異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

文字の大きさ
437 / 444

第436話 濃厚な死の気配


 アトラスの様子が変わり大きな黒い拳がこちらに接近する。それを空間障壁で受け止めたのだが……

「なぁ!?」
「え!?」

 黒い拳は空間障壁をあっさりと打ち破る。

「アカン!はぁ~ふぅーー!」
 カンナは息を浅く吸い息を俺に向かって吹いた。

「カンナおまえ!?」
 俺はカンナの息に吹き飛ばされ離れていく。そして黒い拳がカンナを殴り飛ばした。

「カンナーーー!」
 攻撃を受けたカンナは飛ばされ地面に激突、勢いよく転がり動きを止めた。こんな高い位置から落ちただけでもただではすまないのに殴り落とされた。くそ~カンナ……生きていてくれ!今行く。

 俺は空間障壁を足場にカンナが落ちた場所へ向かって飛ぶ。しかしそれを阻む者が現れた。

「くそー!退け!殺すぞ」
 俺は焦りと怒りで見えていなかったが、この時アトラスの姿は大きく変貌していた。肌が褐色に変わり白い翼は小さくなり、かわりに黒い翼は3倍の大きさになっていた。


「余に向かって申す言葉とは思えぬ。死は嫌いではないが、自分ではなく。人に向けるものだな」

 初めに思ったのは誰だ。
 喋り方も声も違う。
 そしてアトラスにはなかった濃厚な死の気配。
 死の商人が放つものと同じ。
 完全に別物に変わった。

「あんた誰だか知らないが退いてくれないか、早くカンナのところに行きたいんだ」

「うーん、さっき飛ばした彼女か、恐らく死んでいる放っておきなさい。それよりも……」

「うっせぇ!退け」
 俺は構わず、そいつをハンマー(空間衝撃)で殴る。

「話は最後まで聞くものだぞ。若者よ」
 ハンマー(空間衝撃)はあっさりと黒い翼で受け止められた。焦りで大雑把な攻撃ではあったが、こうもあっさりと受け止められるとは、俺はその危険性を感じ、徐々に頭が冷静になっていく。

「やるな。あんた、それでアトラスはどうした」
「アトラス少年か、少し眠ってもらっておる。余と同じようにな。もう起きることはないかもしれぬが」
 口元がほんの少し上がり笑う少年
「そうか、それであんた誰だ!」
「おぉ、すまない。名を名乗っておらんかったな。余はパイモン…悪魔である」

「なん…だと!?」俺は驚く。
 パイモン……ゴエティア九王の一人、アトラスが取り込んだはずなのに、さっき攻撃した白い翼が影響して、アトラスから主人格がパイモンに入れ替わったのか。

 
「どうした?そのように驚いて、余を知っておるのか?」
「あ!失礼……えーあなたは有名人ですよ。その名前はよく聞いています」
「そうであったか、それは嬉しく思う。それでそちは余の敵であるか」
「さ~どうでしょうか、それよりも退いて頂けます?」
「うむ、それは出来ぬな」
「なんでですか、あなたそんなに不都合ではないでしょう」
「そちの言う通り不都合はない。しかしな、そちの顔を見ておるとゾクゾクするのだ。あの少女が心配であろう。こうしている間にも死へと向かっておるかもしれぬからな。余はそのような者を見ると喜びを感じるのだ。だから通せないのだ。すまんな」
「あんた謝る気ないだろう。はぁ~それならいい、今度こそ力尽くで通らせて貰う」
 
 まずはプラスドライバーでビスを連射し、相手のでかたを見つつ、一つでも当たり動きを止めたら、その大きく黒い翼をニッパーで切断してやる。そうすればアトラスの意識が戻るはず。

 俺はビスをパイモンに向けて飛ばした。
 パイモンはそれに対して手を前にかざし何かを唱える。

 何をやったか分からなかった。 
 パイモンの手のひらに小さな炎が灯ったと思ったら、ビスが空中でゆっくりと停止する。

 俺は未知の攻撃ゆえに動けずにいた。
 
「どうした。もう良いのか?それとも余の力に恐れを抱いたのか?分からぬとは怖かろう……」
   
 やや支離滅裂な言葉の中に、相手を畏怖させ楽しもうとしていることが読み取れる。徐々にパイモンの性質、恐ろしさを感じていた。

「そ~れ、受け取りなさい」
 手のひらに灯していた炎をそっとこちらに向けて飛ばす。動きは速くない。十分に躱せるし、仮に受けても大した怪我にはならない攻撃なのに、それなのに先程の現象が頭をよぎる。

 受けるのは危険だな。
 俺は躱して距離をおくことにする。

 しかし、すでに俺は何らかの力を受けていた。

 遅い……下がろうと飛んだにも関わらず。その動きは非常に遅く、炎が徐々に近づいてくる。それも近づけば近づくほど動きが遅くなる。これは呪い……もしくは時魔法!?

 ヤバい!?当たる!
 炎は遅くなった俺の身体に当たり、ジューっと音を立て服に焦げ跡をつけて消えた。

「くっ……これは……」
 身体がほとんど動かない。

 動けなくなった俺にゆっくりとパイモンが迫る。
 大きく黒い翼を高らかに伸ばし、それを硬質化刃のように変化させ、それを振り下ろす。
感想 1

あなたにおすすめの小説

神様の手違いで異世界転生した俺の魅了チートが、勇者のハーレムを根こそぎ奪って溺愛ハーレム作りました!

まさき
恋愛
ブラック企業で働き続けた俺、佐藤誠が過労で倒れ、気づけば異界の地。 「手違いで死なせちゃってごめん!」という神様から、お詫びに貰ったのは規格外の【魅了】スキル——。 だが、元社畜の俺にはその自覚が微塵もない! ​ただ誠実に、普通に生きようとしているだけなのに、エルフの賢者、獣人の少女、最強の聖女、さらには魔王の娘までもが、俺の「社畜仕込みの優しさ」に絆されて居座り始める。 ​一方で、10年かけて仲間を集めたはずの「勇者・勝利」は、自身の傲慢さゆえに、誠へとなびく仲間たちを一人、また一人と失っていく。 「俺は勇者だぞ! なぜ手違い転生者に負けるんだあああ!?」 ​人界から天界、そして宇宙の創造へ——。 無自覚な誠実さで世界を塗り替えてしまう、元社畜の究極溺愛ハーレムファンタジー、ここに開幕!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
ファンタジー
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していました。本作は全面改稿したものになります。(初稿2018年。全面改稿2024年5月) ※表紙はAIにより作成したものです。 ※小説内容にはAI不使用です。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」「カクヨム」様にも掲載しております。

異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。

真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆ 【あらすじ】 どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。 神様は言った。 「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」 現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。 神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。 それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。 あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。 そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。 そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。 ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。 この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。 さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。 そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。 チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。 しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。 もちろん、攻略スキルを使って。 もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。 下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。 これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。 【他サイトでの掲載状況】 本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。