慢したに違いない。ほんと良く頑張った!

 俺は自然とリルに近づき抱き締め頭を撫でた。最初はびっくりしたリルも少しして俺の腹の辺りに顔をうずめ静かに泣いた。

「あの~すいません」リルは顔を赤くしてそっと離れる。
「いや、今のは俺が悪い、いきなり抱き締めてすまん」
「謝らないで下さい。すごく怖くて寂しかったんです。蒼字(そうじ)さんに抱き締めて貰って、すごく落ち着きました」
「そうか~それは良かった!ハハハッ」
 リルの笑顔を見てつい照れてしまった。近くでリルを見て気がついたが、リルはとても整った顔をしている。これは将来美人になるのは間違いなしだな。

 俺はついついジロジロ見て気がついたが、リルは普通の人ではない。さっきも言ったがリルは美人クリクリした大きな目に鼻筋が通って口も可愛らしい髪は青色のロングで首に鱗……ウロコ~よく見ると手の甲にもあるけどこの子は一体?

 ジロジロ見ていたせいで不快に思ったのかリルは手を隠す。
「あの~竜人族を見られるのは初めてですか?」
 不安そうなリル

「いやそうじゃない。確かに竜人族を見るのは初めてなんだけどちょっとびっくりしてさ。リルのこと嫌いになったりしないからそんな顔するな」

「ほんとー…ごめんなさい変な事言って」
 竜人族は珍しいのかな~なんかリルが暗くなった気がするけど………なんにしてもここから出ないと話にならないか!

「リル、俺はここを脱出しようと思う。なんかいい案はないか?」
 子供に聞くなんてなんて奴だ!と思うかもしれないが暗くなったリルの気が紛れればいいなと思ったのだ。

 しかし予想外にもリルから提案が、話によると見廻りと食事を運ぶ時間が決まっており獣人が来るらしい。そいつが牢屋の鍵を持っているので、リルが囮になるので不意をついて俺に鍵を奪ってほしいとのことだ。シンプルだが相手からすれば俺と言う存在を知らないから不意がつける。なんて素晴らしいアイディアだ! 俺は小さい子に負けた気がしたので取り敢えずリルを撫でといた。

 そしてリルが言う時間通りに誰かが来た。「カッカッカッ」足音が近づいてくる。リルは部屋の隅に座ってもらい。俺は隠れるところがないのでベットのシーツの中に入る。薄暗いから見えないだろう。

「カッカッカッカツ」足が止まった。
「おい飯だ!………おい聞いてるのか~!!」

「ウッウッウ」リルは体を震わせる。
「おい、大丈夫か?おい、チッ体調でも悪いのかよ!しゃーねーな~」

「カチャン」鍵を開ける音がする。
 良し予想通り!リルを売り飛ばす予定かは分からないが最低でも死なれては困るみたいだ!あとはリルの方に行ったら後から襲って鍵を奪い脱出だ!

「カッカッカッカツ」良しリルの方に行った今だ!
 
「気づいてないと思ってるのか!」
 その声に俺は出た瞬間硬直する。

「匂うんだよ!ここにいないはずのヒトの匂いが、ぷんぷんする。獣人をなめるなよ!おい‼」
 獣人の男がこちらに振り向き完全に俺を認識されてしまった。考えが足りてなかった。獣人なら嗅覚が優れている可能性があった。作戦は失敗!
 
 俺は今から2m超えのゴツい虎の獣人を真正面から相手をしなければならなくなった!

「これは死んだかね!」
 俺はまず間合いを取る。獣人の男は楽しそうに舌なめずり、余裕な顔をしてこちらを見据える。
「正直退屈してたんだ。八つ裂きしてやるから精々逃げて俺を楽しませろ」

 くっそ~腹立つけど、こいつからすれば俺を切り裂くことは簡単なんだろう。でもただではやられん、俺はじいちゃんにしごかれてあらゆる武術を習ったんだ躱し続けて隙を見て締めて落とす!

「なんだ来ないのか!なら、こっちから行ってやるよ!」
 鋭い爪をたて走ってくる。速い!なんて速さだ躱しきれるか!「蒼字さん逃げてーー」リルの叫びがこだました時「ドーン、あ、痛った~……」何故か壁に激突した。
 はぁ~今のはなんだ、俺は攻撃を躱すために横に飛んだだけだぞ!なんか想定以上に飛びすぎた………まさか‼

「てめぇー今何しやがった!」
 あいつ俺が見えてなかった。良し試してみるか、あいつの動きをしっかり見て今度は加減して………「なにブツブツ言ってやがる!無視するんじゃね~」
 獣人ってみんな短気なのか?

 獣人の男が飛びかかって来た。俺はそれを最小限の動きで回避する。
 
 やっぱり速いけど十分見て躱す余裕がある。脇腹がガラ空きだ。喰らいな回し蹴り!

 回し蹴りは見事に獣人の男に当たり吹っ飛んだ。

「えっ‼」獣人の男は鉄格子に激突、そのまま男は吹き飛び牢屋が壊れた。そのまま牢屋の外に出て獣人の男がのびているのを確認し改めて牢屋を見る。

「なにこれ……牢屋ってそんな簡単に壊れたらダメでしょ」
 どうやら異世界に来て俺の身体能力が急激に上がったらしい。

「蒼字(そうじ)さんすごいです!」
 テンション高めになったリルが俺に衝突するように抱きついて来たので優しく受け止めた。

 俺はリルの頭を撫でながらその力に唖然としていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。 突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。 しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。 魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。 英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...