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第317話 カ◯リーメ◯トにかぶりつく
しおりを挟む◆タクトの視点
「父さん!?」
「タクト…なんでこんなところにいるんだい?」
「とうさ~ん」
父さんは思っていたより元気そうで良かった。でもあっけらかんとし過ぎでは?父さんって意外とこう言う抜けているところがあるんだよな。ちょっと力が抜けた。
「父さん~心配させないでよ~」
「ん?……あ!もしかして遅れてしまったのかな?」
「父さん大遅刻だよ。お屋敷だったらクビになってるね」
「本当かい!?うぅ~なんてことだ!次の働き先考えないと……」
「父さ~ん今はボケとかいいから」
「スマンスマン冗談だよ。そうかそんなに時間が経ってしまったか、心配かけてすまなかった。ここに居るとどうも時間の感覚がなくなってしまって気が付かなかったよ」
確かにこの場所は普通の場所ではない。居るだけで体力、精神力共に削り取られているのが分かる。あまり長く居るとおかしくなってしまうかもしれない。
「あれ?そう言えば父さん達襲われてるって聞いて急いで来たけど大丈夫だったの?」
「あぁ、大丈夫だったよ。しかしアイリスが術にハマってどこかに行ってしまったから心配していていたんだけど、流石はタクト助けてくれたんだな。エライぞ」
「あ、どうも……じゃなくって!かなり強敵って聞いたけど、もしかしてもう倒したの!?」
俺がびっくりしていると父さんの後ろから喋りかけられる。
「あなたのお父さんには本当に驚かされました。あとあそこでモリモリとドッグフードを食べている犬にも……」
腕を組んでため息をしながらキョウカがやって来る。こちらも怪我はしていなさそうだ。良かった。
「お疲れさん。なんかだいぶお疲れだなキョウカ」
「えぇ疲れたわ。驚き疲れたんだけどね。ブラックさんとニキ……何者なのよ。強すぎるわよ」
あーそう言うことか、つまり元勇者のアンデットパーティーは父さん達があっさり倒したわけね。
◆少し時は遡り、キョウカの視点
いけない!?アイリスちゃんが攻撃を受けている。助けに入ろうかと思ったらモンクの男に阻まれる。拳を振り上げながら接近、私は周りに結界を張りモンクの鋭い拳を受け止めた。
くっ!重い……
かなりの速度で接近され、結界に魔力を込める余裕がなかった。結界にヒビが入り衝撃が伝わる。
「やってくれたわね!『ボムショット』」
結界のヒビから小さな魔力球を放つとすぐに結界を修復しする。魔力球は小爆発モンクの男は腕をクロスさせ防御するも衝撃までは受けきれず後方に吹き飛ぶ。
このまま追撃したいけど………私は足を止めた。
いつの間にか私の側面に魔導師の女が控えている。隙は見せられない。
アイリスちゃんは心配だけど、今はこの戦いに集中しないと、そう思った瞬間、轟音と共に衝撃波が飛んて来た。
衝撃波の原因を見ると地面が大きく陥没している。
そこから這い上がって来たのは小さなワンちゃんだった。
「ニキ?」私は無意識に声をかけた。
「ん?おう!キョウカなのだ、こっちは終わった。手伝うのだ?」
可愛く後ろ足で頭をかきながらニキは声をかけるが私の頭にはその言葉が届いていなかった。
何なのよこれ……
陥没した地面の中央には戦士の男が何か強い力に押し潰れて倒れていた。私の見立てではかなりの強者だと思っていたんだけど。
このニキって言う犬、喋るから普通ではないと思っていたけど、こんなに強かったの!?
「おーい!聞いてるのか?アイツら来るぞ~なのだ」
もう!考えさせてよ!
モンクの男が走って来る。
『フィジカルブースト』
魔導師の女がモンクの男に強化魔法をかけ一段と加速、それに力も上がっている。さっき程度の結界魔法では砕かれる。ここは迎え撃つしかない!
『のだーー!』
「はぁ!?」
カワイイ掛け声と共に弾丸のように飛んで行ったニキがモンクの男に激突、腹部を貫通して男は腹から折れ曲がり倒れ動かなくなる。
「うそでしょ!一撃!?」
私は驚き過ぎて見入ってしまった。見ると魔術師の女も同じように驚き固まっていた。あ、え~っと、チャンスだよね。
『ライトニングアロー』
『アイスランス』
私は最速の雷魔法で攻撃、魔術師の女が痺れて動けなくなった所に氷魔法で追撃し魔術師の女は沈黙した。
「キョウカ良い感じだったのだ!」
「えぇ、ありがとうニキ」
ニキは前足を上げてカワイイ肉球を見せながら労いの言葉をかけてくれた。さっきのことがなければ抱き上げてよしよし撫で回していたけど、頭が追いついていない。
「キョウカ大丈夫か?ぼーっとしているけど、疲れたなら休んだ方が良いぞなのだ」
「え!?えぇ、気遣ってくれてありがとうニキ、確かに少し疲れたわね。出来れば少し休みたいかも」
「うんうん!無理はダメなのだ!タクトがよく言ってる。疲れた時は休むのが大事なのだ。あっちが終わったら休むのだ~。アイリスのことは心配しなくていい。俺が連れて来るからキョウカとブラックは休んでいるのだ。
なにこの犬!?すごく気遣ってくれるんだけど!本当に犬なの、すごく飼いたいんだけど。
「なんて考えてる場合じゃないわ!ブラックさんを助けないと!」
ブラックさんが相手にしている大剣使いの男、間違いなく四人の中で飛び抜けて強い。
私はニキと一緒にブラックさんの下へ向かう。
…………▽
「お…のれ………」
…………うっそーーー!?
大剣使いの男は剣を持った片腕を切り飛ばされ片膝をついていた。どう見てもブラックさんが圧倒している。
「ブラック~手伝った方が良いのだ?」
「やぁ!ニキお疲れ、大丈夫だよ。遅くなってごめん。今片付けるから待ってて」
ややほのぼのとした会話され、私は何も言えなかった。ブラックさんは腕から影のような物を出すと、その影は大鎌に変わる。
「ナメるな!ただではやられん」
男は片腕と大剣を失っても諦めてはいなかった。私の魔眼は身体に流れる魔力を視ることが出来る。男は魔力を暴走させ増大、その魔力を心臓に集中させていた。
「ブラックさん逃げてください!そいつは自爆するつもりです!」
凄まじい魔力が集まっている。ここら一帯が吹き飛ぶ!?
「死にゆく刃……『デスサイズ』」
ブラックさんはスーッと流れるように大鎌を振る。
「ドジッ」と鈍い音がした。そして男の頭が地面に転がる。ブラックさんが大鎌で切り落としたんだ。なんて冷静な判断、頭を切り落とし意識を断てば自爆は出来ないからってあんなにあっさりと……殺すことに迷いがない。私とは実戦経験が桁違いなのね。
「ごめ~んお待たせ!」
「気にするな!それよりお腹が空いたのだ」
「ニキこれしかないけど良いか?」
「良いのだ!それボソボソするけど好きなのだ!」
何事もなかったように死闘を終え、何事なかったようにカ◯リーメ◯トにかぶりつく一人と一匹。
「キョウカさんもどうぞ。アイリスを追いかけたいから食べながら行こうか」
何なのよ!この人達、普通じゃなさ過ぎでしょ!
私は動揺している姿が見られたくなくって、私も何事もなかったように振る舞いカ◯リーメ◯トにかぶりついた。
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