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第35話 取り扱い注意
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時は少し遡り
◆タクトの視点
何でこうなった?取り扱い注意ってこれのこと?
俺の前に変わり果てた大男が………
「あら、も~う眩しいじゃない~やめてよ~!」
大男はオネェになっていた。
別にオネェがいけないとか思ってないけど、さっきまでのオラオラ系の横暴野郎からのギャップがあり過ぎて頭がついていけない。
「え~っと、どちら様でしたっけ?」
あまりの変わりように尋ねてしまったが、そもそもこいつの名前も俺は知らない。
「あ~ら、ごめんね!(◠‿・)—☆
まだ名前、名乗ってなかったはね!ワタシの名前はジェットっよ!ジェーって呼んで(*^3^)/~♡」
「あ、どうも、タクトです。宜しく」
俺の気分が急降下、タンタンと応えるのみである。
「いや~ん、ジェーよ!……い・け・ず!(◠‿・)—☆」
オェ~………ダメだ!もうついて行けない。
「大丈夫か?タクト」
カタカタと音を立てこっちにカンナが来た。
「カンナ、これってどういうことだ!もしかして、いや、間違いなくライトの所為だよな」
「そやな~悪意が消えて真っ白になったやな~」
真っ白って次元の話か?別人なんだけど!
「つまり悪意を消して、残ったのがこれ!」
「そや~、ちょっとは調整しとったほうが、良かったかもしれへんな!ライトの照射が長過ぎたんや!」
「やっちゃたか~」
大男じゃなくて、えーっとジェーはライトの効果で悪意を消して良い人になったわけだか、なんでオネェなんだ?そこだけが腑に落ちないけど、やり過ぎると元の本人の人格からかけ離れ過ぎて、誰が誰だか分からなくなるわけか。ライトは取り扱い注意、使い所を考えないといけないな。
取り敢えず危機は去った。ジェーに関しては、どうするか決まってないが、お母さんとノルンが心配しているはず、早く顔を見せて安心させよう。
土壁を戻すと声をかけられた。しかも男の声おかしいな~と思いつつ声の聞こえる方を見るとバロン様が居た。ヤバい!思っていた以上に騒ぎが大きくなってる?
俺はバロン様達の下へ歩いていくと、ギョッ!とした目つきにお母さん以外なる。それはそうかも知れない。俺の隣にはジェーが居る。さっきまでの事があれば警戒しないわけがない。
ノルンが心配して声をかけてくれたので、どこも怪我をしていないよ!と手を上げてアピール、そこにお母さんが来て俺のことをギュッと抱き締める。
「よ~しよし、よく頑張ったね~タクト」
「でへ!どうもどうも」
ジェーさん絶賛の母の胸………あざーす!
俺が母の胸に癒されている時、ジェーさんがバロンさんに呼ばれ尋問を受けている。さっきまでのジェーさんならきっと色々やらかしているに違いない。罪には罰、しっかりとジェーさんには反省して貰いたい。
しかし、ジェーさんがかなり派手に叫びながら泣き出した。さすがのバロン様もタジタジ、俺がそんな姿を見ていると、バロン様と目が合ってしまった。
「タクトくん、ちょっといいかな」
え!?……バロン様に呼ばれた!
う~……あんまり関わりたくないんだけどな~、しかしバロン様に呼ばれて行かないわけにはいかないよね~………ガクッ
俺は苦笑いしながらバロン様の下に走って行く。
「バロン様、何か御用でしょうか?」
「うん、君なら分かるかと思って彼はこの先の飲食店で大暴れしていてね。正直力ずくで捕えないといけなくなると思っていたのだが、どうしてこうなっているのかね?」
グッ……なんて言えばバロン様が納得してくれる。本当の事を言うのはまず無理、しかし何か話さないと怪しまれる!
「ワタシをタクトちゃんが変えてくれたの、タクトちゃんはワタシの心の闇を光で照らしてくれたのよ!」
なにージェーさんが勝手に語りだしたぞ!変なことを言わないでくれ!俺としてはスキルについては知られたくない!
「それはつまりタクトくんに説得され改心したと言いたいのかね!」
あーそう言う受け取り方も出来なくもないか!
さすがはバロン様!
「そうよ!ワタシはタクトちゃんに……もう一人のワタシを目覚めさせてもらったのよー!」
「そ、それはどう言う……つまり君の中に眠る女をタクトくんが目覚めさせたと!?」
ちがーう!バロン様そこはちがーう!
酷い勘違いだ!それだと俺が変なことをしたみたいになるじゃないか!それはマジ勘弁。
「お父さま、そいつはタクトのお母さんに酷いことをしたのです!処罰が必要です」
「なに!?ミルキーさんに手を出したのか………致命傷になるような怪我はしていないようだが……」
バロン様はジェーさんの身体を見回し、変なことをつぶやいていた。
「分かった!何にしても飲食店の件も含めて話を聞きたい。ジェット殿ご同行願えるか!」
「え~もちろんよ。ワタシはたくさんの人に迷惑をかけたわ。是非とも謝らせて!」
「そうか……それではこちらへ……」
バロン様がジェーを連行していく。すると何かを思い出したのか、バロン様はこちらを、振り返る。
「タクトくん、君にはあとで話がある。屋敷まで来なさい!」
俺……何にも悪いことしてないのに………
平穏な日常はなかなか維持出来ない。
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