異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第398話 変異するボルジア②

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「アトラス…もしも君がそうだとしたら、君は何がしたい。この国を手に入れ王になりたいのか?」

「バロン……さっきも言ったけど、ボクはそんなことどうでもいいんだ。君達が思うようなことは求めていない。だからあまり邪魔しないでほしい」

「まだ分からないことが多過ぎる。悪いが今の君を見ていると、とても野放しにして良いとは思えないんだ。君が話をしてくれたら手を出さないとは約束出来ないけど、話を聞いてはあげられるし、内容によっては協力してあげられることもあるかもしれない。だから話を聞かせてほしい」

 バロンは決して騙そうとしたり、油断させようとして話を聞こうとはしていなかった。今はただこの状況を作ってしまった原因を真実を知りたかった。知ればきっと解決の糸口が掴める。そう思えた。しかし話はそう上手くは進まなかった。

「う~ん…いやかな。どうせ話したところでアレはそうそう簡単には止められないだろうし、それにさ!バロンに聞いてもらっても、分析されているみたいで気分が悪いもん!だから教えてあ~げない」




◆謁見の間、タクトの視点

「エメリア?おい!マジで寝てる?いや!本当にそれは勘弁なんだけど」

 エメリアはタクトの胸に顔をスリスリさせながら目を瞑った。どうやって起こそうかとタクトが悩んでいると、いつになく強烈なローム先生の蹴りがタクトの頬に突き刺さる。


「甘やかすんじゃないのじゃ~!」

「うごぇ~…………先生何するんですか?絆創膏(ばんそうこう)貼ろっと」

「タクト!お前は甘い!甘いのじゃ!エメリアをバシッと叱らんか!バシッと!」

「えーエメリアは子供だよ。それは仕方ないことで……ムムッ!もしかして、先生妬いてるんですか~もう!そうならそうも言ってくれれば~、優しくしますよせんせい………あ!すいません調子に乗りました」

 頭上に大きな岩が浮かんでいる。少しからかったつもりが、えらいことに、これは死ぬ!?

「ふん!冗談じゃ!エメリアなんぞを相手になどせんわ!」

「そうですよ!エメリアなんて相手になりません。ボクの中では先生が一番ですから」

「はわわわわ!!」

「冗談ですよ!……うわぁぁ!?」
 岩が落ちてきた!?いかん!ついつい口が滑って先生をまたからかってしまった。

「おのれ!タクト~先生で遊ぶとは何ごとだ~!」
 ローム先生がお怒りになってしまったぞ。
 このままだと冗談が冗談じゃなくなる。
 なんとかして意識を別の方に向けよう。

 ……………なんも思いつきませーん…………「ゴチン」




「バカをやっている場合か!真面目に戦わんか!」

「ううっ……先生それなら落とさないでくださいよ。
頭が割れるかと思いましたよ」

 俺は痛みで頭をさする。そこそこ大きな岩を落とされた。ま~一応先生の気が済んだようで良かった。

 
「ん~それにしても意外だったよ。僕達のことなんてお構えなしで攻撃してくると思っていたんだけど」

 
「……………ん、あ……お前達などに興味はない。さっさと死んでほしいものだ」

 俺達がアホなことをやっている間に何も仕掛けなかったボルジア、おかしい気がした。どう考えてもさっき攻撃していれば楽に倒せると思うはずなの、それに様子もおかしい。ぼーっとしているようだったし、もう一つ気になるのは感情の起伏、激しく怒ったかと思ったら冷静になったり、さっきみたいに気が抜けたような脱力状態、何か嫌な予感がする。


「お前達、次こそは殺してやろう」
 ボルジアの腕が二メートルくらい伸びて、更に5本の指が伸び、それぞれウネウネと動く。正直見た目は相当気持ちが悪い。だいぶ化け物じみてきやがった。

 指はうねりながら俺達を襲う。動きが不規則で読みにくかったが、速さ的にはなんとか躱せていたが、指先から魔力の気配を感じる。

 何をするつもりか知らないが、出る杭は打っておこう!

 俺は指を躱しながらニッパーで指を切断するが、すぐに再生し生え代わり攻撃して来た。俺はニッパーからナイフに武器を切り変えて攻撃、指を切断した。

 指の切断面から徐々に腐食が進行していく。ナイフのスキル空間加速の効果がしっかりと現れていた。

 ナイフの攻撃を嫌がったボルジアは自ら腐食が進行した指先を切り落とした。

 俺は攻撃を緩めた隙を狙いヘルメットによる空間加速で接近しながらナイフを投げる。

 ボルジアの胸にブスリとナイフが刺さった。
 刺さった場所が黒ずみ腐って行く。

 心臓のあたりに当たった。これで倒せる。………そう普通なら誰しもが思ったはずなのだが!そうはいかなかった。

「グチャ……グチグチ……クチャ……クチャ………グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ」

「おい…ウソだろ!流石にそれは想定外だぞ!」

 ボルジアの両腕が気持ち悪い音を出しながら大きく膨らむ。二メートル程の大きさの肉の塊を裂いて現れたのはボルジア、しかも両腕から生み出され二人に増えた。さっきまでボルジアだったものはシワくちゃに
老化し風船のように萎んで動かなくなった。

 なにがなんだか頭がついていけない。
 こいつはどうやったら倒れるんだ!
 これは本格的に困ったことになったぞ!
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