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第107話 お願い一緒に いさせて!
しおりを挟む「おい!どう言うつもりだ!」
「どう言うって?一生下半身とおさらばが嫌なら黙ってて下さい!」
俺はノルンに手伝ってもらい。イグニスの上半身と下半身をくっつけていた。
「タクトお前まさか!?俺を治すつもりなのか?こんなのどうやって治すつもりだ!そもそもお前はこんな俺を助けるつもりか!」
俺をイグニスの切断された部位にペタペタと絆創膏(ばんそうこう)を貼っていく。
「そうですよ!ボクが勝ったんですから文句は言わないで下さい。これは勝者の特権ですよ」
「ちげぇよ!お前は本当にこれで良いのか!そんなことをすれば後悔することになるかもしれないぜ!」
「はぁー……その時はまたあなたをぶっ倒して今度は細切れにしますからね!やるなら後悔しないで下さいよ!」
俺はポンポンとイグニスの傷口に手を当て立ち上がる。
「それじゃ~イグニス、上半身と下半身は暫くすればくっつくから、その後どうするかは勝手にして下さい、俺達は行くんで!」
俺はノルン達に声をかけて、その場から離れる。ノルンは何か言いたさそうだったけど、我慢したのか、何も言わなかった。
「……………俺に一体どうしろって言うんだよ」
イグニスはタクトを見送ることしか出来ず、一人ボヤいていた。
…………………▽
◆ノルンの視点
「タクトこれからどうするの?」
私は少し遠慮気味に声をかける。何故ならタクトの表情はまた怒りの表情へと変わっていたからだ。だけど私が話しかけるとすぐに優しい表情を戻す。
「うん、そうだね。実は今そのことを考えていたんだけど、ノルンにはこのまま町に帰ってほしんだ。勿論先生とニキを護衛につけるから安心して」
「ん!ちょっと待ってよ!それならタクトはどうするの?」
まさか!?私の頭にある事がよぎる。
そんな危険なことしないよね!
「ボクはシャックス侯爵に会って来ようと思う。きっちりと落とし前つけさせてやる!」
え!?私は驚いた。今までのタクトなら絶対に言わないようなことを言っている。それにそんなの無理!相手は大貴族、それにシャンクス侯爵と言えば領内に強力な軍隊を作り上げだと言われる強硬派、楯突けば私達の町のように容赦なく駆逐される。
「待ってタクト!そんなのダメ!危な過ぎるよ!死んじゃうよ!」
私は叫ぶように声をあげてタクトを止めようとした。だけどタクトはまったく動じない。
「ノルン、ありがとう。だけど俺はシャンクス侯爵をそのままにはしておけない。必ず償ってもらう。それにこのままにしてノルンや町のみんなにまた何かされたら……俺は後悔することになる。今も怒りを抑えるので手一杯なんだ。頼む!ノルンはこのまま帰ってほしい!」
タクトは真っ直ぐに私を見ている。その目からは強い怒りそして私達を大切に思う意思を感じられた。
や~ん!いつものタクトとギャップがあり過ぎだよ!チョ~カッコイイじゃん!や~ん……ギュッと抱きしめてほしい~
………ダメよ私、それは今は我慢しないと!タクトはすごく真面目に考えているんだから今は真面目に誠実に対応しないと。
どう答えれば良いのかな。私はタクトのために動きたい。タクトがしたいことをしたい。タクトが喜ぶことがしたい。私はタクトとずっと一緒にいたい。
「タクト!私決めた!私もタクトに着いていく!」
……………▽
◆タクトの視点
え!?……いやダメでしょ。危ないからね!はぁ~でもそんなことは分かってるよな。それでもノルンは言っているんだろう。ま~ノルンなら言いそうだけど。何を言ったら諦めてくれるかな~
「ノルン、ボクは絶対に負けないし、必ず帰って来る。だからどうか町に戻ってくれないか!」
俺は敢えて危ないからと言う言葉を避けた。ノルンはきっと俺のことが心配で言ってくれている。この言葉で安心出来るとは思っていないが、それでも俺が約束出来るのはこれくらいだ。
ノルンはいつもと違い。まるで聖女のような優しい笑顔を俺に向けて言った。
「うん!分かってる。タクトは強い!イグニスに勝っちゃんたんだから、本当に強くなったね!でもタクトだけが行くのはおかしいよ!私もタクトと一緒に町のみんなを守りたい」
「う~ん……でも……いや~その~」
ノルンにはなんとか踏み止まってほしい。だけど何を言ってもきっと止まらない。俺は頭を抱えた。
「タクト、私のことは気にしないで、タクトが助けに来てくれなかったら、私はきっと酷い目に遭わされて死んでいたかもしれない。そう言う意味で言えば私は一度死んだようなもの、だからこの命タクトに預けるよ!お願い一緒に居させて!」
俺は頭をかきながら、「分かった」と一言言った。
この一言には俺の強い思いを込めた一言、絶対にノルンを守る!と言う強い意思がこもった。
こうしてノルンを含めた全員でシャックス侯爵が統治するグラムと言う町へと向かう。
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