黒い狼と赤い赤ずきん

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19.探索

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『今までありがとう。んー。一言で言えないくらいとっても楽しかった。最初は怖くて大っ嫌いって思ってたけど、何気なく守ってくれたり。ありがとう。
ごめんね。やっぱり龍我と雄登を危険な目に合わせられない。気づいたら私の初恋の相手が2人なんて。とにかく、生きていて。きちんとお別れできなくてごめん。さようなら。』


また家を飛び出してひまりを探した。

初めてあった場所。
龍我と雄登の家。
襲われた場所。
マルのお散歩コース。
学校のトイレ。


気づいたら夜になっていた。

龍我「どうしてだよ!人間を初めて信じさせてくれたのもアイツなんだよ!」
雄登『ひまり……俺達が狼じゃなければ……』
2人とも泣いていた。

生まれて初めて大切な物をなくす悲しさを龍我は知った。

龍我「俺は今まで……人の大切な物を奪ったけど、こんな気持ちだなんて……」
龍我は深く後悔した。

その頃ひまりは

「どこなんだろう?此処。」
まだ新しいアパートを見つけられていなかった。
マルもあくびをした。

やっとのやっと見つけて、
「これでよかったんだよね。」
ひまりも涙を流していた。
スマホの写真をみながら幸せだった日々を見ていた。
写真の内容は
マル、マル、マル、雄登、龍我、雄登、雄登、雄登、龍我、龍我、龍我、龍我。
こんなに近くにいた。マルばかりの写真が龍我と雄登で溢れかえっていた。


龍我と雄登は家に戻り、泣き疲れたせいか雄登は寝てしまった。
龍我はもう一度探しにでかけた。

駅のホームに見覚えのある髪飾りがあった。
ひまりのだった。

「これは……電車でこの町を出たって事か。」
ふとゴミ箱をみると、クシャクシャになった紙があった。
ひまりの匂いがして急いで開くと。

○○町さくら通り五丁目シーガイア2-5

電車はもうなかった。
それでも必死に走った。

「もう一度会いたい。ひまりの笑った顔がみたい。もう、死んでもいい。」

走った、着いた時には何回かコケたせいか足は深い傷があった。
部屋には光がついていた。

「ひまり!俺だ龍我だ!お願いだ開けてくれ!」
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