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第214話 過去は変えられない……
しおりを挟むバネス師匠が悪魔に取り憑かれ殺されたと報告があったけど、私は信じられなかった。あの師匠が悪魔に取り憑かれるだろうか?私はその悪魔を追うことにした。
師匠が居たのはカサカと言われる小さな村、師匠は子供に取り憑いた悪魔を倒そうとしたみたい。だけど逆に殺されてしまった。
師匠が無理をするとは思えない。相手の力量を見誤ったということ?分からない。だけど現場に行けば何か分かるかも知れない。
私はその教会へ向かった。そこには一人の少女が待っていた。
「こんにちは、あなたはここの子よね。神父様は居ないかしら?」
少女は声をかけたにも関わらずこちらを振り向こうとしない。声が聞こえていないかとラキが近づこうとすると。
「ラキ、やっぱり来てくれた」
少女は私の名を呼んだ!?
「あれ?あなたとは初対面だと思っていたけど、どこかで会ったかしら?それともバネス司教から私のことを?」
少女はゆっくりと振り返る。
特におかしなところはなく、言ったって普通の可愛らしい少女だった。
「うん、バネス司教から聞いたの、神父様は上よ!」
「うえ?」
少女が天井に指を差した先には天井に磔にされた神父とシスターそして子供達がいた。
「え!?そんな……あなた何者!」
私は少女から距離を取る。
「ワタシ?誰でも良いのではなくて、それよりもワタシと仲良くしましょう」
少女の目が赤く光る。
「悪魔!……あなたがバネス師匠を!」
「そうよ。彼では足りないから、でもいい実験台にはなったから問題はないけど。うーん………あなたはどうかしら?」
「舐めるな悪魔!師匠の敵を討たせてもらう」
私は魔力を高め構える。
「ラキはバネス司教がどうなったか気にならないの?」
私は師匠の名を出されの悪魔の声に耳を貸してしまった。
「当然気になるわよね~。彼は私と契約を行いそして私はその約束を果たした。だから魂を頂いた。彼の魂は今も私の中に居る」
「師匠が悪魔と契約だと!あり得ないわ!あなたが卑怯な手を使って師匠を脅したのね」
「うふっ、どう捉えてくれてもそれは構わない。悪魔にとって契約は絶対、その過程はどうでも良いの。バネス司教からあなたのことを知ったわ。良い…とっても良いわ。是非ともあなたの身体がほしい。どう私と契約しない~」
「そんなことするはずないでしょ!あなたはここで浄化する!覚悟しなさい」
悪魔に取り憑かれた少女は少しガッカリとした表現をすると、すぐに笑顔に変わる。
「そう…分かったわ。残念だけど仕方がないわね。あなたの魂も欲しかったけど。でも良くをかくと失敗するもの、良いわ!でもあなたこそその判断は正しかったのかしら?覚悟をしなければならないのは私ではなくて、あなたじゃないの?」
「悪魔が戯言を!聖なる光よ!ここへ」
私の拳に聖なる光が灯る。
『セイクリッドスマッシュ』
「あなたの選択が間違っていないと良いわね。………『邪魔よ!止まりなさい』」
悪魔に拳が当たる直前突然私の足が止まり動かなくなる。
悪魔は私にそっと触れて、耳元で「また会いましょう」と言って、少女から離れて行った。
私は倒れる少女を受け止めると、悪魔が言っていた意味を考え恐怖する。
まさか、そんな、あの悪魔は私のことを知っていた。もしも私を狙っているのなら襲うのは教会のみんな!?
私はみんなの下へと急ぎ向かった。
…………▽
私はバンッと教会の扉を勢いよく開ける。
そしてそこで見たものは地獄たった。
教会の中には血飛沫がそこら中に飛び、椅子にみんなが座っているのが後ろ姿が見えた。
「み……みんな」
私は震える足を無理やり動かし前に進む。そしてみんなの前に行き絶句する。
「嘘!?うそ!?ウソよーー!」
みんなは縛られ血の涙を流し、さらに手足の片方ずつを失っていた。なんて!なんて酷いことを……
私の目から涙が止めどなく出た。
「アッ…アッ…アッ……すまない……ラキ」
「ゴッ…ゴッ…ごめんなさ…い…ユル…シテ」
「神父様?……シスター?……」
血の涙を流しながら謝罪をのべ、足を引きずりやって来たのは神父様とシスター、そしてその手には鎌の様な刃物を持っており、血がベットリと付いている。
口が震えて声が上手く出せない。
私が黙っているとは神父が恐ろしいことを言い出した。
「私がみんなを切り刻みました。悪かったユルシテほしい……」
「私がみんなの縛りあげ殴った。ごめんなさ…いユルシテクダサイ……」
「「私達は罪深い者です!どうかこの命を捧げます。オユルシクダサイ」
え!え!え!?……待って待って……
二人は相手の首に鎌を持って行き、何の躊躇もせずに鎌を引いた。二人の首からはシャワーの様に血飛沫が飛び倒れる。二人は絶命した。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…ハァッ!
アァァォォォォォォァァァァア」
私の心の叫びが木霊し……私はショックで気を失った。
それからどれだけの日が経ったのか分からない、何も考えたくない。私は病室でひたすら眠っていた。
「ラキ………」
とても心地よい声がした。
久々に目を開けようとまぶたを動かすけど重くてなかなか開かない。
「セイジョ……サマ?」
「ラキ!ラキ!ごめんなさい。こんなに遅れてしまって、本当にごめんなさい」
私を強く抱き締め、涙を流す聖女様。
あなたは何も悪くありません。全ては私の責任……
ほんのほんの少し、あの時のことを思い出して私はまた泣いた。涙ってこんなにも出るのね。止めどなく流れる涙が落ち着くまで聖女様は待っていてくれた。
「聖女様、私はみんなを救うことは出来ませんでした。私の願い…目標…やらなければならないこと、それを私は出来なかった。なんてなんて私は愚かな者なのでしょうか!私はもう生きてはいけません」
「そんなことはありません…ラキ、ラキが死んでは皆が悲しみます。あなたが辛い時には私達があなたを支えます。だから死のうなどとは思わないで下さい」
「でも…でも私は誰も救えなかった。このままでは心が魂が私自身が許せないのです。お願いします聖女様、教会のみんなを助けてください」
「ごめんなさいラキ、私には人を生き返られる力はありません。私達に出来るのは彼らが穏やかに天に上がれるように祈ることだけです」
聖女様は悲しい顔をしている。
「聖女様でも無理ですか……そう…ですよね。蘇生魔法は伝説上の魔法、そんなこと…出来るわけがない。………あの時もっと早く気がつけば、みんなを助けることが出来たはずなのに……」
「ラキ……過去には戻ることは出来ません。今を生きるのです。ですが今はゆっくり休んで下さい。ラキ……待っています。一緒にこの先の未来を歩みましょう」
聖女様が病室から出ていこうとした時、私の口から自然と出て来た言葉が私をより苦しめた。「過去は変えられないの?……もしもそうなら……私はみんなを助けられない。一生許されることはない。でも聖女様は私に死ぬなと言った。私は一体どうすればい…い…の?」
私の心は徐々に朽ちていき、そして心が死んだ。そんな心の隙に入り込んだのが悪魔プルソン、その時の私には知る由もない無かった。
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