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ひとりぼっち
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床を埋め尽くすお菓子やパンのゴミ。窓とカーテンは締め切られ、昼間だというのに薄暗い部屋にそれは転がっていた。
それは、人として認識するのも難しいほど無残な姿になった少女だった。ぴくっと手が動き、何かを探すようにゴミの中を泳ぐ。手に触れた、緑のまだら模様のそれを口に運ぶ。二、三口食べて、苦しそうに喉元をおさえ、食べたものを吐き出した。少女は力なく目を開ける。
ピンポーン。
音に反応し、腕だけで体を引きずって部屋の隅に身を寄せた。
「あの……すみません」
玄関のドアが開き、青年が入ってくる。素朴な顔立ちだが、陶器のような真っ白な肌をしていた。
「清掃員のものです」
青年は水色の作業着と長靴、手袋で身を固め、大掛かりな道具を抱えている。
「これはひどいや」
ブツブツとつぶやきながら、部屋全体を見渡し、少女の存在に気づく。目をまん丸にし、白い顔をさらに青白くして駆け寄ってきた。
それは、人として認識するのも難しいほど無残な姿になった少女だった。ぴくっと手が動き、何かを探すようにゴミの中を泳ぐ。手に触れた、緑のまだら模様のそれを口に運ぶ。二、三口食べて、苦しそうに喉元をおさえ、食べたものを吐き出した。少女は力なく目を開ける。
ピンポーン。
音に反応し、腕だけで体を引きずって部屋の隅に身を寄せた。
「あの……すみません」
玄関のドアが開き、青年が入ってくる。素朴な顔立ちだが、陶器のような真っ白な肌をしていた。
「清掃員のものです」
青年は水色の作業着と長靴、手袋で身を固め、大掛かりな道具を抱えている。
「これはひどいや」
ブツブツとつぶやきながら、部屋全体を見渡し、少女の存在に気づく。目をまん丸にし、白い顔をさらに青白くして駆け寄ってきた。
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