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タブレットに再び打ち込んだ文字。
これじゃ分からないかな?
「オイカワサクラ」
ゆっくりとだけど、久しぶりに自分の名前を入力する。カタカナだけどね。
それを見た先輩は…始めはキョトンとしていたけれど…気が付けば眉間にすっごい皴を寄せて画面を見ていた。
「サクラ?それは誰の名前なのか知っているのか?」
先輩に何を言われているのか、イマイチ理解できず…勢いのまま文字を打つ。
「ワタシノナマエ」
「オイカワサクラ」
二回目の入力となると、予測変換もあって入力がずいぶん楽になる。
少しづつ打ち込みも早くなってきて、だんだん楽しくなってきた。
富川製作所に入社当時、自分でパソコンでの文字入力を必死に練習したあの時の感覚に似ていた。
楽しくモノを覚えられるのは好きだからだよ…と言われたこともあるけれど、あれは好きだったんじゃない、好きになったのだと思う。だから楽しかった。仕事も……だ。
それに、好きにならなければあそこで仕事を続けるのは難しいかったのもある。
それぐらい、あの人の当たりが強かったのだ。
なんて過去の話をしてもしょうがない。
今が大事だしね。
そう思いつつ、先輩の顔を見上げる。
どう反応していいのか微妙な表情をしている先輩。
…もう過ぎたことなので気にしないで欲しいんだけれど、私の本体の方はまだ継続中だから無理かな?
どっちにしろ、多分私は身体に戻るかこのままか…選択しなくちゃいけないのだろうと思う。
「もしかして……ホントに、さくらさん?及川さん?」
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