異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

文字の大きさ
303 / 359

第302話 イリスと仲良し作戦

しおりを挟む

 俺は幻術のダメージが大き過ぎて本当は逃げ出したかったけどまともに動けず、目の前に女神が二人座ると言うあり得ない状況に陥っていた。


「アタタ……身体がまだ痛い気がする」

「しばらくは我慢することね。傷は実際にはないことを意識しなさい。そうすれば早く痛みが引くはずだから」

「う~そう言うことか、所詮これはボクの思い込みみたいなもんだからな、早く忘れれば痛みも引くか……」
 でも、そんなに簡単に行くわけもなく、あれ程強烈なイメージをどうすりゃ忘れられるんだよ。


「イリス会いたかった~」
 ヘカテー様は再びイリスに抱き着く。

「ヘカテー久し振りね。そろそろ帰った方がいいんじゃないかしら」
 イリスさん、ヘカテー様今来たばかりですけど?

「いやーん!冷たい~!流石はクールビューティーイリスちゃんね!」
 こっちは冥界の管理者なのにポジティブ、暗い感じとか全くしないけど、ホントこの人誰なんだよ!

「はぁ~言うだけ無駄ね。タクトを使って私の領域に入って来るなんて考えたわね」

「んふふ、そうでしょ!この為に使徒にしたんだから役に立ってもらわないと、契約による縁の繋がりを利用した逆召喚よ!面白いでしょ」

「えぇ悪くないわ。でも…私の領域に許可なく入ることは女神であっても許されることではなくてよ」

 ひぃ~!?何だこりゃ~!
 イリスから恐ろしく濃縮された魔力を感じる。

「うふっ…惚れ惚れしちゃう。あ~イリス、あなたを私の物にしたいわ~」

 こっちはマイペースと言うか自己中と言うか、このままだとイリスがヘカテー様とケンカすることに!?

 マズイ!マズイ!この二人がケンカしたら国とか普通に滅ぶぞ!なんとしても止めねば!


「あー、あー、ちゅうも~く!」
 俺は出来るだけ大声で二人の意識をこちらに向けさせる。

 この後どうする!現状ケンカになりかかっているが、実際怒っているのはイリスだけ、つまりイリスの機嫌さえ取れればこのケンカを止められる。

 いつもなら高級な紅茶でも出せば九割方は機嫌を持ち直すが今回は難しいだろう。ならば!

「お二人共!久し振りの再会を祝ってこれでもどうでしょうか!」

 俺はドンッと瓶を机に置いた。そして即座に栓を抜く。するとフルーティーな香りが周りを包み込む。俺が開けたのは白ワインでアロマティックワインと言われる香りを楽しみ癒される飲み物、今この時この香りはイリスの鼻腔をくすぐり徐々に凝り固まった顔をほぐしていく、フッフッフッ、イリスの顔はすでに怒りの顔から無表情を飛び越え笑顔に変わろうとしていた。


「ササッ、イリス飲もう飲もう!」
 俺は手早くイリスにグラスを渡しワインを注ぐ。ここまでこればイリスの手は自然と動きワインは口の中へと、へっへっへ!勝ったな!

 イリスは一口飲んで頬を綻ばされる。
 あは~ん……チャ~ス!

 俺はササササッとヘカテー様の横に行き耳打ちをする。

「ヘカテー様チャンスで御座います。イリスをご覧下さい。ご機嫌で御座いますよ。これはチャンスです!ここで一気に距離を詰めてしまいましょう」

「えぇぇーーどうすれば良いのかしら?イリスと仲良くなるにはどうすれば良いの!」

 ヘカテー様はすがるように俺に助けを求めてきた。フッ、もちろんそれを断るなんてことはしない。これはオレにとってもチャンスなのだ!選択を誤るな!


「お任せ下さいヘカテー様、ボクの言う通りにすれば全て上手くいきます。良いですか?耳の穴をかっぽじってよ~く聞くように!」

 ヘカテー様は必死に耳をほじる。
 いや、本当にやらなくても、言葉のチョイスを間違いたと思いつつも、美人が必死になっている姿は少し笑えた。

「ヘカテー様、イリスは基本的にオシャレな物が好きです!あの見た目で意外かと思うかもしれませんが骨董品が好きで綺麗な物も好きですが渋いのいけると言うなかなかの感性の持ち主、何か良いものはお持ちてはありませんでしょうか」

「うっ…う~ん、そう言われてもな~、一体どんな物が良いのかさっぱりじゃ」

 う~ん…う~ん…と頭を悩ませるヘカテー様、こう言う人は考え過ぎた結果何も出ないタイプだな。仕事でもいたな~頑張りが報われない人。


「仕方ありませんね!ここはボクが人肌脱ぎましょう!ボクは準備してまいりますので、ヘカテー様はイリスのお相手をお願い致します」

「え!?良いの~、私がイリスとお話して」
 いやんいやんっとブリっ子風に身体をクネクネさせながら喜びを表現するヘカテー様、可愛いとは思うけど、さっき殺されかけたので白けた目でしか見られなくなっていた。

「はい!でもその前にアドバイスさせて下さい!イリス様は意外とお喋りなんです。だから出来るだけ話を聞いてあげて下さい。そして適度に相槌を入れ、相手の立場に立って気持ちに寄り添う。あと適度に質問を入れるのも良いでしょう。これを守ればヘカテー様の好感度はアップ間違いなし!そして最後にはヘカテー様からのプレゼント、これで相思相愛間違いなし!」

 それを聞いたヘカテー様は、「ハァーー」っと天に召されるように感激されていた。

 フッ…チョロい。
 しかし油断は出来ない。一つのミスが死に直結するこの方は安心が全く出来ない。ここは慎重かつ大胆に行わなければならない。
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

処理中です...