10 / 359
第9話 お屋敷の仕事
しおりを挟む「父さんそろそろ僕も仕事に戻ろうと思うんだけど良いかな?」
「ん?なんだそんなに急いで戻らなくて良いぞ。タクトはあくまでも父さんを手伝ってくれているだけで、正式に雇われてる訳じゃないんだ」
「うん、そんなんだけど僕も何か役に立ちたいんだ」
「うんうん、タクトは本当に良い子に育った。前もそう言って手伝ってくれたのがきっかけだったもんな、良し分かった。今日は手伝って貰うよ。だけど父さんとしてはそれも嬉しいがタクトが自由にやりたい事をやってくれるのも嬉しいからな!」
「うん、分かった!考えておくよ父さん」
俺は父さんと仕事場のバロン男爵の屋敷に向かう。しかし本当にこの家族はええ人達やわ~昔の俺ならもうちょっとゴロゴロしていな~とか言って仕方なく仕事に出るのに、父さんと母さんの事を思うと自然と手伝いたい衝動が出て来る。不思議だ。
家の扉を開け外に出るとパトリアお姉さんが立っていた。
「おはようございます。パトリアお姉ちゃん」
「うん、おはようタクトくん、少し遅くなっちゃたけどお礼に来たの、一昨日は助けてくれて本当にありがとう。もしもタクトくんが居なかったらきっと私はオーガに殺されていたと思う」
頭を綺麗に下げ感謝を述べる。
「いえそんな、気にしないで下さい。僕は出来る事をやっただけですから、それにもう少し早く行ければ他の人も助けられたかもしれません。むしろ申し訳ありません」
パトリアは少し目を開き驚きながら、
「ううん、そんな事ないよ!タクトくんは私を助けてくれた。それだけで十分、他の人達の事までタクトくんが重荷に感じなくて良いからね」
パトリアさんは笑顔を向けてくれた。でもあとから聞いた話だとパトリアさんだけじゃなく他に二人の連れが居た。そのニ人は残念ながらオーガの手によって殺されてしまった。それにその中にはパトリアさんの恋人のダインさんも居た。俺も知っている人でカッコ良くってとても良い人だった。だからパトリアさんの悲しみは尋常ではないだろう。それなのに俺の心配をしてくれるとは強い人だ。
パトリアさんにギュッと抱き締められお礼にクッキーを貰う。それを食べながら屋敷に向かう。
「タクトはこれからモテるぞ~あと年上の女性は良いもんだからな」
父さんは突然理由のわからない事を言い出す。
「それは母さんが年上だから?」
「あぁ、そうだ!ま~まだタクトには年上の魅力は分からないかも知れないがな」
いや~父さんこそ分かってないよ!母さんにあるのはどっちかと言うと年下の……いや俺が知らないだけだな。うん!
「父さん、パトリアお姉さん大丈夫かな~」
「あぁ、そうだな持ち直してくれると良いんだが…」
「ん?父さん…」
父さんは物思いにふけている。その横顔を見て父さんは俺とは違う事を考えているように感じた。
「屋敷にとうちゃ~く!」
いや~昨日も来たけど今日は仕事で来たんだ気合を入れていこう。
「タクト来るのが遅いわよ!」
何故か屋敷に着いた途端、腰に手を当て胸を張ったノルンが立っていた。
「おはよう、ノルン今日は早起きしたんだね」
「なによそれ!ちょっとバカにしてなーい」
怒るノルン、でも朝が弱くいつも起こしてもなかなか起きないのがノルンなのだ。だからなんで起きているのかが疑問だ。
「私がタクトくんの疑問に答えるわ」
「スカーレット様!?」
俺は突然の登場に驚く、なんで奥様まで待機してるんだよ。
「なんでお母様までいるんですか!?」
ノルンまで驚いている。知らなかったようだ。
「ノルンはねタクトくんあれを見て興奮して寝れなかったのよ!可愛いでしょ!それにね……」
「キャ~お母様何を言ってるんですの~」
「もしもタクトくんのあれがダメになったら子供が出来なくなるって言ったら心配してたわ」
「あ~お母様黙って下さいーー」
スカーレット様はノルンに押されてどこかに行ってしまう。
「タクトくん、あとで大丈夫か確認させてね~」
スカーレット様、あんた俺に何をするつもりだよ。
俺は父さんに肩を叩かれ振り返ると、
「タクト、年上の女性が良いとは言ったが、ちょっと上過ぎるんじゃないか?父さんがクビになっちゃうぞ」
「大丈夫!大丈夫だからそんな顔しないで~」
久しぶりに父さんの怖い顔を見た。
父さんは屋敷の庭師、俺は父さんの手伝いをやっているわけだが、これがなかなか大変で屋敷が大きいのもあるが庭が広い。それにも関わらずこの仕事をしているのは父さんと俺のみ、おかしいと思うのだが父さんが有能なので問題なくこなせてしまう。
「今日はこの辺にしようかな!」
父さんはまず庭木の 剪定(せんてい)を行う。剪定(せんてい)とは余分な枝や葉を切り落として樹形を整えること。その後父さんの気分で樹形を様々な形に変えるのだが、これはセンスがいるから俺には父さんの代わりは難しい。
そしてここで初めて見ることが出来る。(拓哉として)父さんのスキル『カット』、刃物の切れ味を上げる能力、父さんはその力をナイフに付与して枝を切っている。
「スキルか~僕のは一応変わってる方だよな!」
俺は昨日の話を思い出した。
55
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる