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第24話 累と結の仲直り
しおりを挟む隠し通路を抜けると、特に騒ぎになってる様子は無かった。
結はやはり紫音の様子が気になり、そんな結に気付いていたけれど累は脚を止める事無く全力で鯉屋を離れた。
そのまま大店の裏道を抜けて、累の引いた水路に沿って鉢の方へ向かってしばらく走ると見慣れた姿が見えてきた。
「神威!」
「お、早かったな」
累達と違い、素振りをする余裕で神威は手を振った。
これで大丈夫だ、と累はほっと一息吐いて結を降ろす。しかし神威が誰だか分かっていない結は不安そうに累の背に隠れた。
「こいつは破魔屋の神威。依都に惚れてるアブない男だ」
「テメェ。捨ててくぞ」
ははっと累は声を上げて笑った。
そんな軽口に結も笑顔になり、その笑顔に累は安心してまた笑い返した。
「んじゃ行くか。悪いが目は隠させてもらうぞ」
「目隠し?な、何で?何のために?」
急に取り出された黒い革ベルトに結はびくりと震えて累にしがみ付いた。
「結、大丈夫だ。破魔屋は鯉屋ですら場所を把握してない特別な場所なんだ。知られないために行く時はこうして目を隠す」
「そう、なの……そっか……」
「大丈夫だ。おんぶしてやるから、しっかり掴まってるんだぞ」
「うん……」
累はそうっと結に目隠しをすると再び結を背に乗せた。
俺の目隠ししてくれと神威に頼むと、神威は呆れ顔で溜め息を吐いた。
「お前、いい年して過保護すぎじゃねえ?」
「お前、いい年して依都好きすぎじゃねえ?」
「あ?」
「あ?」
何だよ、と累と神威はからかい合った。
そんな平和なやりとりにクスッと笑みがこぼれ、結はきゅうっと累の首に回す手に力を込めた。
「荷物貸せよ。それじゃあ累が重いだろ」
「あ、う、うん。有難う」
「なるべく簡単な道行くけど気を付けろよ」
「何を気を付けたらいいんだそれは」
「石とか木の根とか。ゆっくり歩けって事だ。おんぶされるなら顔に色々ぶつかるだろうし、下向いとけよ」
「う、うん。有難う」
神威は結はの背負っていた大きな風呂敷で作られた袋を預かってくれる。そして、そのまま神威は二人を連れて歩いた。
以前はぐるぐると歩かされたが、今日は結の事も考慮してかなだらかな一本道を進んでくれる。しかも樹々の匂いが濃く、自然に囲まれているような空気は気持ちが良かった。
「うわっ!」
「わああ!どうしたの!?」
「木の根っぽいのに捕まった。ごめんな、結。大丈夫か」
「うん。平気」
「おい。足元にデカい石があるから気を付けろ。一歩左に行け」
神威は結が落ちないように背中を支え、気を付けろよ、とゆっくりと進んでくれた。
何が起きているか分からない不安で、パキっと小枝を踏む音ですら結は怯えたような声を上げ、累は大丈夫大丈夫、と宥めてやっていた。
まるで子供の様に世話をされながら進むと、ふいに花の香りが漂って来た。
「良い香り。何の花?」
「名前なんて知らねえよ。黄色い花だ」
「えー、気になる」
「何だよ。余裕出て来たな」
「だって凄く気持ち良いし。水音するね」
「水があるんだよ。えーっと、どっちだったかな」
「何でお前が迷うんだよ」
うるせー、と言いながら神威は少し足を止めたが、こっちだこっち、と再び歩き出した。
だんだん足場が整ってきて、二段ほど階段を上ると舗装されているようだった。先ほどまでは砂利や土ばかりだったけれど、急にまっ平になったのだ。
「屋敷に着いたけどもうちょい頑張れ」
「ホントか!結、あとちょっとだからな!」
「うん!」
お前歩いてないのに何頑張るんだよ、と神威は笑った。
もう冗談を言って笑って大丈夫な場所まで来たんだと分かり安心したのか、結はほうっと息を吐いた。
周囲からは魚が泳ぐようなぱしゃぱしゃという水音がし、そよぐ風に乗り葉がこすれ合う音がする。まるで公園で昼寝をしてるようで、累は現世でできなかったピクニックをしてる気分になった。
「結。後で散歩しような」
「うん!」
「おい。まだだっつってんだろ。橋渡るからな。手すりが無いから俺に掴まれ。狭いからゆっくり歩けよ」
「掴まれないから掴まえててくれよ」
「もう降りろよお前」
結はそうだねと降りようとしたけれど、累はまだ降ろしたくなかった。
こうして何かしてやれる事が嬉しくて、何より自分の腕の中に結がいる安心感を手放したくなかったからだ。
結局そのまま神威に介護されながら進んで行くと、神威はようやく足を止めた。
「目隠し取っていいぞ」
この前より随分早く着いたのはやはり配慮だろうか、累は何だかんだ気を使ってくれる神威に頭を下げた。
そして累は結を降ろして目隠しを外してやると、結は眩しさに目が眩んだのかよろめいた。
涼やかな水の音に興味を惹かれて音のする方を見ると、そこには煌めく水面に朱塗りの社が立ち並んでいた。その美しい光景に、結はびくりと震えた。
「鯉屋!?」
何で、と結は転びそうになったけれど累はそれを抱きしめるように支えた。
ぎゅううっと強くしがみ付き震える結をよしよしと撫でて、大丈夫、と落ち着かせてやる。
「ここは破魔屋だ。鯉屋に似てるけど違うから大丈夫。大丈夫だからな」
そうなの、と不安そうにきょろきょろする結とそれをずっと抱きしめている累を無視して神威は歩き始めた。
「おい!さっさと来い!置いてくぞ!」
「あ、悪い。行くぞ、結」
「うん」
累は当然のように結をおんぶしようとしゃがみ、またかと神威は呆れたけれど、当然のようにおんぶされる結を見てもう何も言うまいと口を閉ざした。
池に点在する小島を細くて背の低い橋が繋いでいて、それを幾つか渡ると大きな屋敷が見えてきた。
神威は屋敷の正面ではなく、向かって右手にある小さな扉から中へ入る。
大きい屋敷のわりに中には人の気配が無く、賑やかな鯉屋しかしらない結は不思議そうに首を傾げた。
そのまま神威に付いて行くと、真っ黒な襖という奇妙な一室へ辿り着いた。
「俺の部屋だ。適当に座れ」
「襖黒って」
「俺の趣味じゃねえよ。旦那いるか見てくるからここで待っ」
神威は待ってろと言いかけたが、それを遮ってぐうううう、と大きな音が鳴った。
音の発生源は――
「わあああ!ごめんなさい!」
結の腹だった。
謝りながらもぐうぐうと鳴っていて、神威はまたも呆れていたが累は何故かぱあっと嬉しそうな顔をした。
「腹が減るくらい元気なんだな!よかったよかった!なあ、何か食い物無い?」
「累!いいよ!ごめんなさい!気にしないで!」
「いや、するって。けどお前ら現世の人間だもんな。ちょっと待ってろよ」
何かあったかな、と神威は部屋を出ていった。
恥ずかしい、と結は顔を真っ赤にして膝を抱えた。けれどそんな結の姿を見られるのが嬉しくて、累はいっぱい食おうな、と結をぎゅうぎゅうと抱きしめた。
二人がじゃれていると、神威はお膳を持って戻って来た。お膳には両手で持たなければならないであろう大きなおにぎりが五つとお味噌汁の入ったお椀が二つ並んでいる。
温かそうな湯気が立っていて、恥ずかしがっていた事も忘れて結はぴょんと飛びついた。
「ご飯だ!」
「鯉屋の飯あんま美味くねえからストレスだったろ。食え」
「わあ!有難う!」
うわあうわあ、とまるでご馳走でも並んだかのように結は喜んだ。
勢いよくかぶり付くと小さな頬をいっぱに膨らませて、にこにこと弾けんばかりの笑顔を見せる。
「美味しい!温かい!こんな美味しいのこっち来て初めて!」
「あんな豪華な屋敷にいて?あ!まさかいじめられてたのか!?」
「違うよ。鯉屋の人は現世の味の良し悪しなんて分からないんじゃないかな。でもこれは凄く美味しい!」
累はこちらに来てから、食材だけ鯉屋がくれるのでそれを自分で料理していた。
料理といっても、調理をしないこの世界では煮るか焼くくらいしかできず、街に調味料は塩しか無い。
現代に比べると質素な食事ではあるが、おにぎりと味噌汁くらいは作れていた。それが最低レベルといったところで、大店に行けばあれこれ色々あるので最終的には困った事は無い。
それをこんなに喜ぶなんて、これからは美味しい物食べさせてやろうと累は料理の研究を決意した。
よく食うなと神威も驚き、おにぎりと味噌汁のおかわりを与えてくれてさらに漬物も出してくれる。小さな体でばくばくと食べる姿が気に入ったのか、甘いモンも食え、と椿や桜といった花を象った美しい練りきりを並べてくれる。
今までの分を取り戻すかのようにもぐもぐと食べる結を、累は幸せいっぱいといった表情で満足そうに眺めていた。
「ご馳走様!美味しかった!」
「そりゃよかった。台所教えるから、飯は自分達で作れよ。働かざるもの食うべからずだ」
「分かりました!!」
先ほどまでとは考えられないほど元気になり、結はふふふ、と嬉しそうに笑って、累もにこにこと結を眺めている。
神威はもう何も突っ込まず、今度は奥の襖を開けて布団を取り出した。
「お前は少し横になれ。魂が弱ってる」
「魂?」
「錦鯉の水牢に入れられたんだろ?ありゃあ精神削られる」
「魂は精神なの?気持ちが沈めば削られるって事?」
「そうだよ。お前鯉屋で何やってたの」
「お店の経営の勉強」
「何だそりゃ。後でよりに金魚湯貰ってきてやっからとりあえず横になれ。動かない方が良い」
神威はてきぱきと布団を敷くと、ぽいっと結を布団に放り込んだ。
病気でもないのに自分だけ休ませてもらうのは悪い気がしたけれど、いざ横になると急に体が重くなり動くのが億劫になってしまった。
「旦那いるか見てくる。ここから出るなよ」
「あ、有難う!」
「ん」
寝てろよ、と釘を刺してから神威は部屋を出た。
文句を言うどころか食事をさせてくれて寝床の用意までしてくれて、結はほわぁ、とため息を吐いた。
「優しいね」
「何だかんだな。ほら、少し寝ろ」
累は肩まで掛けろよ、と布団をたっぷりと結にかけてやる。
ふかふかの布団はとても気持ち良くて、結は目の前で累が笑っている事に安堵した。けれどきゅっと唇を噛みしめ、つんっと累の指を引いて握りしめた。
弱々しい控えめな様子に、累はよしよしと頬を撫でてやる。
「どした?」
「……ごめんね」
「ん?何が?」
「僕が最初から累の言うこと聞いてれば……」
「俺は結のわがまま聞くのが生きがいだからいいんだよ」
結は申し訳なさでいっぱいだったが、累はにこにこと笑顔を絶やさない。
もっと困らせてくれていいんだぞと楽しそうな顔をする兄の顔を真っ直ぐ見る事ができず、結はもそりと布団にもぐった。
「……僕ね、跡取りになれて嬉しかったんだ」
「何言ってんだよ!何で!?」
「累は何処にいても人気者で何でもきて、でも僕は何もできない腫物なんだ。けど鯉屋は僕じゃなきゃ駄目だって言ってくれて……僕だって累に勝てる事があるんだって……思ったんだ……」
ぎゅっと布団を握りしめ、結はほとほとと涙を流した。
「結……」
「でも駄目だった。やっぱり僕は累がいなきゃ何もできないお荷物なんだ」
結は悲しそうに涙声を上ずらせ、んくっ、と泣くのをこらえた。
隠れようと布団の中でどんどん丸くなっていくけれど、累はふんっと布団を引っぺがして結に覆いかぶさるようにして抱きしめてやる。
「そんな事言ったら入院してた結より成績悪くて勉強教えてもらってた俺だってお荷物だ」
「そんな事無い!累は色んな事できるよ!」
「結だって小説書いて賞取ったり入院してる子供達のためにピアノ覚えたり、色んな事できるじゃないか。隣の芝生は青く見えるだけ。優劣じゃない」
それでも結は、でも、と悲しそうに目を伏せた。
結が病気で自由に動けない事をコンプレックスに思っていた事はそれなりに知っていたし、だからこそそんな事気にならないくらい楽しい毎日を過ごさせてやりたかった。
けれど結にとってはそれすらも、過剰に尽くしてもらわないと『普通』ではいられないという事実を突きつけられて苦しくもあった。
だが累は気を使って結をしょい込んでるつもりなど毛頭なく、毎日一緒にいられるのは双子の特権だと嬉しく思っていた。
累は、んくっんくっと泣き声を堪え続ける結をぎゅっと強く抱きしめた。
「結が好きだよ。結がいなきゃ嫌だ。結は俺のために俺と一緒にいなきゃ駄目なんだよ」
「……僕も累が好き……」
「頑張ったな」
「うん……頑張った……」
「怖かったよな。もう大丈夫だからな。俺がいるからな」
うんと大きく頷くと、結は累の胸に顔を埋めたまま、んくんくっと苦しそうに泣き続ける結の背を撫で続けた。
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