異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第265話 伝えたいことが二つある

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「あーお腹いっぱい。満足かしら」

「食べ過ぎなんだよ!イリスは、おかわりまでするんだもんな」

 イリスは見た目と違って良く食べる。まともに食事を一緒にしたのは今回初めてだったので驚いた。

「良いでしょ!コッチの世界には中華なんてないんだから、いつもより食べ過ぎちゃったのよ。ちょっと眠くなってきたわね」

「いや、我慢して話が進まない」

「フッ…冗談よ。女神は寝なくても大丈夫なのよ」

 へー……そうなんだ。すごいね!
 うん!でも早く話しよ!
 
 俺が素っ気ない対応をしてたら頭の上にタライが落ちて来た。

「あたぁ!?」………神罰が落とされたか?

「イリスごめんよ!話がなかなか進まないからさ~、ついつい、でもタライはないだろう。ビジュアル的にアホぽいんだけど」

「あ~ら、あなたの世界だとタライが落ちて来るのが一般的って聞いたわよ!運が悪かったわね!」

「そんな訳ないだろ。雨じゃないんだからタライがしょっちゅう落ちてたら、世界はタライで埋もれてるわ!そんなことは良いから話を頼む」

 タライを横に置きソファに座り直した。

「それじゃ~本題に入りましょうか、あなた達には伝えておきたいことが二つあるわ。まず一つ目に町の中に死の商人が潜んている。しかも複数人いると思うわ。油断していたら簡単に命を落とす」

 やっぱりそうなるか、以前の話で死の商人が貴族達を殺害している話があったけど、そのことから複数人いる可能性が高いことが分かっていた。

 死の商人、マルクトで戦った時は何度も殺された。正直勝てたのは奇跡、『陰陽道』スキルがなかったら相手にはならなかった。
 

「死の商人は相手を即死させるスキルを有している者達、まともに相手をすれば死は免れない」


「そう言うことですか、イリス様が言いたいことは分かりました。私達にお任せ下さい」

 イリスの重苦しい話に明るく答えたのは聖女様、聖女様にはイリスが伝えたいことが分かったようだ。

「えぇ、今回の戦いにはあなた達聖職者の力が不可欠、死の商人が扱うスキルに対抗する最も有効な手段を持ち合わせているのはあなた達なのだから」

「え!?そうなんですか聖女様」

「そうよタクトくん、死の商人が扱うスキルは私達聖職者では呪いと言われる分類の力なの、それに対抗する手段を持ち合わせていないと悪魔を相手にすることは出来ないから」

「うーん……聖女様、その呪いは魔力では防げないのですか?」

「そうね!防げない訳ではないのだけど、呪いの力に対してかなり強い魔力を纏っていないと防げません。でも私達は聖魔法を操る者、呪いに対して高い防御力を持つ『聖魔闘気』を扱えるの、それならば即死は免れます。それに他にも呪いに対抗する補助魔法が扱える者もいますので周りの仲間も守れます」

「なるほど!イリスが言いたかったことがボクにも分かりました。つまり今回の調査に聖女様を……」

「それは止めた方が良いんじゃないかしら」

「え!?」
 俺が喋っている途中でキョウカに横槍を入れられた。なんで!?

「タクト、あなた王都の町中に聖女様を連れ回したら大騒ぎよ!変装をする手もあるけど、バレた時のリスクが高過ぎると思うわよ」

 聖女様を見て思う………確かに!?
 聖女様から溢れ出るオーラを隠し切れる気がしない。一般人なら誤魔化せるかも知れないけど見る人が見ればバレる。こりゃ~ダメだ。

「うう~ん……キョウカの言う通りだと思う。でもどうしようか?キョウカ」

「はぁ!人に振らないで自分で考えなさいよね!」

 感じではいたけどキョウカは厳しい。
 冷たくあしらわれた。

「タクトくん、キョウカさん、問題ありませんよ。私達イリス教には素晴らしい人材が多くおります。任せて下さい」

 聖女様はニッコリと笑顔で教えてくれた。
 そうか!そうだよな。ルナに頼むのもありだな。

「話はついたようね。それじゃ~もう一つの話をするわよ。悪魔は人の欲望を糧に力を増す。これは聖職者の者であれば誰しもが知っている常識なのだけれど、かつて悪魔ではないけれども、同じ様に欲望を糧に力を得た化け物が存在したは……」

「イリス様、それはまさか!?」

「メリダ、あなたはもちろん知っているわね。国一つを滅ぼすほどの強大な力を持つ化け物、その名は魔獣バジリスク、この化け物が王城にいるわよ」

 その言葉を聞いた聖女様は勢いよく立ち上がり、驚いた表情をしていた。

「イリス様!それは何かの間違いでは、バジリスクは属性勇者によって倒されたはずです。伝承ではその身体は粉々に砕かれたと……」

「メリダの言う通り。バジリスクは倒された。でも完全ではなかったのよ。バジリスクのコアが残ってしまっていたの。何者かは分からないけど。それを使ってバジリスクを再生しているわ。気配で分かるから間違いないわよ」

「なんということでしょう。今の王都は不安や憎悪などの負の感情に満ちている可能性があります。その状態を利用してバジリスクを赤子の様に母体の中で育つ環境を作り出した。後は人の欲望を喰らって育つ。イリス様はすでにバジリスクは再生していると、そうお考えなのですね」

「残念だけど……そうよ。早く止めないと、今の段階で以前ほどの力があるかどうかは分からないけど、かつての戦った属性勇者と同じ…もしくはそれ以上の戦力で挑む必要があるわ」

 イリスと聖女様が話し合い盛り上がっていると言うか、下がっていると言うか分からないが、俺は置いてけぼりだ。
 
 俺は隣にいるキョウカにコソコソっと聞く。

「な~な~、キョウカさ、属性勇者ってなんなんだ?教えてくれ」


 キョウカは真顔で言った。「あんたバカ?」
 相当非常識なことを聞いたようだ。

 
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