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第1章 始まり 始まり

第5話 ハングリーな精神

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ゲーム時間03時

私は、上を向いていた。
そして、情報を集めるため、ギルド塔に向かっていた。

(何をするにしても情報を集めてからやらないといけないよな。行き当たりばったりやるやつはだ。うん、そう、VR戦闘なんて新しいことを何も考えずやる奴いないよ)

私の中で昨日のことは、「」としてタブーとなっており、それに触れさえしなければ、私はいつもの自分を取り戻していた。
足取り軽くスタスタと歩いていると、ギルド塔の前に来た。
塔の入り口から入ろうとすると、こんなダイアログが表示された。

『ギルドに入場できません。』

「クリコネ!」

ピコン!!
プレイヤー名「Natizen」からボイスチャットの申請が届きました。
というダイアログが表示される。
このゲームは、プレイヤーのプレイスタイルに合わせて、他者プレイヤーとの関わり方(主にボイスチャット設定)を決めることができる。
ちなみに私は、ボイスチャット可能な設定を『①フレンド認定したプレイヤー②申請を許可したプレイヤー③申請を行い、許可されたプレイヤー』にしている。
私は少し驚きながらも周りを見渡すと、こちらの方に向かって歩いてきているキャラクターを見つけた。
銀髪の右側の髪が長いアシメスタイルで、丸く大きな眼鏡をしている。
装備は、黒で統一されており、右側が長いアシメスタイルのロングコートが目立っていた。

(かっこいいキャラだ)

私は少し考えて、『許可』を選択をした。
Natizenさんがそのメッセージを確認し、話し始める。

「いきなりすんません。多分わからないから入ろーとしてると思うんすけど、ギルドホールには02時~06時の間は入れないっすよ」

「え、」

(ガビーン)

「時間外か~ついてなさすぎる」

「声漏れちゃってますよ」

「あ、すみません。教えてくださりありがとうございます」

「全然すよ。初心者はわからないことだらけっすよね?このゲーム、自分から調べたり、イベントやったりしないとメモ機能に情報が追加されていかないし。情報買ったり、チャット機能使わないんですか?」

(やっぱ赤Tは一発で初心者ってわかるんだろうな)

「はい。そうなんです。チャットとか、まだそういうのはやってないです」

「フレンド登録とかどうですか?何か困ったことあったら聞いてくれれば答えたりできますよ」

「え、、、」

(どうしようかな、、、)
そう、私はこのゲーム、なるべく『ぼっちプレイ』をしようとしていた。
理由は単純。
鬼畜ゲームと言われるこのゲームの中で『孤高のトッププレイヤー』なんて響き、かっこいいじゃん。
ただそれだけである。
だがしかし、スライムにタコ殴、じゃなくてNatizenさんが言っていた通り、このゲームはわからないことが多すぎて、今のままでは普通の上位プレイヤーでも夢のまた夢である。

「誘っていただいて、ありがとうございます。一つ聞きたいんですが、なんで助けてくださるんですか?Natizenさんにはメリットあります?」

「ん~ただの気まぐれっていうか、成り行きっすね」

(成り行き?どういうことだろうか。優しそうな人だけど、、、でも)

「ありがたい話ではあるんですが、私、一応、孤高のトッププレイヤー目指しているんですよ。なので、もう少し自分でやってみて無理そうだったら、あとで色々教えてもらってもいいですか?自分勝手ですみません」

「えっ?孤高のトッププレイヤー?中二、あ、いやまぁ全然良いっすよ。満腹、、、あ、いやあれっすよね。当たって砕けるみたいな楽しみ方もありますもんね」

「いや、私中2じゃなくて社会人ですよ!話し方で若く見られますが。そうなんです。私、漫画のそういうの憧れてるんですよ。わがまま言ってすみません。教えていただいてありがとうございました。ではまた!」

「あ、いや違っ、、、行っちゃった、、、はぁ。フルスピードで走るのがあの人の人生なんだなぁ~」

それから、適当に時間を潰しつつ、ゲーム時間の6時頃。

「よし、今度こそギルドに出発だ!」

私は、住居のドアを開いて外に出た。
しばらく歩いて、ギルド塔に到着。
ドアを開け中に入る。
急に暗い視界に包まれた

??





















恐怖のダイアログが表示される。

『満腹値0で死亡しました。所持金が半分になりました』


は?

満腹値?

0?

死亡?

所持金半分?
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私は、VRヘッドセットをそっと机に置き、下を向いた。

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ドローン内メモ NEW‼
【満腹値】
1日に1度、食事を取らなかった場合、ステータス値が次の割合で減少する。
2日目・50%減少
3日目・75%減少
4日目:ゲーム内の日の出30分で死亡。
※空腹以外で死亡した場合、25%空腹値が減少する。
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