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第196話 タクトの戦い③
しおりを挟む大爆発の凄まじい衝撃波より何もなくなってしまった大地に半透明の姿をした者達が6人居た。
「カーカッカッカッ、油断したぜ!バカが!調子に乗るからこう言うことになるんだよ!」
「煩いぞラムム、我々は肉体を失い、これ以上動くことが出来なくなった。主様に申し訳がたたん」
「チッ、モポスは真面目過ぎんだよ。俺達は主様の指示通りスタンピードを邪魔するヤツらを殺したんだ!問題はねーよ!それに隠せてねぇ~ぞ!顔がニヤついてる」
「フッ……黙れ!ラムム、クック、確かにあのクソガキの死顔を見てやりたかったとは思うがな。想像するだけで顔に出ちまったか、私もまだまだだな。全員聞け!聖都に居る主様の下に戻り新たな肉体を頂きに行くぞ」
………そんなやりきって油断しているモポス達を上から眺めていた者達が居た。
「な~な~、そこまで言ったら主様が誰かも聞きたいんだけどな~」
モポス達は声が聞こえ見上げて固まる。
タクトとカンナは空中で立っていた。
(空間障壁を足元に作って乗っている)
顔を引きつかせるモポス。
「お、お、落ち着け、動揺するな。我らは今霊体だ。声をかけられているように見えるがヤツらには見えはしない」
「お、おうそうだな!モポス」
ラムムは「うんうん」と首を縦に振り続ける。
「君らには残念話だけど見えてるから、ボクは霊が見えるんだよ!でも君らは違うよね。なー悪魔ども!まさか人じゃなくって魔物に取り憑くとは盲点だったよ。なんか色々と納得だわ!お陰で容赦する気が全く起きない!」
『ライト充電』
俺はライトに魔力を集中、聖なる光の照度を上げ続け、モポス達に向けて点灯する。
『ライトOn!悪魔を浄化しろ!』
「ぐぁ~」
悪魔達の断末魔があがり煙となって消えて行った。
周りの気配を確認し、完全に悪魔どもがいなくなったことが分かるとライトを切った。
「危なかったな。まさか自爆なんて方法を取るとは思わなかった」
ハッキリとは分からないけど高い魔力が体内で暴走しそれを制御しようともせず肉体のダメージを気にせず解放した。自分の肉体ではないからか執着が少ない悪魔だからこそ選べる攻撃魔法。モポスは俺達への攻撃と離脱の為にやったのだろうが、俺には空間転移スキルと悪魔がハッキリと見えてしまうスキルがある。お前達は運が悪かった。
「なんとか片付いたけど、休んでもいられないよな」
流石に今の戦闘は疲れた。身体がダルい。
俺は座りたい気持ちをぐっと我慢して足を動かす。
「せや!大分時間を取られたよ。急いで戻らんと町が危険かもしれへん」
カンナもついて来てくれる。
相棒が居るって言うのは心強いぜ!
「それじゃ~カンナ悪いけど、チャッチャカ移動するぞ!『配管発動』(空間転移)」
地面から人が通れるほどデカい配管が現れ、俺とカンナは配管の穴に飛び込んだ。
「よっと!」
「ほいな~」
配管からぴょーんっと飛び出る。
ここは聖都マーリンにかなり近い位置なのだが出てすぐに異変に気がついた。
「ドドドドドド」
地鳴り音と足音が周辺に響く。
魔物の大群……何百なんてもんじゃない。何千なのか?何万なのか?分からないけど、その圧倒的な数に圧倒される。
「ははっ……アレを止める?ボクはかなりバカなことを言っていたもんだ」
ギリッと奥歯を噛み締め恐怖と向き合う。
……ルナ達はどうなっただろうか?
あれからそれなりに時間は経ったけど上手くことは進んでいるのか?それともまだ時間がかかるならあとどのくらい時間を稼げばいい?
……はぁ~どうしても後ろ向きなことを考えてしまう。
やるしかないんだ!
みんなだって今!この時を!必死に戦っている。
俺は皆を信じて役割を果たそう。
「ビス………セット」
プラスドライバーを右手に持ち後ろに腕を引く。
『ビスショットガン!』
プラスドライバーから放たれた瞬間、ビスが増加、数十発のビスが群れの最前線を走る馬のような魔物に当たる。
『………空間固定』
バキッ、ガン、ドコン
魔物の断末魔と激しい衝突音がする。
先頭を走っていた魔物達の動きを止め、後続の魔物と衝突、魔物達は転倒し踏みつけられ死んでいく。
しかしこの程度では大して数は減らせてはいない。
「そんじゃ~ま~いっちょやったるでぇ!」
右手にハンマーを持ち構える。
相手は目の前だ!ちゃんと狙う必要はない。
全力で魔力を込めて振る!
『ハンマークラッシュ!(空間圧縮)』
直径100メートルの巨大な円の形で魔物の大群が押し潰された。
「良し!千体以上の魔物を潰した!次だぁ!」
俺は再びハンマーを振り上げ潰す!
「はぁ~はぁ~はぁ~………」
たった2発で息切れだ。
今の一撃で全MPの10分の1近く消費している。
これだけの力をに使えば体力も気力も一気に持っていかれる。
だけど効果はあった!
魔物達はあまりのことに恐怖し動揺している。
動きが鈍くなった。これなら時間は稼げる。
「よっしゃ!もういっちょ!」
もう一撃ハンマーで攻撃しようとしたその時!?魔物の大群が大爆発で次々と吹き飛ばされた。
まるでミサイルでも撃ち込まれたように地面は抉れ燃えていた。一体何が起こったんだ?
俺は何が起こったのか分からずあたふたしていた時、上空に一人の魔導師が佇んでいた。
「あれが標的の少年……見つけたわ」
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