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最終章「悪役令嬢は卒業!って、世の中そんなに甘くない⁉︎」
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──作文対決に完全ハイボクした次の日。教室に行くのがこわくて恥ずかしくて、めちゃくちゃドキドキしてた。夕日ヶ丘君が勇気をくれなきゃ、みにふわちゃんのお面被って登校しちゃってたかもしれない。
シーン……。
わたしがドアを開けた瞬間、騒がしかったクラスが静まり返って。覚悟はしてたんだけど、やっぱり胸が痛かった。
だって、大号泣だよ?一学期を振り返ってどころか、ポエムみたいな作文読んだ後に、わんわん泣くって、別の意味でこわいよね。
ていうか、夕日ヶ丘君も大丈夫なのかな。わたしのことかばってくれたのはすごい嬉しかったけど、それで彼が変な風に思われちゃうのはいやだし……。
よし、カクゴ決めろ麗!
「お、おはよう」
背負ってた通学バックを下ろしながら、朝のあいさつをする。たった四文字言うのに、こんな緊張するのってわたしだけかな。
「お、おはよ朝日さん」
答えてくれたのは、西山君だった。めちゃくちゃ気まずそうな顔してるけど、ちゃんと「おはよう」を返してくれた。しかも、彼のおかげで他のクラスメイトたちも、ちらほら答えてくれたし。
「……うん」
どうしよ、うれしい。また泣いちゃいそうだ。でもダメ、今じゃなくて家で泣こう。
「見て、すごい怒ってるよ……」
「挨拶の仕方がダメだったのかな……」
違います、泣くのガマンしてるだけです。とほほ。
で。その日のお昼休みは、当然南さんとそのお友だちに呼ばれた。南さんの目元は赤くて、もしかして泣いたのかなって思うと、胸が苦しい。
「ごめん、南さん。わたしやっぱり、このままクラス副委員長を続けたい」
「……うそつき!」
「ホントにごめん」
南さんが怒るのは当たり前だし、うそつきって言われてもしょうがない。
「なんで……なんで夕日ヶ丘君が、朝日さんのこと庇うの⁉︎もしかして、なにか弱味をにぎって、夕日ヶ丘君をおどしてるの⁉︎」
「う、うーん?別にそういうわけじゃない、ような?」
「ど、どっちなの⁉︎」
おどしてはない、よね?弱味をにぎってるっていうのは、ちょっと当たってる気もするけど。昨日のことで、バレちゃったしなぁ……。
「夕日ヶ丘君は優しいから、同じクラス委員として助けてくれただけだよ」
「彼が優しいことなんて、わたしの方がよく知ってるんだから!」
南さんの反論に、お友だちも「そうだ、そうだ!」ってエンゴシャゲキする。
「あの、南さん」
「な、なに⁉︎」
「これからはわたし、夕日ヶ丘君の役に立てるよう全力で頑張るから!南さんたちにも、副委員長として認めてもらえるように、努力する!」
同じモクヒョーを持つ者同士だからか、最初の頃よりちゃんと話せる気がする。夕日ヶ丘君効果、すごい。
「……なんか朝日さんって、思ってたのと違う?」
「こわいけど、ちょっと変わってるっていうか……」
「話がかみ合ってないよね」
なんか、みんな顔見合わせてザワザワしてる。困らせちゃったのかな。
「そういうことじゃないのに!どうして分かってくれないの⁉︎」
南さん、めちゃくちゃ怒ってる。どこから間違えたのかが分かんなくて(だから分かってくれないって言われるんだよね)、オロオロすることしか出来ない。
「朝日さんがそのつもりなら、わたしももうエンリョしないんだからね!」
「そ、そのつもり?」
「みんな、行こっ!」
今日の南さんは、なんかハクリョクがある。いや、いつも通りかわいいんだけどね。この前呼び出された時は、もっとわたしをこわがってるように見えたからさ。
「もしかして、ちょっとずつうち解けてきてるんじゃ……⁉︎」
ホントにそうだったら、思わずスキップしちゃいそうなくらいうれしい。そしてそのまま、夕日ヶ丘君に報告しにいきたい。
「夕日ヶ丘君のおかげで、他の人たちともしゃべれるようになったよ」って。
そしたらたぶん、いやそうな顔しながら「スキップするな!」って言われちゃうんだろうな。いつものキレキレのツッコミで。
「ふふふ……」
想像したらついニヤけて、わたしはあわててほっぺたを押さえたのだった。
──とまぁ。今の状況はこんな感じ。作文発表の時から、周りの反応がちょっとだけ変わったような。
「あれ見て悪役令嬢、今日も怒ってる」
……やっぱり、変わってないような。
シーン……。
わたしがドアを開けた瞬間、騒がしかったクラスが静まり返って。覚悟はしてたんだけど、やっぱり胸が痛かった。
だって、大号泣だよ?一学期を振り返ってどころか、ポエムみたいな作文読んだ後に、わんわん泣くって、別の意味でこわいよね。
ていうか、夕日ヶ丘君も大丈夫なのかな。わたしのことかばってくれたのはすごい嬉しかったけど、それで彼が変な風に思われちゃうのはいやだし……。
よし、カクゴ決めろ麗!
「お、おはよう」
背負ってた通学バックを下ろしながら、朝のあいさつをする。たった四文字言うのに、こんな緊張するのってわたしだけかな。
「お、おはよ朝日さん」
答えてくれたのは、西山君だった。めちゃくちゃ気まずそうな顔してるけど、ちゃんと「おはよう」を返してくれた。しかも、彼のおかげで他のクラスメイトたちも、ちらほら答えてくれたし。
「……うん」
どうしよ、うれしい。また泣いちゃいそうだ。でもダメ、今じゃなくて家で泣こう。
「見て、すごい怒ってるよ……」
「挨拶の仕方がダメだったのかな……」
違います、泣くのガマンしてるだけです。とほほ。
で。その日のお昼休みは、当然南さんとそのお友だちに呼ばれた。南さんの目元は赤くて、もしかして泣いたのかなって思うと、胸が苦しい。
「ごめん、南さん。わたしやっぱり、このままクラス副委員長を続けたい」
「……うそつき!」
「ホントにごめん」
南さんが怒るのは当たり前だし、うそつきって言われてもしょうがない。
「なんで……なんで夕日ヶ丘君が、朝日さんのこと庇うの⁉︎もしかして、なにか弱味をにぎって、夕日ヶ丘君をおどしてるの⁉︎」
「う、うーん?別にそういうわけじゃない、ような?」
「ど、どっちなの⁉︎」
おどしてはない、よね?弱味をにぎってるっていうのは、ちょっと当たってる気もするけど。昨日のことで、バレちゃったしなぁ……。
「夕日ヶ丘君は優しいから、同じクラス委員として助けてくれただけだよ」
「彼が優しいことなんて、わたしの方がよく知ってるんだから!」
南さんの反論に、お友だちも「そうだ、そうだ!」ってエンゴシャゲキする。
「あの、南さん」
「な、なに⁉︎」
「これからはわたし、夕日ヶ丘君の役に立てるよう全力で頑張るから!南さんたちにも、副委員長として認めてもらえるように、努力する!」
同じモクヒョーを持つ者同士だからか、最初の頃よりちゃんと話せる気がする。夕日ヶ丘君効果、すごい。
「……なんか朝日さんって、思ってたのと違う?」
「こわいけど、ちょっと変わってるっていうか……」
「話がかみ合ってないよね」
なんか、みんな顔見合わせてザワザワしてる。困らせちゃったのかな。
「そういうことじゃないのに!どうして分かってくれないの⁉︎」
南さん、めちゃくちゃ怒ってる。どこから間違えたのかが分かんなくて(だから分かってくれないって言われるんだよね)、オロオロすることしか出来ない。
「朝日さんがそのつもりなら、わたしももうエンリョしないんだからね!」
「そ、そのつもり?」
「みんな、行こっ!」
今日の南さんは、なんかハクリョクがある。いや、いつも通りかわいいんだけどね。この前呼び出された時は、もっとわたしをこわがってるように見えたからさ。
「もしかして、ちょっとずつうち解けてきてるんじゃ……⁉︎」
ホントにそうだったら、思わずスキップしちゃいそうなくらいうれしい。そしてそのまま、夕日ヶ丘君に報告しにいきたい。
「夕日ヶ丘君のおかげで、他の人たちともしゃべれるようになったよ」って。
そしたらたぶん、いやそうな顔しながら「スキップするな!」って言われちゃうんだろうな。いつものキレキレのツッコミで。
「ふふふ……」
想像したらついニヤけて、わたしはあわててほっぺたを押さえたのだった。
──とまぁ。今の状況はこんな感じ。作文発表の時から、周りの反応がちょっとだけ変わったような。
「あれ見て悪役令嬢、今日も怒ってる」
……やっぱり、変わってないような。
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