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恋は魔法のように

第1話 恋の魔法にかかるまで

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皆さんは、恋の魔法にかかったことはありますか?

私はまだ、過去にかかったことはありません。

でもきっとこの苦しい気持ちは・・・

『恋』なのでしょう。





目の前に 大きな建物、エトワール魔法学校があり、私は今その門をくぐろうとしている。

「やっぱ、都会の学校はおっきいなぁ~。」

思わずぽろりと本音がこぼれる。

学校のチャイムが鳴り響く。
あれ?ちょっとまて。朝、お母さんが言ってたな・・・

〖朝、学校に行ったらすぐに職員室にいくのよ?お母さんはお仕事行くんだから。それくらいじぶんで行けるわよね?職員室の場所は・・・〗

〖うん・・・。うん・・・。〗

はい。なんと私、田舎から引越してきた転校生。だから、朝から職員室に行かなくてはならない。

てか、寝ぼけててあんまり聞いてなかったぁ~!!!!

どこだ!!職員室!!

ちょうどそばを男の子が通る。

あれ?この人・・・この学園の人だ!場所聞こう!(てか、あたりまえだけどね。)

「あの~。すみません、職員室って何処ですか??」

「へ?あっ、し、職員室ですか、職員室は・・・。ま、まっすぐいって・・・・・・。」

「あ、ありがとうございます!!」

「も、もしかして、転校生?もし良かったら職員室まで送るよ??」

(この人・・・。テンパりすぎてどもってる~!てか、背、私と同じ位?私は151くらいなんだけどな・・・)

「あ、あの?聞いてる??」

「へぁ?!あ、すみません!」

「ははは。とりあえず、途中まで職員室一緒に行ってあげるね。」

「ありがとうございます!!」

「いえいえ。」

やさしいなあ。かっこいいし、モテるんだろうな・・・。

そんなこと考えていると。

どどどどどどどど!!!!

「あぶないっ!!!」

「へぇっ!?!?」

後ろから全速力で女の子がダッシュしてくる。

「どいてどいて~!!!てか、たーすーけーて~!!」

がばっ!

「ひっ!え?」

目の前の光景が信じられなかった。

あの男の子の顔が真ん前に・・・

私、壁ドンされてる!!?

てかてか、助けてくれたんだ。

「あ、ありがとう・・・ございます。」

「あ!ごめんなさいっ!ま、守ろうとしてたら、し、自然とこうなってしまったというかなんて言うか・・・。」

「い、いえ!守ってくださってありがとうございます・・・。」

この瞬間、私は聞いた。

海の中にいるようなフワフワした感覚。
ぽちゃんと心地いい音。

まるでこいに落ちたような音が、
聞こえたような気がした。
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