異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

文字の大きさ
183 / 407

第182話 狂信者

しおりを挟む

「ア…アポローン!」……俺は叫んだ!

「煩いですよ。クソガキ」
 アポロンの傍には茶髪で長い髪とメガネをかけた青色の軍服を着たいけ好かねえー男が居る。

「テメェーアポロンに何をしやがったー!」
 俺は突っ込んで行こうとしたところをイグニスが制止する。

「まて!無闇に突っ込むな!殺られる」
 イグニスの目つきが鋭く、そして俺を止める力が強くなる。

「なぜここに居る。ネロ・ゲラード」

「キサマこそ、こんなところで油を売ってて良いのですか?正義の味方ごっこはやめたのですかね~」

 男はイグニスに皮肉を言って、口元に手を当てる。

「ネロそいつを放せ、俺の連れだ!」

「あ~……これですか?通りで腹のたつガキだと思いました。ほら、返してやりますよ」

 アポロンは投げ飛ばされる。……泉に向かって……

「ジャバーン」

「アポロンーー!」
 俺は泉に向かって飛び込む。

 男はニヤリと笑い、手を動かそうとした時、

「動くなよ、ネロ!」

 イグニスは剣に手をかけ男に威圧をかける。

「なんだよ。怒るなって、僕は助けてやってるんだぜ。イグニス」

「どう言う意味だ!」

「そのままの意味だよ。な~聖騎士さん」
 男はアーチに話をふる。

「あなたが言いたいことは分かります。この泉には聖なる力により特別な回復効果があります。ですがあれほどの傷は簡単には治りません」

「だけど、死にはしない……だろ。つまり助けてやったのさ」

 男は一切悪びれず淡々と話をする。
 
「テメェーがやっておいて、どの口が言うんだよ!何があったかは知らないがやり過ぎだろ」

「フッ、バカめ!僕に逆らったんだ。当然の報いと言える」

「分かってるよ!お前に言ったところで何も変わらないことくらいはな!」

 イグニスの怒りが限界値に達しようとした時だった。


「あ~痛ってぇ~、よくもやってくれたな~」

「アポロン……お前……」
「うそー~!」
 イグニスとアーチは口を開けて驚いていた。

 ネロと言われていた男も顔をヒクヒクさせて動揺しているように見えた。

「おい!クソガキ、何で普通に立てる?」
 
「うるせぇーお前に何も答えるつもりはない!女神イリス様の名の下にお前を裁く!」

 アポロンから闘気が溢れる。
 今にも突撃しそうな勢いだ!

「おい!待てアポロン、またやられるぞ!」
 俺はアポロンの頭にチョップをかまし、アポロンは不機嫌そうに俺を見る。

「タクト、言っておくが俺は止められないからな。女神イリス様に謝罪するまでは!」

 アポロンは少しは冷静になれたけど、止まるつもりはないようだ。このままこんな場所で戦われたら周りにも被害が出る。そんな中でやらせる訳にはいかない。それに恐らくアポロン自身も分かっているばずだ。あのネロと言う男には勝てないと、だけどイリスに関してネロは何かしたんだな。

「あら~ずいぶん騒がしいですね!」
 
 突然声が周りに響く。
 その声は大きな声ではないのにはっきりと聞こえ、周りに聖なる気が満ちていく。

「聖女様………」
 
 ゆっくりと足を進め、現れたのは聖女アンティア、殺伐とした空気の中、穏やかな表情をしており一切動揺するようなことはなかった。

「双方この場での争いを止めなさい!人が傷つくのをイリス様は良く思いません。それに周りに迷惑ですよ。やめましょうね」

 聖女様の言葉は心を穏やかにする。
 心が澄んでいくような気がする。

 しかしネロは表情を変えず、冷たく聖女を見ていた。

「ネロ殿のお分かり頂けませんか?そうですか、それは困りましたね~。では仕方ありません。貴方を……」

「分かりました。降参です」
 
 聖女様が話している途中で突然、ネロは両手を上げてこちらに従う意志を示す。

「僕としては貴方に逆らっても何の得もない。それにこれ以上茶番に割く時間はないのでね。これで帰らせて貰うよ」

 ネロは後ろに振り向くとスタスタと歩いて行ってしまった。

 一気に気が抜ける。
 あのまま戦うことになっていたら大変なことになっていた。聖女様には感謝だな。

 俺は聖女様の下に駆け寄る。

「聖女様、ご無沙汰しております。先程は仲裁して頂きありがとう御座います」

「いえ、大したことはありませんよ。むしろご迷惑をお掛けして申し訳なかったわ。ネロにはまた言っておくわね」

「聖女様、アイツを知って居るのですか?」

「えぇ、もちろん知っていますよ。彼は水の勇者、理由あってこちらにお呼びたてしているのですから」

「「え!………えぇーー!?水の勇者!!!」」
 
 俺とアポロンは思いっきり声を出して驚いてしまい。周りから白い目で見られてしまった。

「ちょっと待って下さい!アポロン何で水の勇者と揉めることになったんだよ!無謀にも程があるだろうが!」

「し、知らねぇ~よ!俺だってあんな奴が勇者なんて思いもしなかった!それにそれなら余計許さねぇ~、女神様の使徒があんなことをするなんてよ!」

 アポロンが怒りでまた暴れだしそうだったので押さえつけて落ち着くのを待った。

「な~アポロン、一体何があったんだよ。まずはそれを教えてくれないか?話しを聞いて理解したいんだよ」

「アイツは、アイツは決してやってはいけないことをしたんだ!イリス様を穢した!許せねぇ!」

 なんだよアポロンはっきりと言ってほしんだけどな~。それじゃ~分かんねぇよ!」

「あの~さ、タクト、この子が話したいことがあるって言ってるんだけど?良い」

 アーチさんが十歳くらいの少女を連れて来た。
 
「あの~私のせいなんです。私が水勇者様と揉めてしまって、それを助けてくれたのがそちらのお兄さんなんです」

「そうなのか、何があったか教えてくれるかな」
 俺が聞くと少女は首を縦に振って応えた。

「私がお祈りをしていると、水の勇者が来て話しかけて来られたのです。私は内容はイリス様がどんな方で何が良いのか?私は知る限りのことを話したのですけど、途中で苛つかれたのです。私は何が何だか分かりませんでした。水の勇者は今度は女神アテナ様のことについて語り始めました。私なんかよりずっと詳しく長い時間、それで言ったんです。だからイリスよりアテナ様が素晴らしいからアテナ様の信者になるようにと、私はそれを拒否しました。確かにアテナ様も素晴らしい女神様ですけど、イリス様もです。どちらが素晴らしいかなんて私には分かりません。すると水の勇者の表情が変わり、イリス様の銅像に亀裂が入って、最初は何が起こったのか分かりませんでした。だけど水の勇者様の表情をみたら、やった人は明白でした。私はすぐに何であんな酷いことをしたのかと抗議したんです。次の瞬間にはお兄さんが目の前に立っていて、何かを弾いていました。その後はお兄さんと水の勇者様が言い合いになって……あんなことに………」

 少女は項垂れている。俺は君のせいではないからと言って少女をアーチさんに任せる。

 つまりあれか?事の発端は少女がアテナ様の信者にならなかったこと?だからってそんなに怒るか?

「アイツはアテナ様の狂信者だからな」

「え!?マジでそんなけですか?」

 イグニスの言葉に驚きつつも、日頃は冷静なアポロンを見て、そう言う人達も居るんだなと納得してしまった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞、いただきました!! スティールスキル。 皆さん、どんなイメージを持ってますか? 使うのが敵であっても主人公であっても、あまりいい印象は持たれない……そんなスキル。 でもこの物語のスティールスキルはちょっと違います。 スティールスキルが一人の少年の人生を救い、やがて世界を変えてゆく。 楽しくも心温まるそんなスティールの物語をお楽しみください。 それでは「スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました」、開幕です。 2025/12/7 一話あたりの文字数が多くなってしまったため、第31話から1回2~3千文字となるよう分割掲載となっています。

処理中です...