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2「えがおがみたい」
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「ぼくも、えがおを みたい」
「だれかの ためじゃなくて、ぼくじしんの ために……」
そんな きもちが ぼくのなかで ふくらんでいった。
あるひ、そらが ぼくに いった。
『そのちから、なくしてもよいのか?』
ぼくは うなずいた。
ちからを うしなったぼくは、かなしみに ふれなくなった。
でも、それと いっしょに、みんなとも あえなくなった。
『このよに、かなしみのない いのちは なかったのじゃ』
そらの ことばが、ぼくのむねに ささった。
「ひとりぼっちは、さびしいよぉ……」
ぼくは、はじめて かなしくて ないた。
「だれかの ためじゃなくて、ぼくじしんの ために……」
そんな きもちが ぼくのなかで ふくらんでいった。
あるひ、そらが ぼくに いった。
『そのちから、なくしてもよいのか?』
ぼくは うなずいた。
ちからを うしなったぼくは、かなしみに ふれなくなった。
でも、それと いっしょに、みんなとも あえなくなった。
『このよに、かなしみのない いのちは なかったのじゃ』
そらの ことばが、ぼくのむねに ささった。
「ひとりぼっちは、さびしいよぉ……」
ぼくは、はじめて かなしくて ないた。
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