30 / 46
第2章 骸帝編
第29話 謎の少年vsシーカー! 反応する刻印の正体⁉︎
しおりを挟むやる気がシーカーに疑問を抱くSyo。
「やけにやる気があるじゃないかシーカー?」
「あぁ、この刻印が反応したんだ……あの深海の時と同じ……その時と同じく刻印が反応するって事はコイツには何かあるはずだ……」
「それで戦うって訳か……」
青年は刺さったモリを抜き取り、それを持って戦いの構えを取る。
シーカーも刀を出し、戦いの構えを取る。
「シーカー、君の力、僕に見せてくれ‼︎」
「ふん⁉︎言われなくて分かってらぁ‼︎初っ端から全力で行かせてもらう‼︎はぁぁぁぁぁぁ‼︎」
身体全体に力を込めると、背中から炎の絵が浮かび上がり、手の甲からは炎の文字が浮かび上がった。そして身体全体から炎のような暑く赤いオーラを纏い、刀も炎を纏った。
それを見て、青年は軽く馬鹿にしたように拍手する。
「何がおかしい⁉︎」
「やっぱり目の前で見る炎の刻印はすごい……あの時は発動しなかったからね」
「あの時?……まさか、お前……」
シーカーにも見覚えはあった。あの深海での刻印の反応だった。巨大生物に何とかつけたGPSつきのモリを破壊した正体は、まさか今目の前にいる青年なのか?シーカーは疑問に思う中、青年は更に挑発してくる。
「それが僕だとしたら?」
「……断然やる気が湧いてきた‼︎うおぉぉぉぉぉぉ‼︎」
シーカーはオーラを一気に噴出させて、刀を振り上げ、青年へと猛スピードで飛びかかり、強烈な一撃を食らわした。大地に大きく音が響き、周りの砂も跳ね上がった。
だが青年はモリを横に持ち、持ち手の部分で炎を纏った刀の攻撃を受け止めた。徐々に力を増すシーカーに対し、青年もかなり力強く耐えている。
「やはり炎の刻印……予想以上のパワーだ……」
「どう致しまして‼︎お前にこのパワーを耐え切れるかな‼︎」
そう言うとシーカーは力を更に入れ、お互いに今の態勢を維持したまま、シーカーはゆっくりと前に押し始めた。
「この状況を維持したらお前のモリが壊れちまってそのまま真っ二つになっちまうぜ‼︎」
「……なら、そうなる前に僕が仕掛けるまでさ‼︎」
モリで攻撃を抑えていた青年は少しずつ、シーカーの刀を押し始め、そして軽く刀を跳ね返しシーカーが怯んだ瞬間、モリを素早く横に大きく振った。
「隙だらけだよ‼︎」
「ぐっ……‼︎」
横に振ったモリは、シーカーの服に切れ目が入れたが、シーカー自身には傷はなかった。シーカーは後ろに後退をしようと軽くジャンプし、地面に着地する寸前に突如青年はモリを大きく振りかぶってシーカーに投げた。
「何⁉︎」
直線的にシーカーを狙い、真っ直ぐとミサイルのように飛んでくるモリ。地面に着地してないシーカーは動く事なんて出来ず、防御するしか出来ない。シーカーはそんな早いモリに咄嗟に浮かんだ策は、飛んでくるモリを刀で弾き飛ばした。
だが、その反動でシーカーも吹き飛んでしまった。シーカーは上手いこと宙返りし、地面に膝をついて着地した。
「危なかった……⁉︎」
顔を上げると、拳を構えた青年が目の前に迫って来た。モリの攻撃に気を取られていたシーカーが避けるには遅く、そのまま拳を顎に激しくアッパーを喰らい、数mも吹き飛び、地面に背中から倒れた。あまりの痛みにシーカーは喉元を抑えて悶えている。
「ぐはっ……‼︎」
そして青年はシーカーに弾き飛ばれ、宙を舞っているモリをジャンプで取り、そのまま真下で倒れて苦しみ悶えているシーカー目掛けてモリを刺そうと、一直線に下降した。
シーカーには太陽の影で黒くなって表情は見えない筈だが、悪魔のような笑顔が十分に見えた。
「はぁっ‼︎」
「くっ……‼︎」
そして青年がシーカーに下降した勢いと力でモリを刺した。地面に大きく音が響き、Syoは目を逸らした。
「あ、あぁ……」
チラリとシーカーを見ると、青年がシーカーにのし掛かり、シーカーは必死に攻撃を顔寸前でモリの先端を握りしめていた。だが、お互いに手が震えて、いつモリが壊れるか分からない状況だ。
「くっ……‼︎」
「結構耐えるシーカー‼︎」
「へへっ……俺は耐える方だが、このモリはどうかなぁ‼︎はあっ‼︎」
シーカーは手を思いっきり捻り、モリの先端の刃部分をもぎ取り、顔を横に傾けた。シーカーを刺そうと力を入れていたのだが、抑えていたシーカーが刃をもぎ取り、抑える力がなくなった。そのまま棒は地面に深く刺さった。
「ぬっ⁉︎」
「はっ‼︎」
シーカーはもぎ取った刃部分をのしかかっている青年に投げつけた。
「ちっ‼︎」
青年の頰を擦り、それに怯んだ隙に青年を殴り飛ばした。殴った衝撃でしっかり掴んでいた棒も抜け、そのまま尻餅を着いた。
そしてシーカーは仰向けに倒れている状態から体を丸くし、両手で地面を押して宙返りし、綺麗に着地した。そしてすぐさま大きな炎のオーラを纏った右手を真っ直ぐと青年が倒れた場所に差し出した。
「獄炎‼︎‼︎」
背中の炎の文字が濃く浮かび上がるも同時に、手から巨大な渦城の炎を吐き出し、起き上がった青年を炎が覆い隠し、大爆発を起こした。
「うわぁぁぁ‼︎」
Syoは爆風に海の方向へと高く吹き飛ばされた。
ホームで遊んでいたアルとウェルズも爆風で家の窓ガラスが割れ、棚やテレビが倒れてお互いにビクビクしながら抱き合った。
「あわわわ……‼︎な、何が起きたの⁉︎」
アルが恐る恐る外を覗くと、海の上でSyoは気絶して浮いていて、赤いオーラに包まれたシーカーが手を突き出して、そしてその先が砂煙と黒煙が混ざった煙が舞っていた。
「……何……これ?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる