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狭間の時間
しおりを挟むここはどこだろう?
あれ?
もしかして、私はまた死んでしまったのだろうか?
ここで目覚めた以前の記憶はなんだかフワフワしてよく思い出せないのだけれど、なんだかあんまりいい感じではなかったことだけは覚えている。
で……あそこにいる少女?少年?は何をしているのだろう。大きな紙のようなモノを広げて、そこに目印のようなモノを置いてぶつぶつ呟いている。ホントに私はどこに来ちゃったんだろう?
『ここもダメなのかな。どうして上手くいかないんだ』
あの子が泣きそうな声で呟く。
『ボクの愛し子だからなのかな?ボクが悪いのかな?もう……あの子に辛い想いさせたくないんだよぉ……』
ペタリと床に座り込み、大粒の涙をポロポロ流しながら手にした目印の石を握り込む。
『また泣いているのか?』
座り込むその子の隣にふわりと近づく光がひとつ……
(あれは?)
セレーネはぼんやりとする意識の中でふと思い出す。
(あの座り込んでいる子は……確か、前の前……クルマに轢かれそうだった子だ)
前世、日本で病死する寸前という微妙な時に思い出した前世。
いわゆる前々世というやつだ。
(あの時は飛び出したあの子の手を掴んで引き寄せ、どうにか無事助けたんだったか……)
遠い記憶を掘り返してみるけれど、ぼんやりとしか思い出せないのがもどかしい。
けれど確か、あれからだった。
自分の周囲に不穏なことが続いたのは。
そして翌年には、旅先で自分を除く家族全員が事故で死んだのだったか……。
映画のように流れる脳内の記憶をただ流し見る。
「しょうがないよ。キミを助けた時に魂に傷を負ってしまったのだから。見えるはずのない私達の存在を無意識に感じて手を出してしまった結果だ。君が“愛し子“として認定したからああして輪廻の輪の中にいられる。そしてあと数回転生すれば××になれるんだ。それまでも少し放っておけばいい」
光の主はそう言うだけ言って消えてしまった。
(言いたい事は分かるけど“放っておけばいい“って随分な言い方だなぁ)
そんなことを思い、フワフワとした感覚が楽しくなって、思わずあちこち動いていると、座り込んでいたあの子と目が合った。合ってしまった……。
『どっどっ……どーしてキミがここにいるの!えっ?ちょっちょっとぉー!!』
なんだか随分慌ててこちらに走ってくる。
こちらに誰か知り合いでもいるんだろうか?
そんなふうに呑気にしていたら、あの子の目的は自分だったらしい。
『ごめんね。ボクが頼りないから。でもここにはもう来ちゃいけないよ』
そう言って目の前に現れた扉を開けて、私を送り出した。
『さぁ戻るんだよ。ボク頑張るから。だからっだからっ…まだ諦めないでっ』
涙を流しながら私を見送ってくれた。
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