異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第287話 交わる剣

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◆イグニスの視点

「分かっていると思うが剣を抜いた以上殺されても文句は言えねぇぜ!」

「もちろんです!剣士であれば誰でも分かる常識です。あなたは優しいからこのくらいしないと相手にして頂けないでしょ」

 俺の威圧を涼しい顔で受け流す。その表情は嬉しくて仕方ないと頬をほころばていた。

「仕方ねぇ~少し相手をしてやる!」
 俺は剣を引き抜き構える。

「あの時と一緒です。あなたの構え方は一見隙があるにも関わらず、それを攻めさせない圧倒的な闘気、一流の剣士であっても臆するでしょう。ですが私は違います!」

 トリスタンは闘気を制御し、自らに纏った闘気(オーラ)を俺にぶつけた。

 大した物だ。俺の闘気(オーラ)に対抗するだけの量、俺の闘気(オーラ)を引っ剥がすつもりか?上等だ!やれるものならやってみな!

 俺は闘気(オーラ)をマグマの如く吹き出させ、トリスタンの闘気(オーラ)を弾き返した。

「小手調べはこのくらいにしな!来ないならコッチから行くぜ!」

「いえ、私の方から望んだこと、私から行かせて頂きます」

 スーーッと淀みない動作で首元を狙った左薙が迫る。コンニャロー!スカした顔して容赦ねぇ~な!

「あ~らよっと!」
 それを逆袈裟斬りで防ぐ。

「感動です!あなたとこうして剣を交えることが出来るなんて!」


「キーン」………トリスタンは流れるように上段に構えると飛び上がり反転、天井に足を着け俺を向かって飛んで来た。それを俺は片腕で剣上げ横に構えて受け止める。

「キーン」………俺は受け止めた剣を力任せに振り、トリスタンごと吹き飛ばすと一気に接近、体勢を崩したトリスタンに向かって逆袈裟斬り。

「キーン」………俺の放った逆袈裟斬りをトリスタンは剣に沿わすように合わせ流される。


 はぁっ!舐めるなよ!ガキが!

 俺は剣の先端から炎を出し推進力にして、流された剣を戻し斬り返すが!……その剣は受け止められ、ビクともしない。


「へぇーー……驚いたな!そんなに細い身体をして剛力ってわけか、この程度では話にならんな!」

 このトリスタンっという男、魔力を闘気に変えて身体を強化しているだけではなく、身体強化スキルを併用しているな。しかも俺の剣を受け止めるほど高いLv、侮れないな。

「そんなことありませんよ。イグニスさんの剣、久々に手が痺れましたよ。あなたは思っていた通りの剛剣の使い手だ。身体の中から打ち震えて来ましたよ。さー続きをやりましょう」

 トリスタンからさらに闘気(オーラ)が巻き上がる。殺る気だな。でもな………


「トリスタンまた今度にしよう」
 俺は剣を鞘に戻す。

「どうしたんですか!まさか怖気づきましたか!」
 トリスタンは挑発するように言う。

「無理すんな!戦わないとは言ってない」

「フッ……バレましたか、あなたと戦いたくて挑発してみたんですけど、慣れないことはするものではありませんね。バレバレでしたから、それでなぜ止めるのです?」

「俺とお前がやったらこの店が吹き飛ぶ、それはイカンだろう」

「はぁー……なるほど、イグニスさんがそう言うのなら、私としてもイグニスさんと本気で戦えなければ意味はありませんからね。ここは剣を納めましょう」

 トリスタンは以外にもあっさりと剣を納め、戦士の顔ではなく最初にあった時と同じ様なスカした顔に戻った。

「イグニスさんそれでどうします?場所を変えますか?」

「いや、止めておく、正直俺はお前と戦う理由がないからな、今でもまったくやる気がでん!」

「そう言わずにイグニスさん一戦交えましょうよ」

「ん~そう言われてもな~」
 コイツ意外と粘着質なタイプか?なんて言って説得すれば良いかな~?

「そうですか理由があれば戦って頂けると……そうですね!それなら本気のイグニスさんと戦えそうだ」

 トリスタンの口をニィーっと口角を上げて笑う。
その顔は愉悦を感じている様に見えた。


「ならこうしましょう。先程出ていった二人のどちらか、いや、ノルンと言う女性の方が良いかな。彼女を殺します。そうすればやる気が出るでしょう」

「な!?何言ってるんだお前は!」
 あまりにも変なことを言い出したので思いっきり驚いてしまった。でもトリスタンの目を見ると本気の目をしていた。コイツ……一体?


「おい!冗談にしては良くないぜ。流石に温厚な俺でも怒るぞ!」

「良いですね~それ!それにしましょう」

「お前な~………」

 トリスタンは俺の威圧にまるで気がついていないように軽口を叩く。本気で言っているならコイツを燃えカスにしないといけない。


「イグニスさんの目的はボルジア公爵、いや今はボルジア国王でしたかね。ハドリアヌス元国王にでも頼まれましたか?」

「さーどうだかな」
 俺はとぼけてみせるがあまり信じていないようだ。

「それならあなたと戦う機会はまた後でありそうですね。でもあなたとは本気で戦いたい。ノルンさん、彼女でなくても良いですが、あなたの大切な仲間の命を
頂きたいと思います」

「はぁ~……お前はどうしても止まるつもりはないんだな」
 俺はガックリと肩を落とし諦め、そして思いつく。

「それならノルンを狙え結構楽しめると思うぜ!」

「えぇ……バロンさんの娘さんだ。きっと私を楽しませてくれるはずです。ですが足りません。私は楽しみたいのではなく、真の強者になりたい。あなたの様な真の強者に!」

 トリスタンは熱く語る。

「それがお前の目的ならもうちょっと考えて貰いたいもんだ」

「すいません、私は不器用なもので、では…この場ではあなた達を見逃しましょう」

 トリスタンが出ていった先には国王軍が待ち構えていた。どうやら俺達の動きはバレていたようだ。

「こりゃ~さっさと王都を出た方が良いな。セルギウスさんを起こしてノルン達と合流だ」

 俺は傍にあるエールを一気に飲み干し、セルギウスさんが寝ている部屋へと戻った。


 
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