異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第385話 攻撃を寄せ付けない強さ

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◆聖女メリダの視点

「化物ですね。………これがバエルの正体」
 バエルの糸が集まり巨大な蜘蛛に変化した。
 蜘蛛は黒く鋭い二本の角を生やし、真っ黒な瞳がギョロギョロと動く、しかも目は身体中についており気味が悪い。

「ブラックさん、ミルキーさん」
 思わず二人を呼んでしまう。

 その声が聞こえたブラックさんはミルキーさんに声をかけて一度距離を取り私の横に移動した。


「お二人ともお怪我は?」

「聖女様問題ありません」
「怪我はしていませんよ」

 あれだけの闘いをして、どうやら二人は怪我はしていないようだった。この二人の強さが凄いことがよく分かる。

「お二人ともありがとうございます。ここからはまた私も闘いに加わります。援護をお願いします」

 私はバエル(巨大化した蜘蛛)に向おうすると、ブラックさんが手で制止し私を止めた。

「お待ちください聖女様」
「どうされたのです?ブラックさん」
「すいませんが、まずは私達で対処させて頂けないでしょうか?」
「なぜです?ブラックさん、三人で闘うのではいけないのでしょうか?それとも私が足手まといと……」
「いやいやいや、そのようなことは決してありません。聖女様には他にお願いしたいことがあります」
「私に……ですか?どのようなことでしょう」
「はい、聖女様にお願いしたいこと、それはバエルの消滅です。悪魔は聖魔法、光魔法に弱いことは当然ご存知だと思います。私のスキルなら倒せるかもしれませんが確実ではありません。ここは聖女様の力が必要なのです」
「それは分かります。ですがなぜ私が闘ってはいけないのでしょうか?」
「相手が強いからです。バエルほどの大物は聖魔法であっても倒すに至らない可能性があります。もしもダメージを負って危機感を持たれ逃げられては面倒です。ですから聖女様にお願いしたいのは一撃でバエルを死に至らしめる強力な聖魔法、お願い出来ますか?」
「ブラックさんが言われることは理解出来ました。それではブラックさん達は………」
「止めます!聖女様の攻撃が外れないように完全に動きを止めます。ですので聖女様お願いします」
「分かりました。任せて頂いた好機……絶対に不意にはしません。ブラックさん、ミルキーさん宜しくお願いします」

 お二人は私に向かって軽く会釈し、その後示し合わせたように二人はそれぞれバエルの側面を弧を描くように走って行った。

 二人とも速い、あれほどの速さならそうは簡単には捉えられないはず。

 「ギロッ」……ねっとりと全身を見られたような不快な視線、バエルの全身にある複眼が私達三人を見ている。あれだけの数の目を上手く扱えるものかは分かりませんが、これだけ警戒されていては手が出せません。

 そんな私の心配をよそに二人は攻撃を仕掛ける。
 ミルキーさんは闘気(オーラ)を右腕に集め一メートルほどのオーラブレードを生成し向かう。バエルは足を一本ミルキーさんに向けると蜘蛛の巣の形にして飛ばした。ミルキーさんはそれをオーラブレードで斬り裂く。すると糸は即座に再生しミルキーさんを包むように囲む、そして糸が赤く光だし爆発する。

「ミルキーさん!?」
 私は爆発を受けたミルキーさんを助けるために足を踏み出そうとしたが、その爆煙を裂いてミルキーさんは何ごともなく出て来る。

 ………ほぉ、ミルキーさん無事でしたか。
 見た目からは考えられない頑丈さです。良かった。

 ブラックさんはどうでしょうか?
 私は視線をブラックさんに向ける。

 ブラックさんもミルキーさんと同じように蜘蛛の糸で攻撃をされていた。でも蜘蛛の糸はブラックさんの手前で細切れになって落ちる。

 あれは……ブラックさんの周りに風が渦巻いている。
 次々と飛んで来る蜘蛛の糸を全く寄せ付けない。

 ミルキーさんも最初の攻撃以外は全て躱しながら進んでいる。………この二人、全くバエルの攻撃を寄せ付けない。イリス教の聖騎士団でもこれほどの実力者が居たでしょうか?お二人とはあまりお話が出来ていませんでしたから知りませんでしたが、片田舎で暮らしていた夫婦がなんと言う強さなんでしょう。
 
 でもこの二人なら必ずバエルを弱らせ動きを止めれると確信出来る。そうであれば私がやるべきことをやりましょう。

 バエル今度こそ決着をつけましょう。
 私は歌を歌う。天へと届く聖なる歌を……
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