異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

文字の大きさ
232 / 359

第231話 宝物庫の宝

しおりを挟む

◆パズムの視点

 ボクは主様からの命でこの場所を守って三百年、竜人(ドラゴニュート)でも特殊な個体であるのボクでも長く寂しく感じていた。でも稀に遺跡の奥へ行く扉を見つけボクの試練を受ける者が現れる。本当に滅多にいないけど、今日三十年振りに人が現れた。変なエルフだった。ここまで来るのに死ぬほど危険なトラップが仕掛けられていたはずなのだが、ボロボロの姿ではあったものの楽しそうに笑顔で現れ、さらにトラップの感想まで言う始末、頭がおかしいエルフだ。それでも久しぶりの人間、話はすると自然と話は盛り上がった。

 ボクはテキトウにあしらって、殺さずにエルフを外へと吹き飛ばした。するとそれから直ぐのこと、あのエルフは懲りずにまた現れた。しかも今度は大人数、ボクは興味なさげに対応したけど、内心はワクワクして鼓動を抑えるのに必死だった。わ~こんなに人がいっぱいだ~どうしよう緊張する~。

 しかし浮かれてばかりではいられない。ボクは主様からここを守るよう任されているのだから、殺しはしないが、また出て行って貰おう。

 なかなか良いスキル持ちの様だ。ボクの見えざる爆弾を回避し風の結界を抜けて来た。でもボクは倒せないよ。

「うん、それでさ…で!……こうして……そうそう……こうすれば……そう言うことよ!………宜しく!」

 試練を受けていた四人がコソコソと集って話をしている。なんかムズムズする。そこにボクも参加したい。


「いけない!集中しないとアイツらは敵だ!」

 そうこうしているうちに準備が整ったのか、こちらを気合の入った目つきで見る四人、そろそろ仕掛けて来るかな。

「良し!行くぞ!アンディ」
「教皇のおっさんミスんなよ!」

 教皇とエルフがそれぞれ左右から走って来た。教皇の方は今度はトラップのエアボムを躱している。あのエルフに事前に聞いているか、だけど無駄だよ。遅いがエアボムを移動出来る。

「のぉあああ!」
 教皇は再び吹き飛び壁に激突する。
 でもあのエルフは躱すか、やはり見えている。移動するエアボムから逃げながらこちらに向かって来る。ならば『ブラスト』で吹き飛んで貰おうか!

『ブラ…ブヘェ!?』
 何が起こった。突然頬に衝撃が!
 ボクは衝撃で吹き飛ばされながらも、その原因を見てボクは驚愕した。


 いつの間に現れた!?
 そこには少女とタクトと言う青年が居た。どうやって接近した!?何も感じなかったぞ!

 分からない!だけどこれ以上はさせないよ!
 急いで風の結界を張り直す。

「これで安心…ブヘェ!?」
 なぜだー!?また殴られた!

「ダーマちゃんナイス!そのまま結界を相殺しておいてねぇ~」

 風の結界の間にに変な盾が入れられている。アレのせいで結界内を入られたか、しかし問題はなぜ攻撃を受けるまであの二人を認識出来ない。

「どうだ!パズム、びっくりしたか?アイリスの透明化スキルは見えないだけじゃなくって認識阻害能力も有してるんだぜ!」

 そう言うことか、だから気がつくことが出来なかったのか、しかしなぜタクトはそれをボクに教えた?

「パズムさん、降参して貰えないかな?」

「へっ?、なんで降参……!?」
 手足が動かない!?いつの間にか拘束魔法をかけられたのか?

 ニッコリと笑顔で喋るタクトを見て負けを認めることにした。

「まさか……してやられましたよ。このボクがこうもあっさりと、生きていれば主様に叱られますね」

 ボクはあの日のことを思い出す。
 主様からこの地を任された時を、とうとうこの日が来てしまいました。主様申し訳ありません。
 ボクの頬に涙がつたう。

「あの~、ボク達訳あってお金が必要ではあるんですけど大切な物があれば言って下さい。それは取らないんで」

 ボクの情けない姿を見せてしまったせいか、タクトは優しい言葉を言ってくれる。しかしそれは違う。

「タクトさん、気にしないでくれ、ボクはこの試練を突破した者に宝を託すように言われている。だから宝をすべて君のものだ。遠慮は要らない!持っていってほしい」

 これがボクの思い、そして主様の願い。

 タクトは最後まで遠慮して断っていたが、タクトの仲間達とボクで説得した。

「それでは宝物庫へ案内しよう」
 
…………▽

◆タクトの視点

 金銀財宝とはこのことか!眩しい!
 パズムさんに連れて来られた部屋に入ったらザ!宝と言える金目の品々、これは余裕で必要な資金が手に入る。

「遠慮しないで下さい!すべて持って行って下さい」
 パズムさんは試練を突破されて落ち込むかと思ったけど、思いのほか嬉しそうだな?なんてだ?

「あの~やっぱり全部じゃなくても……」

「まだ言ってるんですか?タクトさん、かまいません!そもそも主様からは試練を突破した者に渡せと言われているって言ったではないですか!もー意地でも持って帰って頂きます!」

 やべぇ!遠慮し過ぎて逆に怒られた。
 ただ実は遠慮しているだけじゃないんだよ。
 なぜだろう~勘が言ってるイヤな予感がすると。


「さー奥へ、そこにあるのはオマケみたいなものです。この奥に守りし宝があるのです」

 パズムさんに無理やり引っ張られ隣の部屋に連れて行かれる。

 その部屋は十畳ほどのそれほど広くない部屋で、そこにはポツンとお宝ではなく小さな卵が置かれていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

処理中です...