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第238話 あの世へLet's go②
しおりを挟むバネスさんの遺品を手に入れる為、ルナに連絡を取ることにした。この時俺は非常に疲れていた。連日の労働、過度の魔力消費と寝不足でボーっとしてしまった。
配管を設置、しかし人が通れる大きさの穴ではなく10cm程の穴さらに何を思ったのか、場所を設定したのではなく人物、ルナを設定してしまった。
配管を見た時「あ!失敗した」と思った。でも設置したのでどこに接続されたのか気になり配管の穴を覗く。
天使が居た。天使があられもない姿で………
目をこすりもう一度見るとルナが服を着替えていた。美しい白い肌、腰がキュッとくびれ大きいと言って差し支えがない胸が揺れる。翼が生えていない状態にも関わらず天使に見える神々しさを持った女性だと改めて思わされ同時に邪念が漏れる。
「誰!」と短い言葉と同時に鋭い剣が配管を通り俺の頬をかすめる。
「………………すいません」
「え!?タクトなの?」
「はい……そうです。ごめんなさい」
ルナは俺の声を聞き信じてくれた。
剣を引き腕で身体を隠す。
その姿は神々しさとエロスが同時に垣間見える素晴らしい姿だった。
「タクト何をしている。恥ずかしいではないか、その……見たいならちゃんと言って欲しい。心の準備をするから、あと……触りたいなら責任を取って結婚するんだぞ!」
頬を赤く染め恥ずかしそうにする。
そんな姿を見せられると欲情するではないか、配管の穴を小さめにしておいて良かった。もしも目の前で今のルナを見ていたら押し倒していたかもしれない。
「その改めてすまなかった。その実はルナに聞きたいことがあってラキの件だ。バネスさんの持ち物に心当たりはないかな?」
ラキの目つきが変わり考え始める。
「たぶんあそこ、バネス司教がお亡くなりになった時の遺留品が保管されているはずだわ!ちょっと待っててすぐに持ってくるから」
ルナは服を着ると部屋を出て行ってしまった。
ちょっとって……どれくらい?
結局勝手に離れてはいけないと思い、ルナを3時間程待つことになった。
バタンっと部屋のドアが開くとルナが慌てて入り、配管を通して喫煙具のパイプを渡してくれた。
「そのパイプがバネス司教のお気に入りの物らしいのそれで良いかな?」
「あ~助かったよ。それじゃ~また行って来る」
俺は配管を閉じようとするとルナに呼び止められた。
「タクト……こんな事言ったら困らせると思うんだけど、ラキを助けられる?」
配管越しだから顔が見えていなかったけどルナが不安そうにしているのが声で分かった。だから俺はルナを安心させたいと強く思う。
「あールナのおかげでなんとかなりそうだ!ヘヘッ!ボクに不可能はない!ラキさんはボクが絶対に救うからルナは安心して待ってて!」
「うん!分かった」
ハリのある元気な声が返って来た。
上手く元気付けられたようだ。
…………▽
ルナと別れた後……
配管を設置し、いきさきを冥界(あの世)の手前にある狭間の異界へセット!
それじゃ~準備は出来た。あとは勇気を出して飛び込むのみ!
「あの世の手前にLet's go」
俺は配管の穴に飛び降りた。
なぜかいつもより長く配管が続いて行く。あの世はどの場所より遠いのかもしれない。魔力もかなり持っていかれたな。
「お!たぶんここだな」
配管から出た……たぶん。
周りは真っ暗で何も見えないけど……
でも明らかに空気が変わった。
「ニキ、バネスさん達がどこにいるか分かるか?」
ニキには事前にバネスさんの持ち物の匂いを覚えて貰っている。
「シーなのだ!あまり大きな声を出さないで欲しいのだ!ヘル姉に見つかるのだ!」
ニキは周りをキョロキョロと見回り落ち着きがない。
ヘル姉が怖いのはよく分かるけど流石にここまでは来ないだろ。
「ヘル姉はこの近くに居ないのだ!ふ~良かった~……なのだ、タクト行くのだ!」
ニキは真っ暗の中を歩き出し俺はついて行く。この場所は以前も来たけど前よりも冷静に周りを見る余裕がある。あの時は気が付かなかったが真っ暗な空間に蠢く死霊がチラホラと見えた。正直メッチャ怖い。
「お!居たのだ!」
ニキの声を聞き闇の中を目を凝らして見ると三人の人影が見えた。
「あーーすまない……すまない……私は何てことを……」
一人の神父が膝をつき頭を抱えている。
「どうかあの子達をお救い下さい。どうかあの子達をお救い下さい。どうかあの子達をお救い下さい。どうかあの子達をお救い下さい」
一人のシスターが一心に祈り続けている。
「やめろ!やめてくれ!ラキに手を出さないでくれ。あの子は優しい子なのだ。あの子を苦しめないでくれ。お願いだ!女神よ!どうかラキを………」
一人の聖職者は弟子の少女に手を出さないよう懇願し女神に救いを求めていた。
間違いないな。この三人がラキの関係者。
「でもラッキーだったな。三人とも一緒のところに居てるなんて探す手間が省けた」
「ん?違うのだ!偶然じゃない!必然なのだ!三人はラキの事を強く思い自然と引き合わされたのだ!」
へーそう言うことか、それだけラキの事を思って、これなら絶対にラキを救うために協力してくれる。
俺は三人に近づき声をかけた。
「あの~すいません!お話をしたいのですが少し宜しいですか?」
「ブツブツブツブツ………」
「ブツブツブツブツ………」
「ブツブツブツブツ………」
「………………?」
俺が話しかけてもまったく反応せず、ずーっと同じ事を言っている。なぜに?
「普通に話をしてもダメなのだ!コイツらは未練、思いに取り憑かれているのだ!だからタクトの声は聞こえていないなのだ」
「え!?そんなそれならどうすれば良いんだよ!」
「タクト大丈夫なのだ!コイツらの思いに応えてあげれば自然と耳を傾ける」
バネスさん達の思いに応えるか………
「聞いて下さい!ボクはラキさんを救いに来ました!だからボクに力をを貸して下さい!」
ラキさんを救いに……その言葉を聞いた途端、三人は一斉にこちらを振り向き。救いを求めて来た。自分ではなくラキの救いを……死んでまで他の人を思える人……本当にこの人達は良い人だ。
俺は三人にラキの状況を説明し協力をお願いした。バネスさん達は涙を流し協力を承諾してくれた。これですべて上手く行く!そう思った矢先だった。
「ワァフ!?」
ニキには珍しくイヌぽい鳴き声をあげさらに毛羽立たせている。……どうした?
「よぉ!愚弟!意外と帰ってくるのが早かったな!」
どこかで聞き覚えのある声……
ニキは俺の足元に隠れ震え上がる。
………まさか!?
真っ暗の中から昭和時代のスケバンの様な格好をした女性が現れる。
へ!?……ヘル姉だーーー!
声を出さずに心の中で叫んだ。
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