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第六章 ミネルヴァ姫の呪いと邪神召喚
第94話 ミネルヴァ姫の呪い
しおりを挟む「アルヴィア姫、さっき気になる事を
言いましたね!お姉さんは呪いを
受けているんですか?」
さっきの話を聞いて思い出した。城の中に
身の毛もよだつ恐ろしい人が居た。彼女は
美しく清楚な印象と裏腹に背中に地獄を
背負っていた。あそこまで酷いのは過去を
思い返しても覚えがない。
「ん!それは言って良い事では
………国家機密になりますので、簡単には
話すことが出来ず申し訳ありません」
蒼字(そうじ)としては当然な回答と
気にしてはいない。
あれだけの業を背負うような事が
簡単に話していい内容な訳が無い!
しかし、キャリーちゃんの一言で
話は一転する。
「蒼字(そうじ)は確かに霊媒師みたいな
仕事してたって言ってなかったっけ、
呪いとかも案外簡単に解けるんじゃな
いの?」
その一言を聞いたアルヴィア姫は
ギョッとした顔になり、「それは本当
ですか!勇者である蒼字(そうじ)様で
あればもしかしてミネルヴァお姉様の
呪いを解くことが出来るのでしょうか!」
期待いっぱいの顔でグイグイと接近、
さっきまでの暗い顔が無くなったのは
良いけど今度は俺がドキドキするだろうが、
美人さんがそんなに男の人に顔を近づける
んじゃありません!
「アルヴィア姫まずは落ち着こうか、
メッチャ近いから……」
アルヴィア姫は自分の行動に気がつき
顔を赤くして少し後ろに下がった。
「アルヴィア姫がお姉さんを助けたいのは
よ~く分かったけど、あれはなかなかタフな
仕事になるから、なんとも言えないな~」
「その~つまり呪いを解く事が出来ない訳
ではないのですか?」
「ま~やってみないと分からない。
こっちの世界に来てだいぶ霊力が
上がったから正直なんとかなる。
そんな気もするんですよね!」
俺の霊力は魔力と基本的に同じなので、
異世界に来る前の数百倍に上がっている。
初めてミネルヴァ姫を見た時は
どうにもならないと思ったけど、
今冷静になって考えると
案外なんとかなりそうな気もしていた。
「それでは是非ともお願いしたいのです!
宜しいですか」
アルヴィア姫は王女なのに
ひれ伏す勢いで俺に頼んで来る。
立場を考えて欲しい。
大変な事をしている気分になる。
「それは構わないですけど、もう少し説明が
欲しいです。ミネルヴァ姫にはどんな呪いを
受けてどんな影響があるのか?他にも知って
ることがあれば出来るだけ細かく」
呪いつまり呪詛を解くのは簡単ではない。
呪いに対して十倍から数十倍の力の差が
あれば力尽くで解くことも出来るが
基本的には絡まった糸を解くように
一つ一つ解決する事で、呪いを解く事が
出来るパターンが多い。
「少し話が長くなりますが
聞いてください!ミネルヴァお姉様に
かけられた呪いは過去の出来事が原因です。
エーリュシオン共和国の建国以前になります。
当時も魔王軍との戦いもありましたが
各国の覇権争いによる戦争が多く
ありました。そこでは多くの人々が
無念の死を遂げていました。
そしてその戦争に終止符を打った
のが我が先祖にあたるアーサー王です。
アーサー王はその後人々を集め国を
作りました。その際に特に尽力された方の
中に一人の女性がいました。
名前はソフィー、彼女はシスターで
ありながら魔術師でもありました。
初めのうちは平和の為に素晴らしい
国造りを手伝いたいと言う純粋な思いで
働いていたと思います。
しかし、後に悲劇が起こるのです。
彼女はアーサー王に惚れてしまったの
です。今まで異性にまったく興味が
なかった事もあり、自分の思いに
翻弄されつつも何としてもアーサー王を
振り向かせるたい。ソフィは様々な行動を
起こしました。それでもアーサー王は
一切彼女の好意に応えてはくれはしま
せんでした。仕方ないことです。
アーサー王は共に戦ったパーティー
メンバーの魔法使いネヴィアと恋仲
だったのです。それを知った彼女は
荒れました。強い喪失感を負った事で
彼女は暴走しネヴィア殺そうとしました。
しかしそれを阻んだのがアーサー王です。
ソフィは絶望し自ら命を絶ちました。
その後何事もないように時が流れ、
エーリュシオン共和国が建国、
アーサー王が誕生、ネヴィアと結婚を
して幸せな時代が訪れました。しかし、
呪いは徐々にネヴィア王妃を蝕んでいた
のです。アーサー王の死後ある出来事が
起こったのです。国民が魔物化する事件、
原因を追求する為、様々な手を尽く
しましたが原因は分からず魔物化は徐々に
広まっていきました。ネヴィア女王は
聖神教会の大司教を呼びその原因を
探らせ呪いが原因だと突き止める事が
出来ました。
その内容は驚くべきものでした。
『ネヴィアに関わる者の破滅』
それが呪いの目的
それを願ったのはソフィ、彼女は
ネヴィアを呪った。呪いは彼女が生前
作った術で自害する事で発動する。
本来はネヴィアを苦しめ殺す呪い
だったのだが、術の構成が良くなかった。
ソフィのドス黒い想いを吸収して発揮
する力だったのだが、想定外の事が起きた。
様々な戦争で亡くなった亡霊達の想いまで
吸収し始め力を増大させてしまったのだ。
ネヴィアの体には知らぬ間に呪印が
刻まれておりそれを起点にネヴィアに
関わる力の弱い者から魔物化させいた。
対策を打つ為、幾人の聖神教会の信者と
当時の聖女様の力によりその呪いを
封印することが出来ました。しかし、
それでも完全では無かったのです。
封印の効果は城の中でしか維持が出来ず。
ネヴィア女王は生涯城から一切出ることは
出来ませんでした。
ネヴィア女王の死後、呪いが無くなり
誰も安堵した。しかし呪いが消えたのは
ネヴィアの死後10年目の事です。
再び魔物化が発生、そしてその呪いつまり
呪印は子や孫と子孫の誰かに必ず移る
ことが時を重ね分かったのです。
そしてそれがミネルヴァお姉様
にかかっているのです」
蒼字(そうじ)は腕を組み考える。
なるほどなるほど、こりゃーやべーな!
呪いが複雑に絡み合い憎悪を強めてる
可能性が高い、通りで背後に蠢く死霊が
あんなにいる訳だ!……あれを相手にする。
考えただけで心の底から震えが来る。
「アルヴィア姫、どうにか出来るかは
分からないが、助けたいとは思うから
取り敢えず行くよ」
「本当ですか!!是非ともお願いします」
アルヴィア姫は俺の手を両手で
握り締めて涙を流し喜ぶ。
そんな姿を見て、ひょんな事から話が
変わって、大変な目にあいそうだなと
強く思った。
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