黒い狼と赤い赤ずきん

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3.赤ずきん

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やったーーぁぁぁ。 やったよ!マルちゃーん。マルちゃんは私の犬。
柴犬で私の一番大切な親友!なんとなんと難関高校に受かった。すごい嬉しい!
高校生活楽しみだなぁー。

両親が海外赴任中だから今はマルと過ごしてる。
ひまり「もしもし。ひまりだけど、合格したよ!」 
親          『そうなの!やったね。あともう少しだからママ達が帰るまで自分で頑張ってね、プレゼント送るね!』
 ひまり「うん!ありがとう、頑張るよ!」
親『最近なんか、変な動物に襲われてる事件があるから気をつけない。』
ひまり「大丈夫だよ!おやすみ。」

嬉しすぎて眠れないから、夜にマルと散歩してたら 
「あ!マルちゃん満月だよ。綺麗だね~」
その瞬間に狼みたいな耳のはえた高校生くらいの男が近寄ってきた。ママが言ってた変な動物!?その男は
『おい、お前の犬をもらう。くれなきゃお前の命はない。』
その男の顔は逆光であまり見えなかった。
「何言ってるの、あげるわけないじゃん。」私はマルを抱きしめた。
『じゃあ、お前を殺す。』男は牙をたてた。ヤバい、死んでしまう。驚きのあまり、助けを呼ぶこともでかにかった。それでも、マルだけは、守ろうと必死に胸のなかに抱きしめた。死を覚悟したその瞬間、
「ねぇ、なんでそんなに犬なんか守るわけ?」
目を開くと美しい男がたっていた。よく見るとその男も狼みたいな耳が生えていた。でも、怖くて動けなかった。
「おい、ハル。邪魔すんなよ。」
『ごめん、ごめん、普通、犬ぐらい差し出すでしょ。なんでそこまでして犬を守るのかなって。』
私は勇気を振り絞って言った。
「私の親は海外赴任で近くにいません。だから、私は死んでもいいけど、マルが、1人ぼっちになっちゃう。」
泣きそうな小さい声で言った。
『マルだけは助けてください…………』
ハル「もーいんじゃない、他の人にしようよ」
ギル『今回は見逃してやる、次に会ったら容赦しない。』
男2人がいったあと、その男達からかすかなリンゴの匂いがした。

私は膝から崩れ落ちた。マルが生きててよかった。そう思うと涙が止まらなかった。警察に連絡しようと思ったけど、相手は狼男だ。
スマホを置き早く寝た。
おかしいよ。狼男はいなくなったはずなのに。夢でもみてるんじゃないかと思った。
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