130 / 346
第六章 ミネルヴァ姫の呪いと邪神召喚
第123話 ボルボフの試練 決着
しおりを挟むボルボフから闘気が溢れている。
まさに猛獣と相対した気分になる程の
威圧感。
ボルボフが凄まじい速度で接近して
丸太のような太い腕が振り下ろされる。
俺はそれを冷静に見極め、ボルボフの
手の甲に手のひらで受け流し体勢を崩す。
『墨帯』
すれ違いざまに拘束を試みるが、
ボルボフは帯を引き千切り距離を取る。
『重爪撃(じゅうそうげき)』
ボルボフの腕に闘気が集中、
剛腕を振り闘気を斬撃に変えて飛ばす。
「危ないな!『一筆書き一閃』」
斬撃を相殺する。
一定の距離を取った状態で
「取り敢えず雑魚ではなくて安心した」
「ボルボフさん、私が雑魚だったら
どうするつもりですか、それにあんな
斬撃飛ばしたら周りに迷惑ですよ」
「ふん!雑魚ならそれまでの事、
それに今の斬撃くらいは躱すくらいは
出来んとな……ここにいる資格すらないわ」
『重爪撃烈波(じゅうそうげきれっぱ)』
さっきの斬撃が多数飛んで来る。
『一筆書き一閃 乱』
同じだけの斬撃で相殺する。
「この攻撃は囮か」
側面から高速で接近するボルボフ、
鋭く伸びる爪を墨ブレードで受け
止める。爪と剣の切り合いが始まった。
数百の打ち合いの後、
「ま~ま~だな!兄貴このくらいで
良いのでわ」
「そうだな!戦力にはなりそうだ。
及第点はつけてやっても良い」
どうやら今のやり取りで力を
示せたようだ。
ガシッとボルボフに肩を組まれる。
「おい使徒様よ!俺相手に手を抜いて
やるとはいい度胸だぜ。それに周りの事を
常に気を使って良かったな!
今度は周りを気にせずやれるところで
やろうぜ!」
「アハハ、気が向いたらでお願いします」
ボルボフさんから戦闘狂の匂いがする。
「使徒様かどうかについて今は言及する
暇はない、すでに魔王軍はここから
約三百キロの地点まで進軍している。
猶予はそれ程もない。最後通告だ!
今ならまだ逃げられるがどうする
ミネルヴァ姫よ」
国王はミネルヴァ姫を見据える。
「国王お気遣い痛み入りますわ。
しかし先程も言いました通り、
私は逃げるつもりはありません。
今は前に進みたい気分ですし」
ミネルヴァは笑顔で答えた。
「ほぉー豪胆な事だこれだけの話を
して動じないか!美しい上に肝が
据わっている。う~んほしい」
国王の目の色が変わる。
「お父さん、お母さんが後で話が
あるそうです」
「な!?これは勘違いだ!
これ以上増やそうとは思わんぞ」
あたふたのする姿はボルボフさんと
そっくりだな。
「オホン!ミネルヴァ姫よ、
いくらあなたが勇敢であっても戦場に
出るのは許しませんが良いですかね」
「はい、私には何の力もありません
から皆様に頼る事しか出来ません。
どうか宜しくお願い致します」
ミネルヴァ姫は俺達に頭を下げる。
その後直ぐに作戦会議が開かれた
戦場に向かうのは、蒼字(そうじ)、
キャンベル、アルバートの三人
魔王軍に対して大きく五つの大群を
形成し事に当たる。まずは第一部隊
ボルボフさんが率いる。最も戦闘に
特化した兵士が集まれた部隊、
この部隊がまずは先行し敵を排除
する。そして続くのは第二、
第三部隊、第一部隊に続き敵を排除し
敵の動きによってフォローをいれる部隊、
第二部隊にはアルバートが参戦しかも
部隊長を任せられている。本来
ありえないのだが国王とボルボフさんの
信頼度が半端ではなかった。使えるの
ならそこだと無理やり選任された。
そして、第一、第二、第三部隊の
取りこぼした敵を処理する。主に王都を
守る第四、第五部隊、蒼字(そうじ)、
キャンベルは第五部隊に配属、
ここは主に冒険者ギルドの冒険者が
主に集められている。ボルボとエムも
同じ部隊、俺達は少し気を使われたかな
恐らく一番安全な部隊、総勢五万の勢力で
約二十万の魔物達を相手にしなければ
ならない。数だけで言えば
圧倒的に不利な戦局である。
王都を出て配置に移動する途中、
ボルボとエムが使徒様(蒼字)と
キャンベルに話をしに来た。
「久しぶりの戦場だ!ビビってない
だろうな~キャンベル」
「ボルボ、わざわざそれを言いに
来たわけ!」
「うるせいな!エム、黙ってろ!」
「二人共私に気を使って声をかけに
来てくれたのですね。ありがとう。
大丈夫です!久しぶりの空気で緊張
するかと思いましたが、思っていた
より冷静ですね。これも使徒様の
お陰ですかね」
「キャンベルさん、からかわないで
下さいよ!ちなみに俺は緊張してるん
です。二十万ですよ!
想像するだけで震えますよ!」
「はぁー何だそれ!使徒様の名を
語っておいて腑抜けか!
親父とやりやっていたのを見て少しは
見どころがあるかと
思ったが大した事ないな!」
「ボルボ、今は同じ仲間なんだから
そう言う事を言わないの、ごめんね
使徒様」
「良いですよ、さっきも言いましたけど
私は祭り上げられて使徒様やってる
だけですから」
…………「選ばれた冒険者達と思っていたが
あまりにも大した事無ものだな!
つまらん奴ばかりだ。これならば、
やはり第一部隊に無理矢理にでも
ついて行くべきであった」
そこには馬にまたがる王女が居た。
なんでここに王女が?
「そう言うなよリリカ、おじさんが
許すわけないだろうな。そもそも戦場に
出る事自体がおかしいんだからな!」
「煩い!ボルボ、私は戦果を挙げねば
ならん!そしてジャンヌ様のように
私はなるのだ!」
「はぁ~またその話かよ。お前が憧れる
のは分かるけど、あれはおとぎ話みたい
なもんだし、おじさんとおばさんの事も
考えろよ!心配で仕方ないんだよ。
それにお前のお守りをさせられる
俺の立場も……」
「うるさい~ボルボのアホが」
「ぐうへ~」
リリカのジャンプ蹴りがボルボの
頬にクリーンヒット。
「バカヤロー戦う前にダメージ
受けちゃったじゃないか!」
「ふ~んジャンヌ様の事を悪く言う
やつは許さん」
「悪くは言ってないだろが!」
王女とボルボが言い合いをしている。
「エムさん、王女がここにいるのは
不味いのでは?」
「仕方ないのよ!リリカ様が言う事を
聞かなくって、あまり押さえつけ
過ぎると勝手に飛び出るかも知れない
から仕方なく国王は一番安全な第五部隊に
配属させたの私とボルボはお目付け役ね」
「へ~そうなんだ王女って戦えるん
ですか?」
王女の耳がピクピクと動き、
こちらを睨みつける。
「あんたより強いわよ!」
ビューンっとボルボフさんより
速いスピードで蒼字(そうじ)の
顔目掛けて拳が伸びる。
「パシッ」……「ご主人様に手を
出す事は許さん!」
ジャンヌが現れ王女の腕を掴む。
「あぁ~あんた私の邪魔をするわけ、
私を誰だと思ってるの、その手を
放しなさい」
「そんな事は知らない、それにあなたが
誰であろうとご主人様に仇なす者は
私が断罪する」
「へぇ~あんたいい度胸しているわね」
王女の眉間に青筋が出ている。
これは良くない。
「王女、今は戦場にいるのですから
仲間同士で争うのは愚の骨頂では!」
俺も愚を使ってみました。
「へぇ~あなたも私に楯突くのね」
ん?発言をしくったかも余計に
王女を怒らせてしまった。
「そのくらいにしろ!リリカ、
これ以上余計なことを
したら帰ってもらうからな!」
「な!?ボルボそんなの……」
「俺は国王から指示を受けてるからな、
俺の判断でお前には帰って貰う」
「くぅ~、分かったわよ!大人しく
していれば良いでしょ」
王女は大股で怒りながら何処かに
行ってしまった。
この後も思いやられそうだ!
21
あなたにおすすめの小説
異世界に降り立った刀匠の孫─真打─
リゥル
ファンタジー
異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!
主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。
亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。
召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。
そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。
それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。
過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。
――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。
カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる