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玖章 終ワリノ“ヒンコン”村
に サタンの忍耐。
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私は地面を蹴り上げた。
今までを超える速度で。光をも一瞬超える、限界の速度で近づいた。
あいつは詠唱をしている。きっとワールドスキルだ。
だから唱える前に殺すっ!!!!
ナイフを手に、グイッと近づいて私は
「しねぇええええええ!!!」
……うなじを切られていた。
咄嗟に、反応速度を超えた反射で避けたからかすり傷になったが
……あいつには傷1つついてない。
こんな所で戦力差を見せつけられて、気が一瞬逸れる。
『だから言ったのに。君は僕に勝てない。』
手から何かモヤが見える。
あれは魔法だ。魔法の兆候だ。
だめだ、間に合わない!!
『…権限:《憤怒者》。そして“アキヤマユキミ”は怒りに殺される。これで君は負けだよ。さようなら。』
いやだ
いやだ!
死にたくない…!!
まだ、死ぬべきじゃ…………!!!!
許せない
許せない
自分が、許せない
『…なかなか耐えるね。でも、後に君は怒りに飲まれる。』
だめだ
身体が燃えるように熱い
頭が、燃えるように痛い
……
………
「……《罪癒者》……使用……」
『…あ……!!嘘だろ……お前……それを、それを平気で使う気か……!?』
「…………だって、お前は……私を殺そうとしてるから。………私は、私の命の修復に…400000人分の寿命を使う!」
『お前はそれを使うという意味を知っているのか?おい!使うな!!それは…それはこの世界から…彼らの魂を消す行為だぞ…!!!!!やめろ、大人しく死んでおけ!!』
「私が死んだら、4万人の人がこの世界から消える。それでも私を……が…はぁ…!!…………殺すの?名倉くん。」
私は知っている。
いや、この村に住んでいる時点で分かっている。
こいつは、人間を憎めない。
それどころか…
人間を守るために生きている。
だから、その存在が消える事象を嫌う。
そう考えた。だから
賭けに出た。
成功だ。
『………はぁ…大人しく死んでくれよ。…めんどくさいなぁ………しょうがない。今回は君の攻撃を受けてあげるよ。はぁ………一回死ぬとこのループの記憶なくなるから嫌いなんだよね…………まぁいっか。』
そして、こうなる。
分かっている。これでいい!
これで、あと少しだ!!
サヨナラだ、ピーター!いや、潮陽!!
私はナイフを振り上げ、手を広げる潮陽に振り下ろす。
振り下ろし…空振った。
は?
え
地面を見ると
名倉潮陽は死んでいた。
……胸に穴が空いている。
なにが、起きたんだ?
音もなく、潮陽は地面に倒れ附している。
煙で人影だけが見える。
霧が晴れていく……と同時に
私は手を見開いた。
『………堪忍袋の緒が、切れました。貴女を、金輪際…末代まで恨みます。』
そこに居たのは
谷村空、その人だった。
今までを超える速度で。光をも一瞬超える、限界の速度で近づいた。
あいつは詠唱をしている。きっとワールドスキルだ。
だから唱える前に殺すっ!!!!
ナイフを手に、グイッと近づいて私は
「しねぇええええええ!!!」
……うなじを切られていた。
咄嗟に、反応速度を超えた反射で避けたからかすり傷になったが
……あいつには傷1つついてない。
こんな所で戦力差を見せつけられて、気が一瞬逸れる。
『だから言ったのに。君は僕に勝てない。』
手から何かモヤが見える。
あれは魔法だ。魔法の兆候だ。
だめだ、間に合わない!!
『…権限:《憤怒者》。そして“アキヤマユキミ”は怒りに殺される。これで君は負けだよ。さようなら。』
いやだ
いやだ!
死にたくない…!!
まだ、死ぬべきじゃ…………!!!!
許せない
許せない
自分が、許せない
『…なかなか耐えるね。でも、後に君は怒りに飲まれる。』
だめだ
身体が燃えるように熱い
頭が、燃えるように痛い
……
………
「……《罪癒者》……使用……」
『…あ……!!嘘だろ……お前……それを、それを平気で使う気か……!?』
「…………だって、お前は……私を殺そうとしてるから。………私は、私の命の修復に…400000人分の寿命を使う!」
『お前はそれを使うという意味を知っているのか?おい!使うな!!それは…それはこの世界から…彼らの魂を消す行為だぞ…!!!!!やめろ、大人しく死んでおけ!!』
「私が死んだら、4万人の人がこの世界から消える。それでも私を……が…はぁ…!!…………殺すの?名倉くん。」
私は知っている。
いや、この村に住んでいる時点で分かっている。
こいつは、人間を憎めない。
それどころか…
人間を守るために生きている。
だから、その存在が消える事象を嫌う。
そう考えた。だから
賭けに出た。
成功だ。
『………はぁ…大人しく死んでくれよ。…めんどくさいなぁ………しょうがない。今回は君の攻撃を受けてあげるよ。はぁ………一回死ぬとこのループの記憶なくなるから嫌いなんだよね…………まぁいっか。』
そして、こうなる。
分かっている。これでいい!
これで、あと少しだ!!
サヨナラだ、ピーター!いや、潮陽!!
私はナイフを振り上げ、手を広げる潮陽に振り下ろす。
振り下ろし…空振った。
は?
え
地面を見ると
名倉潮陽は死んでいた。
……胸に穴が空いている。
なにが、起きたんだ?
音もなく、潮陽は地面に倒れ附している。
煙で人影だけが見える。
霧が晴れていく……と同時に
私は手を見開いた。
『………堪忍袋の緒が、切れました。貴女を、金輪際…末代まで恨みます。』
そこに居たのは
谷村空、その人だった。
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