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無事に育っております
しおりを挟む私の名前はセレーネ・ホーグワット。
ホーグワット伯爵家の末子に生まれた女児。
現在3歳であと数日もすれば4歳。そしてその半年後……5歳になる前には洗礼を受け自分の能力を知ることができる。
この世界は前世でいうところの科学の代わりに魔法がある。洗礼はその魔力を知る儀式らしい。
「セレーネ様、座学のお時間でございます。しっかり学んで早く優秀な殿方を捕まえて…じゃなく射止めてください」
そして幼気な幼児にこんな無理難題を吹っかけるのは、私付きの世話役兼侍女のミーヤ。
結婚こそしてはいるものの浮気性の旦那にほとほと呆れ、今では名ばかりの結婚となり、数ヶ月前から事実上住み込みをしている。
『王都にある実家から火急の呼び出しがあり、用事を済ませて婚家に戻ったらいつの間にかあの女がいまして……あの屋敷には私は必要がないようなのです』
ということだった。なら離縁すればいいのにとも思うのだけど、なかなかそうもいかない事情があるらしく籍はそのまま、嫁入りで持って行った宝石やドレス等々全部一式持って出てきたらしい。
『あんな旦那様でも貴族の一員ですし、屋敷には使用人もおります。離縁できない事情が解決して、今の使用人の新たな就職先の斡旋が済みましたら離縁するつもりでございます』
そう父上に話していたのを、たまたま聞いてしまった。どこの世にもろくでなしはいるらしい。ため息を付きつつ部屋に戻ったら聞いていたのがバレて怒られたけど。
そんな話を知っている私に、結婚を勧めるのもどうかと思うけれど、結婚はこの国の貴族の義務らしいので、せめてまともな相手と婚姻できたらいいなぁと楽観的に思う私。
だって、私まだ3歳。
中身に関しては、前世は25歳まで生きたので合わせて28歳だけど、前世も今世もいまだ世間知らずのお嬢様だ。焦ってもどうにもならないのは、先日起こしてしまった事件で重々身に染みた。幸にして、私にはいまだ顔を合わせてはいないが、姉と兄がいるらしいから、順番を考えれば結婚は最後か…早くても2番目だろうと思う。兄の結婚の前までに嫁に行ければ万々歳だろうし、余程のことがなければ行き遅れることもないはず。
それに私はかなり魔力が多いらしいから、貴族としての結婚以外でも選択肢はいくつかある……だろうと予想。
今のところは、優秀過ぎず程々の才を持ち、低すぎず高すぎずの爵位持ちと婚姻が一番無難だろうと当たりをつけて、父やミーヤに隠れてこっそり魔法の練習をしていたりする。
この辺は実は前世で読んだラノベの影響。
そんなん上手く行くわけないじゃん。なんて思いつつ、ラノベで読んだ通り魔力循環をやってみたらできてしまい、それに伴い魔力が増えてしまったらしい事実。
世の中何が役に立つか分からないものである。
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