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天端怪奇伝2
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天端怪奇伝2
翌日。妹に起こされる。まだ眠いし寒いから起きたくないぞ・・・
「冬だから冬眠するぅ」
「そんな事言ってると三月までご飯抜きですよ?」
「ぎゃっそれは困るっ」
千秋の方が一枚上手らしいな。まあ、千秋のおかげで朝ちゃんと起きられてるんだから感謝しなくちゃな。朝飯をくわえて家を出る。
学校では何故かやたらと眠かった。昨日は早く寝たのにな。学校で居眠りするのが習慣になっている、というだけで眠くなるのだったら困る(まあ自分が悪いのだが)。もうテストも近いんだがな。
放課後は文芸部だが、今日は別の場所で脚本にチャレンジしたいと思う。通常の場所と違う場所で取り組むと良い案が思いつく、というのをテレビで見たことがある気がする。逆もあるが。
学校を適当に歩いていると小部屋を見つけた。三年生の面接の練習にでも使うのだろうか。鍵はかかってなかったのでそのまま入る。若干埃っぽかったので少し箒で掃く。
さて、始めるか、と思い机にノートを広げようとすると落書きが机にびっしりと書いてあった。しかもそれは途切れていない一つの文章だったのだ。
これはただの落書きじゃないな。もしかしたら何かの魔術と関係してるかもしれない。オカルト研究会はこの学校には無いようだが狂信的なオカルト好きなひとが呪文を書き連ねてみたのだろうか。
三分ほどかけて呪文を唱えると目の前にいつの間にか一人の少女が立っていた。誰だお前。この部屋にはもともと俺しかいなかったのにな。
「うーん、君だれよ」
少女は伸びをしてから聞いてくる。こっちが聞きたいところだが。
「文芸部のエース、久保田義重!」
「私は辻あやめ」
辻はきょろきょろ辺りを見回してから、
「君がなんか知らないけど、召喚したみたいだね」
召喚って何だよ、カードゲームじゃあるまいし。新手のドッキリか?いや、わざわざこんなところでやらないだろうしな。
「私はまぁ、幽霊とか神様の類いのものだからね」
逆に俺が異世界に引っ張られてしまったのか?あの部室が魔界の入り口で・・・いや、バカらしい。神社の裏山の魔界に繋がる洞窟じゃあるまいし。
「で、君は何しにここに来たの」
そうだ、主の目的を忘れたら大変だ。
「静かな部屋で脚本を書こうと思ってな、演劇部から頼まれてるんだ」
「面白そうだね、そうだ、私が温めてた作品も書いてほしいんだけど」
「良いぞ、どんな内容だ」
するとその少女は俺の瞳をきっ、と睨む。なんなんだいきなり。そして五秒くらいして睨むのをやめてこう言った。
「これで脳みそにインプットされたから」
そう言って教室を出てどこかへ行ってしまった。どういうこっちゃ。
そのあともその部屋で一人で考えて、思いつかずに帰宅した。
続きます。
翌日。妹に起こされる。まだ眠いし寒いから起きたくないぞ・・・
「冬だから冬眠するぅ」
「そんな事言ってると三月までご飯抜きですよ?」
「ぎゃっそれは困るっ」
千秋の方が一枚上手らしいな。まあ、千秋のおかげで朝ちゃんと起きられてるんだから感謝しなくちゃな。朝飯をくわえて家を出る。
学校では何故かやたらと眠かった。昨日は早く寝たのにな。学校で居眠りするのが習慣になっている、というだけで眠くなるのだったら困る(まあ自分が悪いのだが)。もうテストも近いんだがな。
放課後は文芸部だが、今日は別の場所で脚本にチャレンジしたいと思う。通常の場所と違う場所で取り組むと良い案が思いつく、というのをテレビで見たことがある気がする。逆もあるが。
学校を適当に歩いていると小部屋を見つけた。三年生の面接の練習にでも使うのだろうか。鍵はかかってなかったのでそのまま入る。若干埃っぽかったので少し箒で掃く。
さて、始めるか、と思い机にノートを広げようとすると落書きが机にびっしりと書いてあった。しかもそれは途切れていない一つの文章だったのだ。
これはただの落書きじゃないな。もしかしたら何かの魔術と関係してるかもしれない。オカルト研究会はこの学校には無いようだが狂信的なオカルト好きなひとが呪文を書き連ねてみたのだろうか。
三分ほどかけて呪文を唱えると目の前にいつの間にか一人の少女が立っていた。誰だお前。この部屋にはもともと俺しかいなかったのにな。
「うーん、君だれよ」
少女は伸びをしてから聞いてくる。こっちが聞きたいところだが。
「文芸部のエース、久保田義重!」
「私は辻あやめ」
辻はきょろきょろ辺りを見回してから、
「君がなんか知らないけど、召喚したみたいだね」
召喚って何だよ、カードゲームじゃあるまいし。新手のドッキリか?いや、わざわざこんなところでやらないだろうしな。
「私はまぁ、幽霊とか神様の類いのものだからね」
逆に俺が異世界に引っ張られてしまったのか?あの部室が魔界の入り口で・・・いや、バカらしい。神社の裏山の魔界に繋がる洞窟じゃあるまいし。
「で、君は何しにここに来たの」
そうだ、主の目的を忘れたら大変だ。
「静かな部屋で脚本を書こうと思ってな、演劇部から頼まれてるんだ」
「面白そうだね、そうだ、私が温めてた作品も書いてほしいんだけど」
「良いぞ、どんな内容だ」
するとその少女は俺の瞳をきっ、と睨む。なんなんだいきなり。そして五秒くらいして睨むのをやめてこう言った。
「これで脳みそにインプットされたから」
そう言って教室を出てどこかへ行ってしまった。どういうこっちゃ。
そのあともその部屋で一人で考えて、思いつかずに帰宅した。
続きます。
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